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事件は会議室でも起きている
2023/08/07 14:19
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
人事、内部監査、署長秘書など、事件を捜査する刑事以外の警察官を主役にした警察小説にして本格ミステリ短編集の逸品。
天下り先からの勇退を拒むOB。骨の髄まで警察官だったOBが警察の掟に逆らうのはなぜか?(「陰の季節」)
叩き上げの警部が立場を悪用しパブのママと関係しているというタレコミが。密告は真実か、そして密告者は誰か? 内部監査の新堂は警部と同じ署に勤務する「細胞」を使って事実を確かめようとするが、切れすぎる「細胞」に不安を覚え……(「地の声」)
犯人逮捕につながる手柄をたて喜んでいた婦警が翌日、行方不明に。見え隠れする男の影。(「黒い線」)
市議が議会で警察に都合の悪い質問をするらしいとのうわさがたつ。警察へ意趣返しをもくろむ武闘派。保身を第一に考える臆病者。矛盾する議員像が意味するものは何か。議会対策を任された秘書課の柘植は、議員を止めることができるのか(「鞄」)
いずれも警察内部の人間模様を息詰まるリアルなエンタメに仕立てています。さらに本格ファンも満足させるひねりの利いた意外な真相も。「黒い線」の香水など小道具の使い方も巧みで、著者にはもっと本格ミステリ濃度の濃い作品も期待したくなります。
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警察の事務屋さんも大変だぁ
2017/09/27 07:13
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投稿者:まんだかず - この投稿者のレビュー一覧を見る
凶悪犯を捕まえる話ではありません。
警察の事務方の話です。
警察から天下ったOBが任期をすぎてもやめない、どうしよう。
警察幹部がクラブのママと不倫しているとタレこみ、どうしよう。
婦人警官がいなくなった、どうしよう。
県議会議員が警察に爆弾質問をするらしい、どうしよう。
といった警察事務方の”どうしよう話”が連なっています。
しかしこれがおもしろい。
メンツや野心や保身が交錯していくさまは
ついつい先が知りたくなってしまします。
電子書籍
短編も熱い
2016/06/29 22:38
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投稿者:miyata - この投稿者のレビュー一覧を見る
長編ミステリが好きなので短編って普段はあまり読まないのですが、こちらは「64」(最高に面白かったです)の舞台であるD県警の話ということで、購入。
すごく! すごく面白かったです!!
横山さんの文章はとにかく熱く、一文一文から血肉を感じるのですが、短編でもその熱さは健在でした。
しかし初出年を確認せずに読み始めたので、ワープロとか出て来てちょっとびっくりしてしまいました。
文庫が出たのが2001年だったのですね。もっと早く読んでおけば良かったです。
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好きな小説です
2018/05/31 14:38
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投稿者:どらのみい - この投稿者のレビュー一覧を見る
私の場合、横山さんの作品を知ったのは、テレビドラマからでした。もちろん、映画化されている作品もあります。テレビドラマで見るのもいいのですが、登場人物の気持ちの襞は、原作でしかわからない部分もあると思います。短編も多く、読みやすいです。
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内容は地味なのだが、警察という特殊な組織の一環が垣間見える。そしてそこにあるのは、警察官であると同時にひとりの人間である彼らである。『鞄』で柘植が陥る窮地、『黒い線』での平野瑞穂や『地の声』での曾根の苦悩。立場こそ違えど、我々が共感できるものである。
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この作品は短編集になっており、各々主人公が存在する。とはいっても、“D県警”という一警察署内で勤務する職員という縛りがあり、ある程度キャリアと経験を積んだ“刑事ではない”事務関係の職員が主人公になるという点が目新しい。人事を担当する役職や府警を束ねる役職に就いた主人公たちがその役職ゆえに自分の身に降りかかるトラブルを解決するために奔走する
主人公たちは40代前後という年齢設定であり、ある程度のキャリアがあるゆえにプライドも人並みの野心もある。それゆえに組織内で動くのにはしがらみも個人の立場も踏まえなければいけない。短編なので一つのトラブルを解決するだけだが、そこにおける情緒やユルさの介在しない主人公たちのメンタリティによって、物語はかなり硬質な印象を受ける。そして、ミステリとしての体裁もきちんと踏まえ、少ない枚数でバランスよく物語を組み立ててある
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なかなかいい具合にエンターテインメントしてて面白かった。組織んなかで野心と保身と組織への義務とか 読んでて気疲れするw
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D県警シリーズモノだそうです。この表題作を含む4作の短編集ですが、本当に横山秀夫さんの作品はうまいです。普通の警察小説は、犯人を追う刑事の側から書かれた人間模様などを描くことが多いのですが、この作品に出てくるのは、警務課、監察課、鑑識課、秘書課、という管理部門が舞台となっています。しかも、そこには警察独特の組織と言うものが存在するのです。
その組織維持、組織防衛と言う意識が、警察内部の「謎」解明を秘密裏に進める必要性を際立てます。そこに緊張感が生まれると言ううまい構成。登場人物が冗談も言わないような「大人の男」ってタイプの人が多く、こんな職場では息が詰まりそうだけど(笑)、警察内部と言うことで、なかなか面白いものです。事件「謎」そのものは、結構、陰湿な面もあったりします。それも、謎解明=不祥事にならないように秘密裏に行う要素かもしれません。
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確か一番最初に読んだ横山秀夫の作品。顔を読んだのをきっかけに読み返した。「組織」のなかでいかに抜け出すか。出世考えている人物ばかりなのは仕方ないのか
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大人気作家、横山秀夫氏の代表作です。元記者というのを彷彿とさせる文体で、客観的に書かれているのでスイスイ読めます。まだ読んだこと無い人は読んでみてください。
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舞台は警察なんだけど、いわゆる刑事事件を題材にしたものじゃなく、『警察という会社』に勤めるサラリーマンを扱った話。
当たり前なんですが、警察官だって公務員で、組織の一員なのです。
ノンキャリだって異動や年齢に見合った昇進があって、定年までに警視になりたいとか、再就職先(天下りだな……)はどうするかとか、それぞれの人生設計がある。
これは、とある県警本部を舞台にした、そういう人たちのお話なのです。
天下り先を引退したくないとごねだした元刑事部長の真意を探ろうとする人事課。
警視になれる最後のチャンスを前に密告された万年警部を調査する監察官。
犯人の似顔絵を書いてお手柄を立てた翌日突如失踪した鑑識課の婦警。
県警本部長の議会答弁を準備する秘書課。
警察の花は確かに刑事部なんだけれど、これも皆警察を支えている人たちなんだなあ、と改めて思います。
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警察内の課って色々あるんだなぁと。短編集ですが、すべてにつながりがあり、読みごたえありました。のちに『顔 フェイス』につながる話も登場し、ああという感じでした。満足です!
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異色のD県警シリ−ズ第1弾。約1ヶ月前に読んだ「顔 FACE 」の前作にあたる部分も掲載されておりましたが、この部分だけはネタ割れしており、少々残念。やはりことらを先に読むべきでした。
組織には組織をコントロールし、組織そのものの体力をつけつつ、次代へ引き継いでいく役割の人間が必要。。。として、刑事や公安ばかりが警察でないと言い切るところに、「警察」を「会社」に置き換えて共感する面が多くあるのかもしれません。2006/4/5
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警察内部で繰り広げられる、短編ミステリー。書かれているのが犯人とではなく、警察内部のことであるのがミソ。短編でミステリーってどうしても完成度が低くなりそうなイメージだけど、高くまとめられている。
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D県警内を舞台にかかれた警察小説。人間くさい、泥くさい人間関係が描かれてるのが魅力。権力や名誉、自分の置かれた立場からあがこう、組織の中でもがく人間、組織の伝統社会を守ろうとする人間、いろんな人間模様が見えてくる、そんな印象。
横山さん繋がりで読んでみました。