投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
カバーが変わったので買いなおす。映画は昔々に一度見ただけなので思い出せないから比較対象無しで面白い。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
The Third Man(1950年、英)。
名作映画の原作。最初から映画化を前提として書き上げられた。映画は、ラストシーンの名演出と、ツィター奏者アントン・カラス作曲のテーマ曲で有名。
友人のハリー・ライムに招かれて、第二次大戦直後のウィーンにやってきたマーティンズは、到着の数日前にハリーが交通事故で死んでしまったことを知る。さらに、ハリーが凶悪な闇商人として警察にマークされていたという話も聞く。友人の無実を信じる彼は、事の真相を探るべく調査を開始する…
第二次大戦と冷戦の狭間の荒廃した都市を舞台に、当時実際にあった出来事を巧みに取り入れた物語。サイコパスじみたハリーの人物造形が、時代の申し子という感じで良い。これでラストが映画と同じだったら、★5つだったかも…。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
映画は昔見ただけなので、見直してみようと思いました。グリーンの作品は3作目ですが、他のものよりシンプルで読みやすかった。ただ、主語がわかりづらいのが難点。それにしても、ハリーがロロを呼び寄せた目的は本当に彼が言うとおりだったのでしょうか?悪人の割にはロロやアンナへの対応も甘すぎませんか?終わり方もグリーンほどの人があの陳腐な終わりで本当に良いと思っていたのでしょうか?映画のラストを際立たせるためにあえてああしたのではなんてちょっと勘ぐっています。でも総じて面白く読了しました。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
友人であるハリー・ライムに誘われ戦後間もなくウィーンにやってきた作家ロロ・マーティンズ。ホテルに残された謎の伝言。彼がウィーンにやってくる前に交通事故で死んだライム。彼の葬式に参列するロロ。ロロに接近する刑事キャロウェイ大佐。ライムが闇商人としてマークされていたという。ライムの友人たちとの関係。ライムの恋人だったアンナ・シュミットに恋するロロ。4つの大国に統治されるウィーン。アンナをドイツのスパイとして捕えるソ連警察。ライムが交通事故にあった時の状況の食い違い。現場にいた第三の男の謎。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
映画見たことないんですが、先に本を読んでしまった。たまには良質なミステリ的な要素を含んだ本を読んでストーリーの面白さに浸るのもいいかなと思ったけれど、山場がどこかも分からずするすると読んで終わってしまった。多分予想していたより、映画化を前提として書かれた本だからか。映像はみてみたいなあ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
良くも悪くも、短く簡潔にまとめた印象が強い。
読みやすくもあり、重たいテーマをそこまで重厚にしなかった印象。
映画も観てみたい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
キャロル・リードの往年の名画の原作。小説を映画化したものの場合、往々にして原作の趣きを損なってしまいがちなのだが、この作品に限っては、映画の方がいいかも知れない。リードの演出、ロバート・クラスカーのカメラワーク、オーソン・ウエルズのハリー、アントン・カラスの音楽といずれをとっても他には換えがたい風格だ。一方、原作のほうは映画に比べると、やや未整理な部分も目立つ。それにしても、第2次大戦直後、4カ国によって分割統治されていたウィーンを物語の舞台に選んだのは絶妙のアイディア。G・グリーンの作家的直感は見事だ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
映画原作。とはいえ、成立過程を見ると、まず映画の企画ありきで書かれたもの。
いつものように映画の方は観ていないが、小説はエンタテイメント性を重視した仕上がりになっている。
筋立てとしては、戦後の混乱したウィーンを舞台にしたサスペンス。ちょっとしたラブロマンス、謎解き、緊迫感のあるアクションシーンと、楽しめる要素をてんこ盛りにして散漫な印象にならずに纏まっているのが凄い。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
サスペンスでありながらも、背景に隠された戦後間もないウィーンの暗い情勢がありありと浮き彫りにされている。
マーティンズは、ライムは、アンナはそれぞれ何を考えたのか。登場人物の誰の視点から見るかによって、結末を迎える時の気持ちが変わる。
色褪せない名作。映画も見たい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「ハリーは生きた人間でした。単にあなたの英雄や、あたしの愛人だけではなかったのです。彼はハリーでした。彼は闇商人でした。彼は悪事を働きました。それがどうだというのです?彼はあたしたちの知っている人間でした」ーと女。
「ぼくを信用するな、ハリー」ー友人の潔白を証明すべく奔走し、真実を知り、友人の身体に弾丸を撃ちこんだ男。
この対照が印象的だった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
超有名映画の原作、と言っても映画化を前提にしたものらしい。
実は映画はちゃんと通しで見たことがないので、先に原作を読んでみようかと。
恥ずかしながら当時のウィーンがそんなことになってたとは知らんかったよ。
あと超有名なラストシーンが実は原作では違ってた、というのも興味深い。
今度は映画見ないとなあ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
グレアムグリーン渋いねぇ、全くオタク渋いよ。
最初誰が誰やらこんがらがりましたが、大変興味深く読ませていただきました。
ただ、本で読むには地味過ぎる気がして…。映画の方が良いですね。アンナが一人毅然と歩くエンディングも、ボルジアの圧政はルネサンスを生んだが、スイスの平和主義で生まれたのは鳩時計だけ。というハリーのセリフも。
作者が序文で、彼(キャロルリード)の大勝利だった。と書いてある所から、グレアムグリーンめっちゃ性格良いしと思った私は単純な人間です、はい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
文句ない。キャロルリードの映画で震えた感動が蘇る。後書きによれば、映画の企画としてグレアムグリーンが書いた原作本だというではないか。マーティンズが友人ハリーの葬儀に参列する墓地のシーン、ウィーンの街、彼の知らないハリーの話。シーンが目に浮かぶ。映画を意識して書かれたことがよくわかる。ハリーは何者なのか?さすがグレアムグリーン。お話としての完成度が高く鮮やか。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
原作とそう変わらないけど、映画版の方が心に残るラストだった。(本当にほんの少しの違いだけど…)そして原作の結びが大雑把だけど話の全部を物語っていた。
時代背景も手伝って、まぁ退廃的。
戦後の混乱が誰にも救いようがない物語を創り出し、下手すれば(当時の)ウィーン以外の似たような場所でも同じような話が出来上がっていたのでは?とまで思えてくる。
映画版はクラシック映画の中でも名作と言われているけど、小津氏の翻訳もクラシカルで格調高いものだった。あの技法を今再現するのは難しそうだけど、作品の時代に合わせた訳ができたらカッコいいだろうなー。
「人を理解するにはゆとりを持たなくちゃいけない」
憧れだった人間が悪の道に踏み込んだ時、事実を受け入れ訣別(あるいは罰を下す)するか、憧れのままその人を受け入れていくかに分かれる。
観覧車前でライムに再会した際、マーティンズはまだ僅かながら受け入れる希望を残していたように思う。でもライムの本心を知ってしまい、観覧車が彼らの訣別の場になってしまった。
そのシーンを踏まえ、実在&現存する観覧車を目の前にしたらどんな感情が湧き上がってくるのか、一度試してみたい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
著者グレアム・グリーンは、第二次世界大戦のとき、MI6のメンバーとして、西アフリカやイベリア半島で諜報活動に従事した経歴があり、それゆえに本作品でのスパイ活動は、非常にリアリティがある。しかし、通常の小説とは違い、本作品は最初に映画を作る企画から始まり、そこでグレアム・グリーンが原作者として起用された。そのため、キャロル・リード監督による映画『第三の男』も併せて触れないと、本作品の良さが半減してしまうので、両方とも見るべきである。