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ケルト文化を下敷きにした良品。
彼女はトールキンの日本における直系だと思う。
いきてかえりし物語。
もしくは居場所を持てない女の子が故郷を探す話。
空気までも文章で表現しようとする筆致は圧巻。
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下巻にあたる。次第に状況が明らかにされていくのだけど、その、登場人物によって思惑が違ったり、持っている知識が異なるため、話を聞きつつ美前と一緒に翻弄されるはめに。「ええーっ、そうなのー」「あれーっ、違うのー」「味方じゃなかったのかー!」「いいやつだったのかー!」…そんな感じ。美前はちょっと成長したかな。かといって、最後まで大活躍するわけではなかった。よくも悪くも等身大というか…。ゲアスで結ばれたリンが苦労しちゃうから、勝算も打算もないままあんまりちょこまかするなよ、とつっこみたくもなった。しかしリンはかっこいいなぁ。なんで強いのかの説明もちゃんとなされているので、あまりに強いのも許せてしまう。
神話によくある、神々の理不尽さ、その手のひらにあり無力な人の虚しさが織り交ぜられていて、その雰囲気がとても好きだった。
美前の決死の覚悟の告白にリンが頬を赤らめるところはかわいくてよかったなー!美前よくやった!って感じで…。ハッピーエンドで終わってくれて、読後感もよかった。ありがとうって思えた。
それにしても。どうも妹尾さんの作品を読んでいると、いつも無意識にエスカフローネといろいろ重ね合わせてしまうな…。ラスボスの城に「ワープ」してしまい、そこに「騎士」様が飛竜、じゃなくて戦車を駆って助けに来て…なんて、どうしてもクライマックスが重なる〜。
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「赤」がいって、「緑」が帰る話。
ケルトが題材なのは珍しくも面白かったのですが、「行くの」が消極的なのはまだしも、「帰る」のにも消極的な主人公になっとく出来ず・・星2つ。FTは主人公にある程度感情移入できないと厳しいかも。
小野不由美の十二国記「月の影」を20代前半OL主人公で、後ろ向きにしたような・・・。