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ねえとうさん みんなのレビュー

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みんなのレビュー19件

みんなの評価4.2

評価内訳

19 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

とうさんだいすき!

2010/05/08 20:53

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

『100人の心に響いた絵本100』の紹介文で引用されていた
この言葉に射抜かれた。

  「ねえ とうさん、ぼく、とうさんの子どもでうれしいよ」

このまっすぐな言葉を口にするくまの子はどんな子で、
とうさんはどんなとうさんなのか。

表紙のふたりは、
もさもさでむっくりでステッキを片手になにやら思案顔の大きなとうさんと
そのとうさんをあこがれのまなざしで見つめるむすこ。

クレヨン画のような二匹は、美化されたきれいな姿というよりも
ずんぐりむっくりの体型で描かれている。

中表紙は、くまの家族のものと思われる三枚の大きさの違うタオルが干されているところ。

それだけで、なんだか幸せな家族だということが伝わってくる。

くまの家族が住んでいるのは、森の中。

雪が所々残っている中にある小屋。

くまの子とかあさんしかいないけど、
そこはとうさんが、ちゃんと「いる」ってわかる。

ホットケーキ6枚と言って、だめ3枚よ、
はちみつおおさじ3ばいと言って、だめ2はい
とかあさんに言われているくまの子。

とうさんが好きでまねしたくてしょうがない年頃なのだろう。

食べる量だって同じにしてみたいのね。

そこに姿がなくても、とうさんはいつも「いる」のだ。

とうさんは、冬の間、遠くに仕事に行っているようだ。

かあさんに、こぶしのはながさいたら帰ってくるよと教えてもらっている。

そして、こぶしのはながさき、とうさんが帰ってくる。

くまの子ととうさんはしっかりと抱き合い、
そのあと、とうさんとかあさんは、しっかりとキス。

離れていてもしっかりとした絆がある
大草原の小さな家みたいな家族なんだな。

とうさんは、あんまりしゃべらない。

「ねえ とうさん、さんぽに ゆこう」
「よしよし」

「ねえ とうさん、てを つないでも いい?」
「よしよし」

こんな感じだ。

橋が流されているよと言われると、よしよしと言って、
大きな木をバキッと折ると川に橋を渡しちゃったりする。

くまの子は、とうさんが、すごくてまぶしくてたまらないんだよね。

この言葉少ななとうさんが、唯一いっぱいしゃべったのが、
冒頭に引用した「ねえ とうさん、ぼく、とうさんの子どもでうれしいよ」のところなのだ。

  「ねえ とうさん、ぼく、とうさんの子どもで
  
  うれしいよ。すごく とうさんらしいもの」

  くまの子は とうさんを みあげて、

  いいました。

  「おれは ただ、くまらしいだけさ。くまだからね」

  とうさんは、しずかに いいました。

むすこの「とうさんらしい」という言葉に対して、
自分は「くまらしいだけさ。くまだからね」と答えるとうさん。

くまらしいという言葉は、ニンゲンらしいに置き換えるよりも、
自分らしいに置き換えたほうがしっくりくる。

とうさんという役割でいるわけではなくて、
ただ自分は自分でいるだけだよと答えているのではないだろうか。

さて、このとうさんの言葉を聞いたあとのくまの子の変化がかわいらしい。

とうさんのメッセージが伝わったのだろう。

ここに描かれているとうさん像、家族像は、古風に見える。

だが、何も男は黙って・・・しなさいということではないだろう。

どんな父であれ、息子は見ている。

そして、確実に影響を受けるだろう。

別に無口で力持ちじゃなくてもよい。

自分なりの自分と自信を持っていえる生き方ができればそれでいいのではないか。

親の自然な自己肯定は、まっすぐな親の肯定となって子どもから戻ってくる。

そして、子ども自身の自己肯定となって子ども自身の中に根づくのだ。

本書はおとうさんのための絵本でもあるのかもしれない。

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紙の本

子どもらしくあること、くまらしくあること——自然体で生きることの大切さをそっと教えてくれる絵本。第7回日本絵本賞。作者は「100万回生きたねこ」「おじさんのかさ」でおなじみ。

2002/04/12 11:10

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 保育園の卒園祝会、息子に何を着せるかでちょっと考えた。デパートに行けば、昨今の男の子は、卒園式も入学式もスーツ姿が主流である。しかし、「いくら改まった式とはいえ、ガキにネクタイ? 三つ揃いかよ」という気持ちが私にはあった。結局、いとこのお古のブレザーと半ズボンがあったので、それに着古したタートルネック(世界のオザワの例の通り、タートルネックはネクタイに代わるものだし)を合わせた。

 保育園の息子のクラスには、後藤竜二さんの童話<1ねん1くみ>シリーズに出てくる黒沢くんのような、今どき珍しい、はなたれのやんちゃ坊主がいた。家庭の事情も黒沢くんに似ている。実は今、小学校に通い出した彼は、何が気に入ったのか、毎放課後我が家に入りびたっており、彼のお兄さんなども交え、私は大はしゃぎして小さな男の子たちと遊んでいる。遊び場は、江国香織さんと辻仁成さんの小説の舞台にも使われたと聞く羽根木公園。プレーパークという規制のない遊び場があって、たき火をぼんぼこ燃やしたり、泥水に入ったり、木の枝に下がったブランコやベニヤ板の滑り台で遊べる。トム・ソーヤになれる場所で、建物の屋根から飛ばせられたりして体を張って遊ぶ私には、本を読む時間が消えた。失って得るものの大きさよ!

 その黒沢くんに似た男の子<わたるくん>は、卒園祝会で何を着ていたのか。おろしたてのPUMAのシャツであった。「ああ、いいな」と私は思った。仲人をしてくれた夫の恩師に最近教えていただいた句がある。「ふだん着でふだんの心 桃の花」——しみいる感じがする。わたるくんに反し、いつもラフな格好をしている年若いお父さんの方はちゃんとびしっとスーツ姿であった。ルパン3世と次元大介を足して2で割ったみたいで愛らしかったが…。

 「絵本のレビューに何を書いているんだろう、この人は?」と思われるかもしれないけれど、最近私にとって、本を読むことは益々生きることと同義で、ひとつに溶け合ってしまっている。実際のところ、100字以内という制限のタイトルでめいっぱいの情報を提供できれば、レビューの役目は8割方果たしているかな…と思わないでもない。良いテーマでもって、日本絵本賞大賞ではないが(ちなみに大賞は伊藤秀男・絵の『けんかのきもち』)大きな評価を受けていること、作者が実力派の佐野さんであることに触れておけば、買って損はないなという見当は十分につく気がするのだ。

 長い間離れて暮らしていたとうさんが帰ってきて、くまの子といっしょに遊んでくれる。子は、とうさんの子どもでいることがすごく誇らしくなる。だって、とうさんはとうさんらしいから…と話す子どもに、「おれはただ、くまらしいだけさ。くまだからね」と父親は静かに答える。そして、くまの子は、自分らしくあることと、くまらしくあることの素敵さに気づかされる。

 日暮れどき、プレーパークでぼうぼう燃えさかるたき火の上をぴょんと飛ぶわたるくんに、「お前はサーカスのくまか!」と私は楽しく怒鳴りつける。そして、この絵本のことを思い出す。わたるらしいわたるくんのことを思い出しながら、夜眠る前に息子とこの絵本を読むのだ。

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2007/05/21 09:49

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2008/06/02 10:03

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2010/02/14 17:56

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2010/04/14 09:54

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2010/06/25 16:57

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2010/07/01 16:12

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2010/11/13 22:56

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2011/05/24 19:48

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2016/11/15 18:30

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2018/02/06 17:07

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2018/11/12 21:12

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2019/04/06 16:15

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2019/12/28 12:19

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