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本書には暗号の全てがある、そういっても過言ではないだろう。もちろん専門的な部分まで微に入り細を穿ってかかれたわけではないが、暗号のことを何も知らない一般の読者にとって最良の本であることは間違いないだろう。
暗号とは人間の営みそのものである。暗号はときに王に死を宣告し、またときに何千人もの命を救った。そういった歴史的な系譜から、現代におけるプライバシーと犯罪捜査の葛藤、量子暗号、量子コンピュータの可能性にいたるまであますところなくわかりやすく書かれている。本書を読むと基礎科学、特に純粋数学(本文中に繰り返しかかれているが、今も世界中で最も多くの数学者を雇用しているのはNSA米安全保障局なのである)が現代の我々の生活と以下に密接に関わっているかがわかるはずだ。
この種のテーマを扱った本は常に当局側の秘密主義との戦いとなることは常識だが、綿密な調査がその常識を覆しているといっても過言ではないだろう。それでもなお著者すら知らないことはあるに違いない。本文中にあるように公開鍵式暗号の原理はアメリカで発見されたことになっていたが、英当局の情報公開により現在ではイギリスの研究者の方が先だったことが分かっている。今既に我々の想像をはるかに超えた暗号や解読方法が存在していてもまったくおかしくないのだ。そういうミステリアスな顔を持つという点で、暗号は極めて魅力的なのだ。
フェルマーの最終定理のレビューにも書いたが、筆者の文才に感嘆するとともに、訳者の翻訳力にも圧倒されたといわざるを得ない。彼らの功績にただただ頭が下がる思いである。
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暗号とその解読について古代から順を追って説明されています。
コンテンツの内容自体も大変面白いのですが、
この本の一番スゴイところは、
こんなにも難しいハズの内容をトンデモナクわかりやすく説明しているところにあります。
マジ感激!サイモン・シン恐るべし!!
必読の一冊です。
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暗号の期限からたどり、なぜどのように発展していったのか技術の粋とともに語られている。悲しいかな、争いとともに発展していった暗号の世界の入門書。
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全く数学がだめな自分でも面白く読めました。わからない世界を楽しく案内してくれ、しまいには、分からないなりに知的に興奮させられてしまいました。
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難解な理系分野を読者に極めてわかりやすく伝えてくれるS・シン。
今回の著作でもその筆力が遺憾なく発揮されているかと思います。
暗号は過去も現在も、そして未来も常に我々の生活と密着していることを理解させてくれる力作。
個人的には、第2次大戦中のドイツの暗号「エニグマ」のエピソードに興奮でした。
文庫が出ていますので、手軽に購入できると思いますので、ぜひご一読を。
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長らく積読している間に、文庫まで出てしまった一冊。暗号の歴史や、エニグマを巡る争い、古代文字の解読、量子暗号など話題も豊富で、「フェルマーの最終定理」より面白かったな。
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これだけの情報量をこれだけ読ませる筆力に脱帽。暗号や数学に興味がなくたって夢中で読了必至。超一流エンタメミステリドキュメント(ってなんだ)
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サイモンシンの暗号についての作品。これほど面白く暗号を書いた本はないと思います。簡単な例題もあって気分はまるで暗号解読班ですww
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信書を読まれまいと始まった簡単な置換式の暗号から、戦争の要となったエニグマ、そして現代には欠かせない公開鍵の仕組みまで、ど素人にも平易な表現でとっつきやすく解説してくれてる。暗号を作る側とわずかな手がかりから解読する者とのいたちごっこのような戦いの歴史物語ともいえるんだろうな。
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この作者のノンフィクションは、どれも面白い。
専門的な話と、物語的なエピソードのバランスがたくみ。
一級のストーリーテラーだと思う。
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ドコに入れたもんだか迷ってココに。
換字式暗号からロゼッタストーンにいたるまで、「暗号」の入り口とその歴史を紐といた一冊。
頻度解析なんかは聞きかじったヒトでないとなかなかピンとこないかも知れませんが、一回はそのまま最後まで、二回目はじっくりとどうぞ。
前半の換字式暗号の辺りは、英語の素養がないと、ふうん、程度にしかならないと思いますので、面白そうなところだけナナメ読みでも良いとは思います。
ワタシもこのあたりは退屈でした(笑)
その歴史はけして日のあたる場所でさらされてきたものではないけれど、中々興味深いです。
エニグマのあたりなんか特に。
ロジックと謎を愛する読書家に。
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古代から現在に至るまで、争いの度に重視されていた暗号について、歴史と理論とで解説してくれます。
理論なども(理解できるところは)面白いのですが、
それよりも、歴史の中での暗号の制作者と解読者の攻防がサスペンスです。
(面白く読んだのに、内容は右から左の自分のレベルが恨めしい)
サイモンさんが上手いのか、青木さんが上手いのかは分かりませんが、とても読みやすい。
時々脱線もしつつ、それも面白く読ませてくれます。
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暗号がいかにして発展してきたのか、そこにある暗号作成者と解読者の歴史をも揺り動かす知の戦争とも言える応酬を交え描き出す。
古代の未解読文字から戦時中ドイツ軍が使用したエニグマ暗号、現代科学を駆使した量子コンピュータや量子暗号までをそれぞれ丁寧に解説している。
巻末には紹介された暗号で作られた問題もある。その暗号の破り方も本文中に書かれているので挑戦してみるのも面白いかもしれない。
ただ、ビール暗号の例が提示されているように、あまりに暗号にのめり込んで人生を棒に振らないようご注意を。
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amazonの書評
『フェルマーの最終定理』に続き、世界的ベストセラーとなったサイモン・シンの話題作『The Code Book』の邦訳。暗号は古代から重要な情報を安全に伝達する手段であったが、絶えず解読の危険性をはらんでいた。本書は、暗号とその解読にまつわる歴史上のドラマをひも解きながら、暗号の重要性と進化の歴史について語っている。(中略) 本書では、読者がこれらの暗号を実際に作ったり、解読したりしながら読み進めていくことができるよう工夫されている。パズルや謎解きが好きな読者はもちろん、歴史の裏側をのぞいてみたい読者や考古学ファンにとっても興味深い1冊である。(土井英司)
いやー、凄い凄い。
暗号という数学のガチ専門分野の話であるのに、それを読者に関心もたせ、面白く読ませる。その文章レベルは眼を見張るものである。この作者とまた翻訳者の力量に脱帽です。
内容は暗号の歴史を古来から現在まの流れを平易に解説したもの、いや少々理解するには頭を使うが、それでも知的好奇心を持つ人なら絶対に楽しめる。是非、読んで損をしない作品。
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フェルマーの最終定理を読んで、これもきっと面白いと思い購入。
本題のとおり、暗号の歴史について書かれた本。
メアリ女王やWW2のチューリングなど、暗号の歴史に
名を残す事件や発明を紹介しているが、エピソードは
昔少し聞いたことがあると言う話が多いがどれも面白い。
自分としては、公開鍵の原理を考えるときに、送信者と
受信者が別の鍵を利用しても、箱を開けられずに
渡すことが出来るモデルを考えついたと言う話に、
発見者のやった!と言う気持ちが伝わったような気がした。
なお、この本に載っている、暗号の殆どは
現在では1日以内に解読出来たことが、
大学等の研究結果発表で公表されている。
技術の進歩に殆どの人はついていけないのは、
今も昔と同じか・・・。