紙の本
主人公の強さに心打たれる
2016/09/24 00:20
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投稿者:ぱやぱや - この投稿者のレビュー一覧を見る
望まず労働組合の委員長になったものの,組合活動を通して社員の待遇を向上させた恩地元。
しかし,彼は懲罰人事を受けてしまい,海外の支店勤務となってしまう。慣れない土地での生活に苦労するが,信念にしたがって耐え続ける。そんな恩地元の正義感や責任感の強さには感動しました。
早く続きが読みたいです!
紙の本
壮絶人生
2015/12/26 21:53
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投稿者:こばよ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本社からアフリカに出向になった主人公の話が続く。
いつまでたってもひと段落しない、息がつけないようなストーリー。
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強いて欠点を挙げるとすれば…
2004/02/11 23:43
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投稿者:拾得 - この投稿者のレビュー一覧を見る
筋を通そうとした一人の苦難の人生の記録を読んで、「面白かった」という感想も失礼な気がするが、とにかく間違いなく面白かった。実在の人物と日航という企業をモデルにとりつつも、一個人一企業を超えた「時代」を切り取ってみせてくれる。組合活動に熱心に関わったがために、海外に十年余も流される前半部に、サラリーマン人生の悲哀と組織の不条理さを感じた読者も少なくないだろう。しかし、この組合活動からは、もはやリアリティが薄れかけている戦後日本の組合活動の出発点の一つ、職員と工員との提携というテーマも浮かび上がってくる。
史上最大の航空機事故「御巣鷹山事故」の詳細な叙述(3巻)からは、この大事故に関わった人間たち(遺族、遺体調査、企業…)の向き合った現実を改めて知らしめてくれた。大方の人間にとって「記録」となりかねない今、改めて知っておくべき現実ではなかろうか。、そして「会長室編」と題された4、5巻は、80年代の日本企業の現実を、政界やマスコミ、第二組合、海外企業とのやりとり・裏交渉をからめながら、スリルある〈企業小説〉が描かれる。
屈せずに筋を通そうとした一個の人間を主人公に据えつつも、単純な勧善懲悪ものでも、ただの悲劇の物語になっているわけでもない。登場人物それぞれに凡庸ではあっても人間臭い物語を演じさせているのも本書の魅力なのである。それゆえに、どうしようもない現実の慣れ合いに憤慨しつつも、読者の関心を高めて一気に読ませてくれるのだ。
そんな第一級の小説に私が論評で加えるべきものは何もないのだけれど、強いて欠点を挙げるとすれば「家族の物語」に若干、物足りなさ残るくらいである。自らの節を通すために海外駐在を続ける父に対し、中学生の娘は「身勝手なお父さんへ」と結んだ手紙を送った(第2巻)。ここからどういう家族の葛藤の物語が展開するのか、と予感させたものの、その後の展開には物足りなさが残った。強いて欠点を挙げるとすればそれくらいだ。
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経営のためには安全が疎かになっていいのか、そんな思いを持ち続けて読んだ。
会社の中に、そんな思いを持ちながら闘い続ける人がいるという事に、まだ安堵は出来る。
しかし大きな組織に呑み込まれていく様が、悔しくもあり悲しい。
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恩地は、三井美樹をイスマイル・ハーン・ホスピタルへ移せる見込みがたって、ほっとしたが、廊下にベッドを並べ、その下に蹲っている家族の姿を眼にし、常に不平等と闘ってきた自分が、コネと賄賂を使って、特権を行使することに後ろめたさを感じた。(p.292)
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大感動。すばらしい小説だった。何度か鳥肌がたって泣きそうになった。恩地の純、真摯なところ。国見会長との信頼関係。すごく男っぽさを感じた。そして世の中の理不尽さに全く納得がいかなかった。すごく人間の泥臭さが描かれていた。この本を読んでなにを学んだかというと、まず恩地の忍耐力。こんな状況でも頑張っているんだから、今の私の状況などなんでもないことに思える。やっぱり人との信頼、本当に大事。社会に出て痛感。やっぱり最後はそこに戻ってくる。山崎豊子の表現力、正確さ、鋭さには脱帽。
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飛行機事故の悲惨さを著者ならではのきめ細かな取材の下に描いた作品。
あのような事故を二度と起こさないようにするために、航空会社の取るべき行動を民間から出すように訴えかけるものです。
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労働組合委員長として会社と闘った主人公は、会社上層部や政治家の圧力で中東やアフリカなどの僻地へ飛ばされてしまう。そんな中でも自分の信念を貫き、共に闘い同じ様に差別人事を受けている労組の仲間の為にも会社に屈しない主人公。
熱いね。これ。
大企業に絡み合う様々な立場の人間の思惑が巧みに描かれている。巨大な権力を前に信念を貫く事がこうまで大変なものなのかと。
事実を基に書かれているというのがさらにすごい。まー、かなり脚色してるだろうけど。
アフリカ編の次は御巣鷹山編。
歴史に残るあの航空機事故が描かれる。要チェック!
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フィクションだがノンフィクションの要素が強く、どうしても日航とだぶってしまう。山崎豊子の緻密な取材には、いつも頭が下がる。
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会社のエゴ。親方日の丸の無責任さ。被害者の辛さ、悲しさ。主人公の悲哀と勇敢さ。涙と怒りと寂しさとで感動の連続。作者の勇気にも脱帽。
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社会派小説の真骨頂。親方日の丸企業の体質と労働組合の意義を問う。そしてなによりも、正しき企業人としての生き様を示した名著。
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大手航空会社に勤務するオンチ君が主人公で、「善人」のモデルとなっています。全5巻にわたって、善をまっとうすることが1つのテーマであり、テーゼになっています。オンチ君の反対のモデルがギョウテン君で、企業・社会を上手く生きていくために、正義を見てみぬふりをしたり、不正を行ったりします。こちらが大勢だったりもします。
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全5巻。航空会社の魑魅魍魎を描きだす社会派小説の金字塔。しかし主人公の生き様には共感できなかった…。
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難しいけど面白い。正しいことをしても人生ってうまくいかないものだ。でも、正しいことをしている人は強い。
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この本は、某社の飛行機墜落事故(御巣鷹山)の事故に関連した、山崎豊子著の本です。
アフリカ編は、主人公の恩地のケニア滞在時について書かれています。
この本は数年前にも読んだことがあるのですが、下のようなたった数行の文章が読みたいためにまた買ってしまいました。
『夜になると、急激に気温は下がり、漆黒の闇に包まれ、夜空に南十字星が凍りつくようにまたたいている。(略)東アフリカのケニアに来て三年目になる恩地には、ケニアのサバンナに棲息する獣の声を聞き分けることが出来た。獣の悲しみの声を聞く時は、自分の最も悲しかったことを思い、怒りの声を聞く時は、自らが心底、憤った時のことを、飢えの咆哮を聞く時は、自分の心が最も飢え凍えた時のことを思いだす』
私が南部アフリカで見た"南十字星"は、天の川の中に燦然と輝き、とても美しかった。
「凍りつくように」という文章が頭から離れなかったのですが、「観光気分で見る"南十字星"と見え方違うのだろう」と思っています。