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紙の本

グローバルな視点に基づき、写真の根幹から考察する「用語集」

2001/09/19 12:08

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:日高優(表象文化論) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書の原題は、Photo SPEAK: A Guide to the Ideas, Movements and Techniques of Photography, 1939 to the Present.従来、写真史の記述の仕方は、写真の技術的変遷と絡めつつも、著名な写真家やその代表的写真集を年代順に辿る、あるいはドキュメンタリーやファッション写真といった主題別にまとめるものが中心だった。本書はそうした記述ではこぼれ落ちてしまう諸問題を掬うものとしても機能するだろう。例えば、写真の「固有性」や写真表現の「意味」といった問題である。写真を学ぶ人々向けの「キーワード集」として編まれた本書がそうした役割までも担いうるのは、原題の副題にあるように、著者が、写真術の実際の展開(写真家論、写真運動論)を追うだけでなく、写真の根幹の側(写真というものの観念、技術)から考察する眼差しを強く打ち出しているためだ。

 体裁は、キーワード集として「項目」がアイウエオ順(原著はアルファベット順)に色気無く並べられただけのものだが、何しろ、興味深いものが少なくないのだ。「撮影者不詳の写真」、「写真行為」、「写真史」など、技術としての写真の側面が、写真の固有の存在様態そのものを規定していることを深く理解した筆者だからこそ、こうした項目が織り込まれたのだろう。例えば「建築と写真」という項目を見てみよう。我々は写真の技術的な発展を追いつつも、同時に建築物を写真に撮ることの意味の変遷を辿ることにもなる。つまり、写真術の初期、露光時間が長く必要だった時期、静止物として被写体に適していたという建築物写真の意味や、複製可能なカロタイプによってエジプトを調査・撮影旅行したマクシム・デュ・カンの異文化表象という意味から、近年、ルイス・ボルツによってインスタレーションとして制作された、産業開発による工場地帯の風景の文明批評的な意味まで、といった変遷だ。

 著者ジル・モラは、フランス人。『カイエ・ド・ラ・フォトグラフィ』誌の編集長を経、90年代末から「アルル国際写真フェスティバル」のアート・ディレクターを務める。これまでの写真の歴史が、良かれ悪しかれ、書き手のナショナリティを反映しつつ記述されてきた節があるのに対して、ジル・モラの得意分野はウォーカー・エヴァンズやエドワード・スタイケン、ユージン・スミスらのアメリカ写真にも及び、本書は広範な視野をもって書かれている。フランス版に先立ち、英語版が出版されたという事情も、彼の国際性を裏付ける証拠かもしれない。また、「写真行為」の項目では、写真家としての自身の活動にも触れるなど、茶目っ気も見せる。キーワード集という制約上致し方ないが、もっと各項目の紙面を増やして突っ込んだ議論を期待したくなる、そんな本なのだ。

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2013/01/22 16:09

投稿元:ブクログ

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