- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
ロボサピエンス みんなのレビュー
- ピーター・メンゼル (著), フェイス・ダルシオ (著), 桃井 緑美子 (訳)
- 税込価格:4,180円(38pt)
- 出版社:河出書房新社
- 発行年月:2001.5
- 発送可能日:購入できません
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
4 件中 1 件~ 4 件を表示 |
紙の本
ロボット大国日本は『ロボサピエンス』に負けたか?
2002/08/23 18:47
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:瀬名秀明 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まずは本を開いてみてほしい。圧倒的な写真がいくつも目に飛び込んでくるはずだ。僕が驚いたのは、それらが単純なポートレイトではなく、それぞれのロボットの機能や開発者の人となりが「物語」として凝縮されていたことである。ロボットたちはまるで俳優のようにポーズをつけ、周囲に小道具を侍らせて、一世一代の晴れ姿を披露している。ライティングやアングルも面白い。研究者たちも実に格好良く、また時にはユーモラスだ。そして登場するロボットや研究者たちが実にバラエティに富んでいて、全体を通して見るとまさにロボット世界の一大パノラマを展望した感じなのである。
この本の著者はフォトジャーナリストのピーター・メンゼルと元テレビプロデューサーのフェイス・ダルシオ。ふたりは世界のロボット研究室を訪ね歩いて、開発者にインタビューし、ロボットの写真を撮影した。謝辞に掲げられている研究者・研究施設はなんと総計254。おおむね有名な研究施設は網羅されているといっていい。だが僕はここで絶望的な気分になった。このうち実に40人ほどが日本に在籍する日本の研究者だったのだ! 二足歩行制御技術の基盤をつくりあげた高西淳夫、ロボカッププレジデントの北野宏明、ヘビ型ロボットで有名な広瀬茂男、見まねロボットの川人光男や國吉康夫、もちろんホンダやソニー……。どうして日本人ジャーナリストがこの本をつくれなかったのか? ロボット大国日本の出版業界は、いったい何をぼやぼやしていたのだ?
途方に暮れながらページを捲っているうち、ようやくこちらにも希望が残されていることがわかってきた。よく読んでみると、ダルシオが担当した各研究者へのインタビュー記事は、残念ながらやや散漫で焦点がぼけている。本書のような質疑応答形式によるまとめ方の宿命なのだが、個々のインタビューが並列的に紹介されるので、各発言があまり有機的にリンクしていない。それよりも、写真担当のメンゼルが執筆したわずか四ページの「はしがき」のほうが、本書の主題をよく表しているように思えた。彼は次のように書いている。
「ロボット歴訪のこの旅で最も感動したのは、新しいミレニアムの始まりに、ロボット研究のたどたどしい歩み——しかし進化の過程でまさにわきあがってくるような——をこの目でしっかり見届けられたことだ」
「今日見られるロボット分野の成長は、10年前のパーソナル・コンピュータに見られたいわゆる『成長の離陸期』に相当する。(中略)マシンの未来はこうだと決めつけてしまうべきではない。こうした創造物をつくりだすことから生じるさまざまな問いかけが、まさに人類の未来をつくりあげていくことにほかならないのだ。たとえその未来がどんなかたちで待ち受けていようとも」
この意見には全面的に賛成だった。だが、そこへ至る過程には違う見せ方もあるはずだと感じた。読み終える頃には自分の本の方向性がクリアに見えてきたのである。
紙の本
6月27日今日のおすすめ
2001/07/25 21:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ロボットが人間に到達するのでも、人間を圧倒するのでもない。途方もなく複雑なホモ・サピエンスの意識と、衰えることのないロボットのボディを融合させて、人間がロボットになるのだ。
すなわち、ロボサピエンスに。(本書より)
■ジャンル担当者コメント(サイエンス・テクノロジーサイト)
ホンダP3や早稲田のワビアン、電総研のジャックなど日本が誇るヒト型ロボット−−ヒューマノイドはもちろんのこと、MITのコグや各種の昆虫型ロボット、手術ロボットや義手・義足のテクノロジー、そして実用間近の様々な軍事用ロボット、さらには塵のように小さいロボットの構想まで。もちろんAIBOなどペットロボットも紹介。
単に美麗なだけではない、鋭い視点を持ったフォトジャーナリストによる写真の数々で、地球上の最も進んだマシーンと、その開発者たちの姿を概観できる本である。
世界中の著名な研究者たちが登場するばかりか、日本ではあまり知られていないロボットも多数登場する。
さらに本書では、日本の研究者の紹介に重点がおかれている。日本のロボット研究がいかに優れているか、海外のジャーナリストたちがいかに日本の研究者たちとそのロボットを注目しているか。翻訳書である本書から、逆にそれが分かってくるのではなかろうか。
そして、写真だけではなく本文まで目をとおした読者は、本書が文明論でもあることに気が付くだろう。
ロボット研究者たちが考える機械、いや人類の未来。それがどんなものか知りたい方は、本書を手にとることをおすすめする。
(※表紙は東京理科大の顔ロボット。)
森山和道(http://www.moriyama.com/)
4 件中 1 件~ 4 件を表示 |