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紙の本
日常の中にある人々の心理描写が絶妙
2002/03/04 17:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もえ - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者のイメージと異なり、単なる推理小説短編ではなく、日常の生活の中で誰にでも起こりうる話である。表題にもなっている「不発弾」は家族の為にと働いてきた平凡なサラリーマンを襲う家庭崩壊とやり切れない鬱屈など、明日のわが身を思わせる怖さである。そんな中で子供を置いて去った母親の言い付けをきちんと守って育った兄妹が母親を見つける話「福の神」などはつい、ほろりとさせられる。いかにもありそうな日常の中で、怒り、もがき、ほろりとする話が満載。
電子書籍
バラエティに富む短編集
2019/01/24 01:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:beni - この投稿者のレビュー一覧を見る
私が一番最初に乃南アサ氏の作品を読んだのが、この本である。
JRで長い移動になるため、駅の本屋でパラパラめくっただけで購入した。
大当たりだと思った。
筆者は女性だが、男性の視点をも併せ持っているようで、細心だが豪胆な筆致で物語を進めていく。
これはもしかして昔あのとき、自分が行ったことがある、あの店のことではないか、こんな事件が、あのときの新聞記事の裏に隠れていたのではないか、等どの作品にもリアルな妄想が膨らみ、目的地に着く前に読み終わってしまった。
この短編集がとても面白かったので、その後も続けざまに短編集を読んでいたら、
音道貴子シリーズと出会い(「花散る頃の殺人」)、当然の流れで長編「凍える牙」を読まなければ済まなくなったという、思えば怒涛の乃南アサワールドへの扉を開ける切っ掛けになった本であった。
長編を読み始めたら、なかなか短編が読めなくなるので、先に読んでおいて良かったと思っている。
まだ乃南アサを読んだことない方へ、最初におススメする一冊である。
紙の本
オムニバス。
2015/02/05 14:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:cate - この投稿者のレビュー一覧を見る
乃南アサさんの本はこれで2冊目です。
「ボクの町」を読んでとても面白かったのでファンになりました。
「掛けこみ交番」を買おうと思っていたんですが
サスペンスチックなものが読みたくなり、こちらを購入。
長編よりもオムニバスが好きな私向きな本でした。
全編サスペンスと言うわけではなく、人情っぽさがあるものもあって
なかなか楽しめました。
でも読み応えは長編のほうがあるかもです。
紙の本
怖いかくし味
2002/06/18 09:46
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かず - この投稿者のレビュー一覧を見る
題名の「不発弾」の他に「かくし味」「福の神」「夜明け前の道」等6編の短編集である。
「かくし味」は「みのきち」という老夫婦が営む古びた居酒屋の常連客がなぜか次々に病死するという話だ。その原因が二十数年も鍋を変えないという煮込みに有った。その店の主人が無くなり、煮込みを完食するのが、個人への餞(はなむけ)となるということで常連客が集まった。その最後の鍋から出てきたものは…。
よく焼き鳥屋さんとかうなぎ屋さんで、創業以来伝統の味を保ってるなんてことはよくあることだから、こんなことが日常起こっても不思議ではない気がしてよけいに怖いのだ。
「福の神」「夜明け前の道」はホラー一色ではなくではなく、ほっと一息できる作品だ。むしろ「福の神」は心温まるストーリーになっている。
紙の本
ふしぎな人間たちの悲喜劇
2002/02/24 12:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代に生きる人々の断面を切り取った作品集である。「かくし味」「夜明け前の道」「夕立」「福の神」「不発弾」「幽霊」という、いずれもシンプルな題名が逆に目を惹く。
「かくし味」はホラー的な要素があるにも関わらず、結末を知った時に胸に浮かんだのは、恐怖ではなく「ああ、そうだったんだ……」というような、静かな感情であった。淡々とした味わいは、乃南氏の作品の魅力である。また、「夜明け前の道」は、何やら希望の湧いてくる作品であった。いい形のどんでん返しである。