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紙の本
読み物としての楽しさを追究した、作品への思い入れがたっぷり込められた一冊
2006/11/16 23:58
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いえぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
フットワーク出版社による、ハンター×ハンターの解析書、第二弾です。フォローしている範囲は、ハンター試験直後から、天空闘技場編、ヨークシンシティ編、そして、グリードアイランド編の導入部分までです。コミックス十三巻までの情報が集積されています。
本書も、キャラクターに多くのページが割かれていますが、その解析手法は、前作とは大きく異なります。「精神力」、「念能力」、「成長度」など、五つの項目でキャラクターを判定しているのですが、「キャラクターによる自己診断」と、著者の水出氏の評価を足して割った数値を最終値として出しています。キャラクターの「自己診断」と水出氏の判断では、数字が大きく食い違うこともあり、前著のような厳密でディープな解析と言うよりも、読み物としての楽しさを志向しているような印象を受けました。サブタイトルにある解析書より、ファンブックとした方が、ニュアンスとしては近いかも知れません。
本書に一貫してあるのは、読者としての視線です。古参のライターである水出氏は、ハンター×ハンターの、先駆的な執筆手法に対して、理解がし辛かったことを、正直に話しています。しかし、その一方で、原作者の力量については再三に渡って賞賛を重ね、筆の冴えに舌を巻きながら文章を進めて行きます。見栄も恥も嫉妬もなく、純粋に楽しもうというスタンスが垣間見え、非常に爽やかに読み進むことができました。技術解説やストーリー解説も骨太で、作品を読み込んだ人でも、新しい視点を見つけうるレベルにあります。
後書きに記された、著者が世代が違う作品に触れ、作品を理解し、長い時間を経て、ハンター×ハンターを楽しめるようになる過程は、まるで、少年漫画で、主人公が成長するような高揚がありました。ある意味、インタビュー形式に近い「キャラクターによる自己分析」の手法を完成できたのも、根底に作品に対する愛があったからでしょう。解説書としても、エッセイとしても楽しめる、そんな一冊です。
「ハンター試験編」にしっかり目を通しておくと、より面白く読めるかも知れません。
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