投稿元:
レビューを見る
敬愛する作家メイ・サートンの詩集。
訳者、武田尚子さんの選。
私は詩よりもやはり随筆の方に心惹かれます。
老いて行くことへの素直な不安と、亡くなった人への哀惜の年。
孤独を受け入れて行くことの難しさを感じつつも前向きにそれに向き合おうとする作者の姿は痛々しいほどです。
投稿元:
レビューを見る
この詩集はメイ・サートンの青年・壮年・老年を代表する三部から構成されている。どの時期にも共通しているように感じるのは「大切に生きる」ということ、「大切に生きている」認識だと僕は思う。
詩人のその認識は力強い。
自然と共に生きる、年老いても生きる、死にたくなっても生きる、そして人間として生ききる決意。一面から見たらそれは美化していることになるのかもしれないが、僕は「人間であることを選べ」と言い切る詩人の生々しい生へ向けられた姿勢に、憧れすら抱いてしまった。
老年に差し掛かると詩人は、生の向こうにある「死」を視野に入れ始める。
それでも訪れるいつかの死まで、今を大切にし、未来への生の希望を言葉に託す詩人の願いが、当然であるべき姿のようで、どっしりとした大きいもののような気する。その根幹がぶれない強さが詩人の「大切に生きる」ことに対する力強い認識であると思った。
大切にとは、感じること、見ること、意識すること。
投稿元:
レビューを見る
小説家、エッセイスト、そして詩人であったメイ・サートン(1912~1995)の詩集「一日一日が旅だから」、2001.10発行、武田尚子さんの編訳です。一杯の水、祈り、一日一日が旅だからに分けられ、それぞれ数編の詩が納められています。著者の青年、壮年、老年の作と思われます。