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男性を愛することができない同性愛者である響子は、かつての恋人である透子に再会する。
しかし、透子は家族のぬくもりをもとめてシングルマザーとなり、幼児の桐人を育てていた。
そしてある日、透子が事故によって他界する。
桐人を預かることにした響子だったが、どうしても子供への愛情が持てない。
そんなとき、桐人の父親である男の友人を名乗る青年が現れる。
彼は、女性を愛することができない同性愛者だった。
異性を愛することができない男女と、彼らと血のつながらない子供、3人の生活が始まる。
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最初に読んだ中山作品。話は似てないけど、同性愛者とその子どもが絡んでくる「家族」というテーマが、映画「ハッシュ!」を思い出させた。レズビアン小説というよりは、家族愛を書いた小説。非常に読みやすかった。
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「天使の骨」に引き続いて、彼女の作品を読むのは2度目になる。
個人的には今回の「サグラダ・ファミリア」の方が好きかも。
基本的に彼女の書く主人公は、ビアン系が多い。
でもそんな偏見がいかにくだらない事かとおもわせる程、
性別の違いよりも人間としての「個」の大切さを語りかけてくる気がする。
結局何ひとつ解決してはいない。
これから一つずつ積み上げていくしかない。
いつ完成するともわからないサグラダ・ファミリアの様に。
誰もが果てしなく、先の見えない、そしてどこか神聖な何かを求めて。
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軽い気持ちで読み始めて、最後の方ではぼろぼろと泣いてしまった。現実には有り得ないような設定の物語だけれど、描かれている愛情がとても深い。
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この方が描く主人公は大半が女垂らしです。けれど純愛なのです。恋人を亡くしその子供を預かって生きる主人公が綴られています。
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ちょうどクラシックを聴きながら読みました。音楽が良く似合う作品です。話の流れはだいたい読めてしまったんですが(カノンが言い出す前にその方法に気付いてしまったし)ガリのピアニストとしての部分が反発なく受け入れられました。自分で音楽をやっていたせいか、小説での描写ってうそ臭く感じてしまうことが多いのです。でもこの作品はピアニストとしてのプライドやスタインウェイへの想い、荒野で誰かを呼んでいる微かな声、などが素直に受け入れられる。説得力があるというんでしょうか。今度読むときにはスペインの官能的・情熱的なピアノをBGMにしたいです。
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愛する人は子どもを置いて逝ってしまった。ほんと半端なくムズイとおもうよ、ひとりの子どもの存在を受け入れるのは。だからこそ、受け入れてく過程が心に来る。きっといい男になる、この子どもは。愛することを知ってる子になる。
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セクシャリティーを超えた恋愛の話。キレイな話。人を好きになるってホントにキレイな事でスゴイ事なんだなぁ〜なんて思いっきり普通な事を改めて思った。
ただ彼女の性描写は苦手。
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今まで読んだ中山可穂作品は、とにかく読むというよりも体内に活字を取り込むという感覚だったために読後にグッタリすることも少なくなかったのだが、この小説は彼女の作品では初めて読書らしく読めたものだった。しかも、読後はさわやかな気持ちにさえなった。女性同士の恋愛というよりも、主人公と子供の関係が中心となっているため、誰でも抵抗無く入り込める作品だと思う。彼女の作品をまだ未読の人は、この本から彼女に触れるのが良いかもしれない。
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中山可穂の作品で一番好きな作品です。
自分の子じゃない、愛した人の子供を愛するって、愛って無償なんだなぁ〜、とつくづく思います。
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中山さんにしては読後感が軽い。愛が無償なんだということを感じられる本。女性の同性愛者が出てくる(主人公の1人)ので苦手な人は注意。
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この作品で、中山可穂ワールドにすっかりはまりました。
好き嫌いはきっとものすごくはっきり分かれるだろうけど、文章の美しさに私はすっかり魅了されました。
不思議な家族のあり方、愛のあり方を感じます。
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家族ものに弱いマイ涙腺。
透子が故人であるためか恋愛色が強すぎなくて好き。
響子の人物デザインも好き。
オカマも好き。
子供をバイクに乗せて海に飛び出そうとするシーンが好き
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長編。
中山さんは女性同士の恋愛を描く方です。
正直、あんまり好きじゃなかった。
これは中山さんだからではなくて、私自身恋愛小説自体が好きじゃないからかも。
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この愛の為になら死んでもいい。
言葉にすると嘘臭いのに、どうしてこの人の手に掛かるとこんなにも息苦しい熱を感じるんだろう。
手に入れるため、我が物とするために全身全霊をかけて打ち込む姿には男とか女とか些細なことに思えてくる。
死に向かう者が見えない手で優しく送り出す想い。とげとげしく荒々しい、それでも混じりっ気なしの愛で、生きたいと叫ぶ者はそれに応える。
ホント純粋に私はいいお話だと思います。