紙の本
明治期の日本を生き生きと描いたアメリカ人、エリザ・シドモアの日本印象記です!
2020/03/13 11:00
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、アメリカ人の人文地理学者であり、ジャーナリストでもあり、また写真家でもある多様な面をもった親日家のエリザ・シドモア氏による貴重な日本印象記です。彼女は、明治初期に初めて日本を訪れて以来、たびたび来日し、各地を人力車で巡りながら、彼女独自の鋭い鑑識眼で明治時代の日本の社会を生き生きと描いてきた人物です。同書には、彼女の眼から見た、横浜、東京、鎌倉、日光、富士山、名古屋、琵琶湖、京都、大阪、奈良、神戸、瀬戸内、長崎と各地の様子が丁寧に、臨場感あふれる筆致で描かれており、当時の古き日本、自然を愛する日本人の心が伺えます。
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まさしく「古き良き日本」って感じ?でも同和問題とか「無宗教と言う日本人が多い」とか、そういうのって今でも変わらない、というか、昔からそうだったのね、と思う。
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明治期、アメリカ人のシドモア女史が日本を紹介しているガイドブックのようなもの。シドモアは人力車に乗り、日光にも箱根にも京都、奈良、神戸へと足を伸ばし、各地を観光し文化、風習を細やかな視点で紹介しているのが読んでいて楽しい。 彼女は日本人、日本を深く愛し、後には母国アメリカに3000本もの桜を植樹した。春になるとテレビで見るポトマック湖畔の桜並木は彼女の熱意によって植えられたものだ。現在では8000本にもなっているそうだ。 彼女の賞賛する日本は、この度の東日本大震災で日本を賞賛してくださった海外の方々とまるで同じに感じられる。曰く、日本人は忍耐強く、どんな状況であっても暴動など起きる風もなく礼儀正しい等々。現代の私たちは、近代化したコト、モノ、カネ、キョエイを身にまとい、すっかり日本人としての矜持をなくしてしまったかのように思われていたが、でもそんなモノを今回の大震災で等を取り去ってみたら(取り去られてしまったら)、私達の核にはちゃんと明治期の凛とした日本人の魂が宿っていたのですね。 「地震」、「日本語のむずかしさ」を書いている部分が特に面白く興味深かった。 明治の日本(日本人)を知る上で楽しいが、読み易さでいったら『勝海舟の嫁 クララの明治日記』の方が上かな。
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文明開化時に横浜で暮らしたエリザの日本旅行記。日本讃歌。裸で田植えをする農民達の健康的な明るさに驚いたり、握り飯と酢漬けの魚、お茶のみの質素な食事で、一日中滑走する人力車夫への感心など、愛情深い考察が綴られる。素朴で温かく健全な日本人のエピソードが沢山でてきて、私も新たにルーツをしり、誇りに思えた。
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エリザ・ルーアマー・シドモアは米国地理学協会初の女性理事でもある紀行作家。27歳で来日し、以後45年間にわたって日米友好を推進した。上野公園や隅田川の桜を見た彼女が、ポトマック河畔の植樹を実現に導いた。選りすぐりの苗木3000本がワシントンに贈られ、明治45年(1912年)3月、ポトマック公園で寄贈桜の植樹式が行われる。タフト大統領と珍田〈ちんだ〉駐米大使夫人の手で植えられた。女史の悲願が20年越しにかなった瞬間であった。
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