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アウグスティヌスの愛の概念 みんなのレビュー
- ハンナ・アーレント (著), 千葉 真 (訳)
- 税込価格:2,970円(27pt)
- 出版社:みすず書房
- 発行年月:2002.2
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紙の本
幻の処女作は、晩年に至るまでの一貫したモチーフを明かす
2002/03/24 23:46
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投稿者:小林浩 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は1929年、アーレントが23歳の折にベルリンで公刊された博士論文である。ハイデルベルク大学での指導教官がヤスパースだったことと、当時、ハイデガーの影響を受けていた(そして事実的な交際関係があった)ことはつとに著名だ。本書は三つの章から成る。第一章「欲求としての愛」では、アウグスティヌスによる愛の定義——愛するとは、実際にそのもの自体のために何かを欲求することにほかならない——をめぐる分析であり、第二章「創造者と被造者」では、隣人愛が神学的に問われる。第三章「社会生活」は、隣人愛を人々の相互性に基づく共同体の観点から捉えなおす。この第三章では、彼女の遺作『精神の生活』(上下巻、岩波書店、品切)における政治哲学に通底するテーマ性が読み取れることが、詳細な「訳者解説」でも示唆されている。アーレント自身が手を入れた英訳草稿三種を編みこんだ英訳版が1996年に刊行されたが、本書は初版のドイツ語版を底本としている。難解だが、アーレントの人類観、共同体観の核を垣間見せる重要作であり、再読三読に値する。
※若き日のアーレント→エティンガー『アーレントとハイデガー』
人文・社会・ノンフィクションレジ前コーナー3月18日分より
(小林浩/人文書コーディネーター・「本」のメルマガ編集同人)
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