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紙の本

第三次「形而上学革命」への見取り図

2002/01/20 21:18

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 来日したレヴィ=ストロースの講演を京都で聴いたことがある。マスコミ関係者を装って夜のレセプションにもぐりこみ本人と握手した覚えがあるのだけれど、これは記憶違いかあるいは後になってでっちあげた妄想なのかもしれない。肝心の講演は、大学で六年も「勉強」したフランス語がさっぱりで皆目理解できなかった。ただレヴィ=ストロースの肉声に直に接することだけが嬉しくて、たしかスサノオという言葉が再三出てきたことをいまでも鮮烈に思い出す。

 中沢新一の新著は「カイエ・ソバージュ」シリーズ全五冊──「旧石器人類の思考から一神教の成り立ちまで、「超越的なもの」について、およそ人類の考え得たことの全領域を踏破してみることをめざして、神話からはじまってグローバリズムの神学的構造にいたるまで、いたって野放図な足取りで思考が展開された」一連の講義録──の一冊目「神話学入門」で、このシリーズ名にせよ本書で展開される人類最古の哲学(=神話)の論理の探求にせよ、そこにレヴィ=ストロースへの「敬愛と憧憬」が込められ『神話論理』に結晶したその研究が「多いに活用」されていることは、著者自身がそう書いているのだから間違いない。

 本書の中心は第一章から第六章まで、かぐや姫(結婚したがらない娘)の物語に出てくる子安貝をめぐる考察(南方熊楠『燕石考』)に始まり、神話的思考法と西欧哲学的思考法との「ちょうつがい」の働きをしたピタゴラス派(この秘密結社には「ソラ豆を食べてはいけない」とか「燕が家の中に巣をかけてはいけない」といった掟があった)と神話に出てくる豆や燕がともに仲介機能をもった両義性的な存在であることの論証をはさんで、「人類的分布をする神話」としてのシンデレラの物語が「気の遠くなるような深い古代性と波乗りのように浮わついた資本主義の一側面」をひとつに結びつけた「神話的思考の残骸」であったことを実証する「原シンデレラ」の探求譚である。

 とりわけ、シャルル・ペロー(サンドリヨンまたは小さなガラスの靴)からグリム兄弟(灰かぶり少女)、ポルトガル民話版(カマド猫)や熊楠(『西暦九世紀の支那書に乗せたるシンデレラ物語』)が発見した中国のシンデレラ(葉限)、そしてミクマク・インディアンが鋭い批判精神をもって創作した「パロディ」版のシンデレラ物語(見えない人の話)へと遡行し、最後に、シンデレラが脱ぎ落とした片方の靴の謎をめぐるレヴィ=ストロースの推定やギンズブルグの研究(『闇の歴史』)やシンデレラ物語の異文「毛皮むすめ」を踏まえて、シンデレラとオイディプス(=跛行者)との共通性(生と死の仲介者=シャーマン)を摘出して、神話的思考法のエッセンスである「仲介機能」(著者はこれをヘーゲルの弁証法と関連づけている)と「感覚の論理」(著者は言及していないが、レヴィ=ストロース後のフランスのたとえばドゥルーズの思考と関連づけることができはしまいか)を実地に示してみせるくだりは圧巻。

 この本編は確かに面白い。だけど私にとってもっと面白かったのがその前後、「はじめに」と序章と終章で提示される八千年から一万年前の新石器革命を巨大な転換点とする「人類の哲学史」とミシェル・ウエルベック(『素粒子』)の論を踏まえた第三次「形而上学革命」(ウエルベックによれば、キリスト教=一神教の登場と科学革命に次ぐ第三次の形而上学的変異は、あらゆる個人が同一の遺伝子コードを持つ新種=人間の似姿=「神」の創造をもたらす)への見取り図だ。「カイエ・ソバージュ」シリーズの完結が待たれる。

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