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極限の中、一人も死なないところが嬉しいノンフィクション。バーバリーのコートとかも出てきて、何度も読み返したくなる。文章も読みやすい。
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1914年、英国人探検家シャクルトンは自身を含めた総勢28名からなる探検隊を結成。世界初の南極大陸横断を目指し、捕鯨基地があるサウスジョージア島から出発した。しかし、南極大陸上陸を目前に探検隊を載せた堅牢なエンデュアランス号は流氷に閉じ込められ、氷の圧迫によって大破、沈没してしまう。
遠隔地との無線技術もなく、探検隊の派遣を許可した英国は第一次世界大戦に参戦。救助隊の要請は絶望的であった。孤立無援で氷の海に取り残された彼らを待ち受けていたのは想像以上の過酷な自然の猛威であった。
氷点下20度を超える猛烈な寒さ、食糧危機、疲労そして病気…。
絶え間なく押し寄せる数々の危機を乗り超え、彼らは17ヶ月にも及ぶ絶望的な漂流を得て出発地のサウスジョージア島へ奇跡の全員生還を果たした。
現代技術を結集して、相当の装備や物資で臨んでも同じ行程をこなすには相当の苦労があると聞きます。それを考えるだけでも彼らの成し遂げた行為は前人未到の偉業です。
よく整理された文章で読みやすく、大変面白いノンフィクションでした。
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探検は入念な準備の下に実施されるのが当然なのだが、この時代の船舶の性能や衣料・食糧の質あるいは耐久財の強度などに照らし合わせると、この南極大陸横断という行為は、あるいは無謀であったかもしれない。いや、いつの時代でも所詮、人間は自然の力には太刀打ちできないものなのであるということを印象付けてくれた探検記であった。そう考えながらも、一方では、人間は失敗から明日に繋がる糧を得ることによって、様々な分野で進歩・発展してきたことも間違いない事実であるということも強調したい。
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成毛眞氏からのリファレンス。1914年イギリス人探検家シャクルトン率いる南極大陸横断のノンフィクション。522日間乗務員28人の記録を追う。
初っ端から衝撃の座礁w。
今日たまたまBBCで、その生態写真が掲載されていたアデレーペンギン。食べちゃってます。この人たち。ペンギンにはじまって、アザラシのステーキとか、そのアザラシのお腹に大量に入ってた魚とか、挙げ句の果てに犬ぞりの犬…。
でもそんなの関係ねぇし、氷で押し潰されて船は喪失するは、キャンプに割れ目が到達してウカウカ寝てられねえは、密航者はいるは、足は壊死するは。そして旅の最終目標は救難を求めること。冒険の本当の価値って何なのかなと。
手に汗握って読み終えて、きっとそれは勇気を後世へ与えることなんだろうなと思いました。
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ドラマ化されたのも見ました。普通なら絶望して諦めるようなものすごい極限状態でも、諦めなかった男達が本当にすごい。そんな状況でも全員生還。人間、やってやれないことはないんだ、と思いました。座右の書です。
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世界最悪の旅,アムンセンとスコット,エンデュアランス号漂流,3冊まとめて感想書きましたー。
http://blog.livedoor.jp/h_ohiwane/archives/52042346.html
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南極近くで座礁して沈没。シャクルトン以下26名は、大海原を漂う1本の浮木のように、1年半以上の漂流のあと、27名誰も命を落とすことなく生還した。人の生活がある場所へ命からがら辿り着いたときは心が震えた。運や、一つ一つの命を分けた選択。そのすべてが彼らを救った。
我々は、いかに自然というものから目をそらして浅ましく都市生活を営んでいるかを痛感する。
流氷の上に生活することは、それが猛烈な速度と圧力とぶつかり合って壊れたり沈没したり風と潮の流れに任せて大海原をあてもなく漂うことだし、数え切れないほどの鳥の群れの下にいることは絶え間無く糞が落ちてくるということだし、太陽が何日も見えなければ気も狂いそうになるし、けれどそんな単純な自然の摂理さえ本を読んで始めて納得する。
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歯がゆい。登場人物の忍耐と向き合う読者にも忍耐が要求される本。自分は何度もスタミナ切れかけたけど、ラストの場面の感動は隊員とともに味わえた。
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まさかちょうど100年も前にこのような冒険がなされていたなんて。
南極圏で船が流氷帯で動けなくなりその結果、船が沈み漂流することになったのに、28人の隊員全員が無事生還されたという奇跡的なお話です。それが出発してから生還するまでに17ヶ月もかかったとのこと。
当時の英国がどのような時代なのかは想像できませんが、100年前のお話ということで装備や燃料、食料、衣服などを思うと現代の冒険とはとても比べものにならない困難や危険性が伴っていると思います。
そしてその時代にあのような素晴らしい結末。度重なる苦難の中でもその奇跡が起こったのは、リーダーのシャクルトン氏の素晴らしく機転がきいた判断や統括力、そして28人の隊員の方たちの明るく前向きな性格やそれぞれの人生経験による判断、限られたモノしかない中での様々な工夫が冒険を成功させたのだと感じます。
このような冒険小説を読むと、甘えある性格の自分に喝を入れ、大きな勇気と、そしていざ困難に遭遇した際には必ずこのお話を思い出すと思います。そして決して諦めず困難に立ち向かおうと思える気持ちになるはずです。
最後に星野道夫さんの希望によりこのお話の翻訳、出版が実現するきっかけになったとのこと。このお話をどこかで知ってからずっと気になっていたことを思い出し、出版年がもう古いため図書館の地下室で、でもまだ綺麗な状態で見つけました。登場人物が多かったり少し読みづらいところもありますが、学べることが数多く、ぜひ多くの方に読まれることを願っています。
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「事実は小説より奇なり…」と使い込まれた言葉がある。
数多の物書きが頭を悩ませ、プロット、キャラ、伏線、構成などなどキラ星のごとくの作品を生み出したとしても、このドキュメンタリー「エンデュアランス号漂流」におけるそれぞれにを前にしたら、裸足で逃げ出すに疑いの余地なしと思われる。
今からちょうど100年前に極地で起きた極限のサバイバル、28人の男たちの奇跡の生還劇の全容を、丁寧な取材を元に、読者を29人目の隊員として極地へ駆り立てる。
現在とは比較のしようもない装備、それでも決して諦めず己のすべきことをひたすら全うする男達に奇跡は訪れる。最高の読後感、自然への畏敬に自然と頭の垂れる思いがした。
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正直に言えば読み始める前はそんなに期待してなかったし、最初の方を読んでる間も、そこまで期待はしてなかった。んだけども、読み進めるうちに、驚くほど引き込まれるというか、なんつーか、この人たちスゲーな、と。読んでるとずっと同じ状況だからだんだん気にならなくなってくるけど、氷点下20度くらいの状況で、水浸しになりながらでも寝るとか、もう意味が分からんレベル。ちょっと寒くなったから風邪ひいたわー、とか言ってられん。てか白人が常に半袖着てるのも頷ける。やつらは明らかに北方民族で、日本人は絶対南方から来たに違いない。
それはさておき、冒険談とはいっても実話なんで、一週間毎にすげーイベントが待ってるでもなく、厳しい毎日が淡々と過ぎるだけなんだけども、そこらへんをうまく面白く書いてるのは著者の力量なんかな。いやー、期待外れに面白くて焦った。しかしなによりびびったのは、この漂流に関する話をいろんな人が本に書きまくってるって事かもしれぬ。
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30前後の頃「MBAが薦める100のビジネス書」みたいなリファレンス本にピックアップされていたのがきっかけで読みました。確か、リーダシップとはどうあるべきかというような薦め方だったと思います。
当時、仕事で迷うことも多く、色々勉強しなきゃとリファレンス本に挙げられたものを片っ端から読んでいました。
ただ、ビジネス書、それも横書きの本読むの苦手なんですよね〜。なんでその手を一冊読んだら、小説や物語的な楽に読めるのを一冊読むというようなリズムで読んでました。この本はその読みやすい後者の方です。
物語は、南極探検に行って、船が氷に挟まって壊れて沈んでしまった探検隊の南極脱出帰還の実話、フィクションです。
なので、道中ほんと退屈な場面(天候が悪くてできることがなかったので、来る日も来る日も寝て過ごしたとか)もありますが、最後のスピード感は圧巻です。
今回、書籍紹介をしようと読み返しましたが、やはり寝不足にw
MBAが薦める…では、リーダシップの教科書のように紹介されてましたが、リーダーのシャクルトンを筆頭に、何があろうと諦めない、探検隊全員の不屈の闘志が凄い。
隊員方々の日記やインタビューに基づいた実話だということを忘れるぐらい、常軌を逸したシチュエーション、苦難の連続とその度に這い上がる人たちの姿がよく描かれています。仕事にくじけそうな時に読んだら、自分の悩みや苦境なんて屁でもないと思えること請け合いです。
南極探検なんで、気温がマイナス何十度とか、ボートに入った水が凍りついてボートが沈みそうになるとか、テントの下の氷に亀裂が入ってテントごと南極の海に落っこちるとか、野ざら寝袋も濡れているけど、疲労で寝落ちとか、もうヌクヌクとした部屋で読んでいたのでは、とてもとても想像力が追いつきません。せめて風雨の厳しい寒い日に読んでいただきたい。
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「生」と「死」を思いました。
その「瞬間」が「生」とつながっており
その「生」のすぐ隣に「死」が顔をみせている
そんな「一瞬」の連続を
この「エンデュアランス号」の乗組員たち28名の
生き抜いた記録でした
ー奇跡の生還
言い尽くされた感はあるけれど
これに尽きますね
一言で言ってしまうと
「感動した!」
ですが
その 一言ではとても
言い尽くせない
深い読書体験でした
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100年前に南極に行って遭難したっていう話だから、寒さとか凍傷とか、飢えとか、ペンギンやアザラシや犬ぞりの犬食べたっていうのは想定内なんだけど、一番意外だったのは、報酬は全くあてにできない状態で全く未知の(しかし極寒の地であることはわかっている)南極探検隊員の募集に5000名の応募があったってとこ。南極点到達はノルウェーに先を越され、横断は何としても先にやりたいという雰囲気や後押しがあったとはいえ、植民地支配で世界に冠たる大英帝国であったとはいえ、未知の土地にとんでもないお宝が眠っている可能性があるとはいえ、当時の冒険志向はすごかったのだなと思う。
写真で見てもエンデュアランス号はただの帆船で、いくら丈夫でも南極は無理でしょう、と現代なら素人でもわかるレベルだし、装備はもちろんヒートテックもダウンジャケットもなく、寝袋ですらトナカイの毛皮。まあ、無謀にもほどがあるという感じだが、当時はこれでも最高の装備だったはずで、こんな装備で南極点に到達できたアムンゼン隊はすごいなと思う。
全員生還できたのは奇跡的だと思うが、人選が良かったのだろう。性格と持てる技術のバランス。
この本を読む限り、シャクルトンが有能なリーダーであることは否定しないが、人数と運に助けられた部分も大きいと思う。
読んでると東京の真冬の気温は南極では真夏の暑さということだし、服は濡れていないし、「冬は寒くない!」と思うことができてよかった。
こういう冒険に志願しそうなタイプの人にはすごく面白い本なのだろう。(この本に惚れ込んだ星野道夫や椎名誠はそういうタイプ)私は決して志願しないタイプなので、ただただ感心し、ひたすら呆れた。
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まずは無事生還できたという事実に拍手喝采!しかも全員揃って。現実とは思えないような悪環境を、特別なスーパーマンがいる訳でもないチームで乗り越えた、本当に奇跡みたいな物語。タイトルにもなったエンデュアランス号は結構序盤で退場して、流氷との生活が長く描かれるけど、これがまた壮絶。日単位や月単位でなく、年単位で漂流し続けたのも衝撃的。自分もやってみたいとは全く思わないし、ロマンも感じないけど、サバイバル能力の高さには見習うべき点も少なくない。”八甲田山~”同様、自然の猛威を思い知らされ、人間の非力さが痛感される作品でした。