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大学での学習方法の指南書。「大学基礎講座」という導入教育を念頭において執筆されており、講義型式でたいへん読みやすい。内容としては、「ノートの取り方」、「テキストの読み方」、「図書館の利用」、「レポートの書き方」という4つのテーマが取り上げられている。大学教員が、これだけは大学生として身につけておいてほしいと考えていることばかりであるという。
私は、大学院に進学するにあたり、基礎的な学習スキルの再確認をしようと思い、やや軽い気持ちで読み始めた。確かに、ほとんどは自分がやってきたことや、どこかで聞いたことがあるようなことだったが、ああこうやればよかったのか、と思うようなことも多かった。大学で4年間勉強したが、全然ちゃんとできていなかったな、と思うことしきりであった。特に、「ノートの取り方」は、今の自分にとってもたいへん参考になった。「何のためにノートをとるのか」ということを、しっかり自覚した上でノートを取る、という一節はまさに目から鱗であった。
私が一回生の頃は、このような導入教育はなかったのだが、昨年から私の出身大学でも取り入れられたようである。そのような導入教育がなくても、我流でなんとかやってこれたし、大学生にもなって手取り足取り基礎的な学習スキルを講義しなければならないというのは情けない気もする。しかし、今から思えばこのような導入教育があったほうが良かったと思う。確かに、大学生は自分自身で自分にあった学習の仕方を身につけていくべきである。だが、このように土台となるスキルを提示してもらったほうが自分なりの学習スタイルをアレンジしやすいし、結局は後々の学習・研究をスムーズに進めやすくなるのではないか。私も、せめて大学一回生のころに、本書を読んでおけばよかったと後悔している。