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紙の本

自らが作品であった奇妙な作家

2001/10/22 22:15

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投稿者:海野弘 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ポール・レオトーはマルセル・プルーストとだいたい同時代である(レオトーの方がずっと長生きをするが)。しかし日本ではあまり知られていない。なんともつかみにくい作家なのだ。プルーストといえば『失われた時を求めて』が代表作である。この小説には作者の自伝的要素が入ってはいるが、それを知らなくても作品として独立しているので、その文章を味わうことができる。レオトーの代表作は、五十年も書きつづけた『文学日記』だが、メモのようなもので、プルーストのように酔わせる文章はない。レオトーの私生活そのものが淡々と記されている。したがって、レオトーから切り離すことができない。

 プルーストは読者を感動させようという意識があったが、レオトーにはまったくその気がない。彼は愛人たちとの性交を、ひたすら具体的で、わいせつな行為として記録する。ヘンリー・ミラーなどの性描写と似たところがあるが、ミラーには読者を面白がらせようとか、おどろかせよう、といったところがあるが、レオトーにはそれすらない。
 彼はひたすら日記を書きつづける。それは私たちの考える〈文学〉とか〈芸術〉といったものからかけ離れている。しかし、フランスとは面白いところで、ただ自分に閉じこもり、だれも興味を示さないと思われる日記をひたすら書きつづけたレオトーを〈作家〉として許容しているのだ。

 この本は、奇妙な、知られざる作家であるレオトーの伝記である。しかしなにしろ、五十年の日記が彼の作品であり、日本の私たちが読める作品がほとんどないのだから、彼の日記や手紙をふんだんにちりばめて、生涯をたどってゆく。それによって、彼の生涯を私たちはようやくのぞくことができるようになった。つまりこの伝記で、レオトーの作品と生涯を一緒に読むことになるのだ。
 それにしても、作家とはなんともおかしな存在ではないか。 (bk1ブックナビゲーター:海野弘/評論家 2001.10.23)

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