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紙の本
教育政策の失敗
2002/05/09 14:36
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投稿者:奥原 朝之 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本経済新聞に同タイトルで連載されていたものの単行本化である。連載当時から欠かさず読んでいたが、まとめて再読してみると日本の教育政策の明らかな失敗を再認識させられる。
すべて文部科学省(旧文部省)に責任が有る訳ではないだろう。しかしかつて戦前のエリート教育では国家を挙げての人材育成だったのに対して、現在ではゆとり教育の名の元に思考力欠如の子供たちが増えてきているような気がする。これではますます私立ばかりが気を吐いているかのように思える。
数年前の教育審議会で当時の審議委員である女性作家が『二次方程式の解の公式なんて私は学校卒業以来使ったことが有りません』とまるで必要有りませんよと言わんばかりの発言が有ったのは記憶に新しい。政府の審議委員でさえこの程度の認識なのである。
確かに多くの人達の生活には『二次方程式の解の公式』それ自身の必要性は全く無いといっていいだろう。しかし数学という学問は本来論理学なのである。数学を学校で教える本来の目的は、数式を解く事によって思考力を鍛え、証明問題を解く事によって論理的思考を身に付けるためではないのか。
ゆとりを持つ事に異論は無い。しかし現在の学習指導要領ではゆとりを持つ事が目的化しており、本当の目的である学力向上が脇に追いやられているとしか考えられない。
また横並びの教育も問題だ。出来る子は先に進ませてやるべきだ。『鉄は熱いうちに打て』と言うように学力レベルに応じた教育を施してやらないと伸びる子も伸びなくなってしまう。それが受験競争に拍車を掛けるという人もいるだろうが、しかしこういう人達はそもそも何のために勉強するのかを理解しているのだろうか。
日本が明治以来わずか数十年で技術的に欧米列強に追いついたのも、敗戦後わずか二十年程度で世界経済の一翼を担う国になりえたのも人材教育の賜物であることに異論はないだろう。しかし過去の教育手法を踏襲できる時代は終焉を迎えている。
教育政策の成否は早くても約二十年後にしか明らかにならない。逆に言うと今の綻びは約二十年前の教育政策における失政の現われなのである。早期の軌道修正を行わなければ日本の未来は無いだろう。
紙の本
2001/09/10
2001/09/12 18:15
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投稿者:日経ビジネス - この投稿者のレビュー一覧を見る
幼児教育から大学、企業教育まで、地盤沈下を続ける日本の教育の現状を徹底検証した書。2000年10月から日本経済新聞に連載されたシリーズを加筆・修正し、惰性に陥った教育システムの問題点や諸外国における教育改革への取り組みと成果などを紹介する。
まずは、現在の若者から知性が失われつつある現状を浮き彫りにする。社員、アルバイト教育は「読み書き」から始めなければならない企業の苦悩。また、技術の前にまず挨拶といった社会マナーの基本から教え込まなければならない大学医学部の苦い実態が明らかになる。「大学1年生は小学13年生」という大学関係者のぼやきが、日本社会の近未来を暗示している。
次いで、教える側の問題に迫る。ゆとり教育がもたらした「貧しい公教育」、豊かさの中で目標を喪失し、競わず閉鎖的な環境の中で混迷している学校。その背景には、国がサービスの中身を一律化する「もう1つの社会主義」があるとし、文部科学省の予算配分、許認可権行使の問題点を指摘する。企業には社員教育投資を不要不急の経費とする傾向に疑問を投げかけ、窮地にこそ人材育成に活路を見いだそうとした米企業との違いを示す。
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