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紙の本

ラテン・アメリカの反帝国主義革命の英雄ゲバラ伝の決定版

2001/09/17 22:15

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐々木力 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ラテン・アメリカの国、たとえば私の場合はブラジルやメキシコ、に旅すると、今でも1967年にボリビアでゲリラ戦争に仆れたゲバラのポスターや写真展などを見かける。同じ時期に急進的な反戦運動が展開され、ゲバラが英雄視された日本の現在の思想状況に対照させてみると、嘘のような光景である。現代日本では、元気に「改革」を叫んでいるのは主として、民主党まで含めた保守政党である。いったい1960年代のあの熱気はどうしたのかと不思議に思われてくる。ともかく、ラテン・アメリカでは、ごく普通にゲバラは一般民衆の中で「英雄」のままとどまっているのである。

 ところで、ゲバラとは誰か? アルゼンチンに生まれ、医学を志し、キューバ革命をカストロとともに闘って勝利し、キューバを飛び出して、仕舞にはボリビアでゲリラ戦の過程で銃殺された人物である。享年弱冠39歳であった。私には、ヴェトナム戦争の最中に彼が発した、「一つ、二つ、三つ、数多くのヴェトナムをつくること」という呼びかけが忘れられない。その彼の遺体が発見され、キューバで改めて埋葬されたのは1997年のことだ。彼がやったゲリラ戦争が正しい戦術だったのか、など再考してみるべき点は多々あろう。けれども、貧しい農民や絶望的なスラム街の貧民のために銃をとったゲバラの思想と生の軌跡は学ぶ価値があるだろう。それほども、ラテン・アメリカ諸国の階級差は激しいのである。

 現代日本では、「痛みの伴う改革」が大方の国民の合意を得たとされている。反面、ゲバラがその建国に参加したキューバでは、「弱者に皺寄せしない」改革が叫ばれ、国民の支持を得ているという。私は別にキューバが理想の国家であるとは思わない。しかし、心温まる連帯の精神が生きていることだけは間違いない、と一瞬、ホッとする気分になる。ちなみに、本書によると、ゲバラは死に臨んで、トロツキーの『永続革命論』『ロシア革命史』をひもといていたようだ。一人の理想に燃え、その理想に死んだ男の歩んだ真実が本書には書かれている。 (bk1ブックナビゲーター:佐々木力/東京大学教授 2001.09.18)

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