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紙の本

人間の感情はどのように進化してきたのか。

2001/10/30 22:16

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投稿者:挾本佳代 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人間は誰でも感情をもっている。たとえ、どんな状況に陥った時でさえポーカーフェイスを崩さない人であっても、その仮面の下にはさまざまな感情が渦巻いているはず。それに、そもそも感情は別に人間だけに限ったものではない。愛犬が、いま何をしたいのか、どうして欲しいのかということが手に取るようにわかる飼い主にとっては、当然のことながら犬も人間と同じように感情を持っている。ただ、犬は自分の感情を言葉にすることができないだけなのだ、と彼らは主張する。そう、チンパンジーもペンギンもメダカもみんな感情を持って生きている。考えてみれば、たまたま人間が「言葉」という道具を使って、自分の経験した(している)感情を言い表しているだけなのだ。

 そのように生物全体にスコープを広げて感情を考察するのはひとまず棚上げにして、人間の感情がどこから生じて、どのように進化してきたものであるのかを考えてみよう。この問題にアプローチするのに最適の入門本がある。それが本書だ。もしかしたら、「人間の感情が進化してきた」という表現に違和感を感じる人がいるかもしれないが、およそ38億年前に誕生した生命が、遺伝子に突き動かされ、また環境と適応しながら、世代を越えて自らの種を保存してきたという事実を想像してみるといいかもしれない。生物は、そのような過程で、ひたすら生き延びるためにさまざまな戦略を取り続けていく。ヒトという種の場合、そうした戦略のひとつの中に「感情」の変化があったのだ。

 何より本書から教えられることは、まず、生物が個体としても種としても生き延びていくのに絶対必要な「感情」は「快」「不快」であるということだ。生物が種を繁栄していくためには、まず「快」と感じる生殖が必要である。また、自らが「不快」と感じることには近づかない、手を出さないのも常道である。天敵に追われて、危険だと感じることは当然「不快」の中に入る。人間の場合はどうなるか。著者が数多く例示するケースから、この問題もあれこれ考えてみたい。

 また、本書が教示するもうひとつの重要なことに、人間の「感情」がどこから発しているかという問題がある。例えば、赤いリンゴが目の前にあって、「このリンゴ、赤くてかわいい」と私たちが感じているとする。けれど、これは私たちの脳と神経が正常に動いて、私たちがそう理解しているだけなのだ。初めてリンゴを目にし、いままで赤という色も見たことがない場合には、「リンゴ」「赤」「かわいい」という3つはつながらない。脳の中では「リンゴ」という物体がイメージとして存在しているだけなのであり、「赤」「かわいい」という理解は学習して初めて得られるものだからだ。

 では、人間の「感情」はどこからくるものなのか。遺伝子がそうさせるのか(遺伝子決定論)。環境に適応する過程で生まれてくるのか(環境決定論)。遺伝子と環境に決められるものなのか(生物決定論)。著者は想定されるこうした3つの決定論のいずれでもないと主張している。彼は、人間の「感情」は遺伝子も環境も考慮しなければならないが、それと同じように、人間が脳を通して学習し、創造していく過程が重要であるという。脳の果たす非常に緻密な働きと、人間が生きていくことがどのように関連しているのかを考えていきたい。 (bk1ブックナビゲーター:挾本佳代/法政大学兼任講師 2001.10.31)

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2013/08/18 12:37

投稿元:ブクログ

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