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湯川利和:1934年大阪生まれ。1960年代初め、日本住宅公団技師として千里ニュータウンの開発にあたり、その後大学に移った。
改題(瀬渡章子)がよくまとまっている。「本書は、人間らしく安心して暮らすための住環境デザインはいかにあるべきかという視点から、20世紀初頭に確立された機能主義の住環境構築理論が1960年代には破綻をきたし、1970年代には新たな住環境デザインの構成原理が提案されるに至るパラダイム転換の過程を、具体事例に即して詳細に解説した書である」
「防犯設計が単に「鍵と錠」の問題に矮小化されるのではなく、住戸クラスター規模、住戸まわりのデザイン、住棟共用部分のデザイン、屋外空間のデザイン、住宅地の配置設計、ひいては都市構造のあり方にまでおよぶ課題としてとらえられていることである。さらにハードな環境デザインが安全な近隣環境の形成に有効に寄与するためには、近隣小集団の社会階層(世帯型、年齢、所得など)への考慮も欠かせないと提起されている」
「クラスターレベルの分離、地区レベルの融合」
「1970年代、欧米において地道な調査研究に基づき住環境づくりに携わる人に理解できる「形態言語」に翻訳された、いくつかの住環境デザインの指針が体系的にまとめられた」