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寿司の世界進出というのに妙な興味があって、チョコチョコこういった寿司の本を買う。当然寿司のことにも多少は詳しくなったりするのだけれど、思いがけず寿司のこと以外の食文化の面白い話を知れたりもする。たとえば、カリフォルニア米を作った人は実は日本人だった。とか。
興味深かったのが、イギリス、アメリカ、ドイツといったゲルマン民族系の料理と、フランス、イタリア、スペインといったラテン系民族の国々の料理との違いはなぜこれほど違うのか?ということ。イギリスや、アメリカは、よく、料理のまずい国の代表に上げられ、フランスやイタリヤは美食の国。この差はなぜ起こったかということを検証していて、ひとつには、宗派が絡んだ民族性の違い。ゲルマン系民族は、ラテン系民族の信奉する旧教(カトリック)から離れて新教(プロテスタント)を信じるようになった。カトリックには、四旬節という断食の期間が一年の三分の一あって、その間は肉や動物性脂肪を取ってはいけない。プロテスタントのほうにはそれがない。だから、カトリックの国は、その間の味気ない食事を何とか楽しいものにするために、調理にさまざまな工夫を凝らすようになったんだそうな。食に対する制限があったればこそ、料理の技術が発展したんだって。日本の精進料理なんてのもそんな感じだよね。
ほんでまた、イギリスなんかでは、産業革命が起こって、どんどん合理化されていって、仕事を効率よくするために食事の短縮などから、保存食や、加工食品が出回るようになり、更に、農村から工場に働きに出る人々が増え、農作物もよいものが取れなくなったそうな。他にも地理的要因などもあるけど、こういったさまざまな要因が食の技術を後退させていったんだって。
そして、一方フランスでは産業革命と同じ頃にフランス革命が起こってそれまで王侯貴族に仕えていた料理人たちが職を失って、街に出てレストランを開くようになった。それにより、一般市民にもそれまで上流階級の食べていた料理が広まるようになって、またこうした料理店が相互にきそったため、市民の舌も肥えていったんだそうな。へえ〜面白い。
ちなみに、寿司はやっぱり、一般的に高くて、寿司の店が広まるってことはその国が経済的に発展しているってことの目安にもなりそうらしい。
あと、驚いたのは、ベルギーの消費税の高さ。日本は高々5%でしょ。ベルギーは一般の物品には6%。だけれども、レストランでの飲食や、ぜいたく品に関しては、なんと21%!! ひえ〜 !
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さまざまな国のすしの情報が
見られる良書。
ここまで紹介しているとは思いもよりませんでした。
もちろん海外なので
日本にはない苦労話もあります。
いったんはやってしまうと
次々出てしまううえに売り上げが下がる…etc
参考になるのはスペインのお話。
マグロの輸送ルートが出ていて
すごく参考になりました。
知らずに食べていたとは…
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世界で食べられるSUSHIの話。
出版されたのが2002年だから、また情勢も変わっただろう。でも、日本食の可能性、例えばヘルシーだということだけじゃなく、宗教的に制限のある人への提供とか、今考える話題もある。世界各地でフュージョンしていくのもいいと思う。伝統的な寿司と新しく生まれるSUSHI。こうしてまた美味しい食文化が生まれる。