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紙の本

『わが夢のインド』への切々たる無限無私の愛のメッセージ。

2005/03/28 02:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:花代 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ガンディー思想の根源である「真実と非暴力」のうち、特に「非暴力」についてのエッセンスを選び抜いた良書。特に第二章は、第二次世界大戦という、力こそが唯一信頼足りえる価値観の時代において、ガンディーが非暴力という旗印をあげ、ヒトラーや日本人に対する非暴力のメッセージを出していた事実を知り、驚愕した。現在なら非暴力というメッセージも先進国を中心に賛同できる人も多かろうが、当時はそれらの国からはまったく相手にされなかったようだ。

特にこの書で素晴らしいのは、第二章「わが夢のインド」と、第三章「不可触民制の罪と償い」。「わが夢のインド」では、彼のひりつくような祖国インドへの愛、さらにその愛をも凌駕する神への愛を、余すところなく表現している。「不可触民制の罪と償い」では、ガンディー生涯の使命として取り組んだ「不可触民の解放」と「ヒンドゥー教徒とイスラーム教徒の融和」、それにしかインドの救いはないと断言するそのメッセージに圧倒される。

ガンディーのメッセージは心の底から打たれる。「インドにあるいっさいのものが、わたしの心をひきつける」と、果たしてどれだけの人が祖国に対して断言できるか。わたしはこの日本に対して言えるのか、その責を果たしているか。

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紙の本

非暴力主義はリアリズムだ。不屈の闘士が語る真髄

2001/10/08 10:39

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:小林浩 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 1942年7月、「すべての日本人に」。「かりにあなたがたが戦争に勝ったとしても、国民が誇りに思うような遺産をなにひとつ遺すことにはならないでしょう。どんなに巧妙に演出されても、残虐行為の独演会に国民が誇りをもつはずがありません。また、かりにあなたがたが戦争に勝ったとしても、それは、あなたがたが正しかったことを立証するものではありません。それはただ、あなたがたの破壊力のほうがまさっていたことを示すだけです」。ガンディーのこの忠告に耳を傾ける為政者やジャーナリストは当時いなかった。

 これは、ガンディーが世界へ向けたメッセージの数々のうちのひとつで、本書に収録されている。彼はそれぞれヒトラーに、英米帝国主義に、社会主義に、アジアに向けてもメッセージを書いている、まず冒頭に「友よ」と語りかけながら。民族や肌の色や主義の相違を超えて人類を友とする彼の信条を、単なる理想主義と笑うことはできない。日本人への上記の指摘にせよ、ガンディーの視点はむしろきわめて現実的である。『わたしの非暴力』『私にとっての宗教』『不可触民解放の悲願』からその24編のエッセンスを集約した本書は、姉妹篇『わが非暴力の闘い』とともに、ポケットに入れて常時携帯できる希望の書である。艱難を覚悟して進もうとする時、非暴力はもはや非力でも無力でもないことを教えてくれる。

※英国からのインドの独立、パキスタンとインドの宗教的宥和をめぐるガンディー自身の証言→「真の独立への道」

→人文・社会・ノンフィクションレジ前コーナー(10/8分)より

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2010/04/09 10:15

投稿元:ブクログ

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