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南仏ロマンの謝肉祭 叛乱の想像力 みんなのレビュー

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紙の本

フランスの中世史研究の権威が、16世紀の南仏の町ロマンで起こった反乱を小説的手法で描く

2002/05/30 22:15

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投稿者:宇波彰 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 南フランスにロマンという小さな都市がある。本書はこの町で16世紀末に起きた事件の詳細な報告である。謝肉祭では、日常的な世界が一時的に失われて、さまざまな価値の混乱と転倒が行われ、非日常的な時間と空間が実現される。ところがそこに現実世界の反乱が加わると、もはや日常と非日常の区別がなくなり、特別な世界が生まれる。フランスの著名な中世史研究者であるル・ロワ・ラデュリが、祭りと反乱がこのように同時に起こった瞬間の前後を捉えて記述したのが本書である。
 そこでは、豊富な資料が歴史家の研ぎすまされたまなざしによって徹底的に分析され、16世紀の人物たちが生き生きとした表情で描き出される。ロマンの貴族・有力者と手工業者・農民、富裕な者と貧しい者、カトリックとプロテスタントといったさまざまな対立関係がからみあう。訳者のことばを借りるならば、「カルナヴァル(謝肉祭)という伝説的な民俗慣行を舞台」として、それらの登場人物たちが争うありさまが歴史的想像力を駆使する著者の手によって、次々に明らかにされていく。訳者がいうように、それはまさにバルザックの小説を読むような興奮を読者に与えるであろう。
 ル・ロワ・ラデュリには、13世紀のピレネー山中の農村の生活を細かく記述した『モンタイユー』(刀水書房)がある。それと同じように、この『南仏ロマンの謝肉祭』でも、著者の歴史的想像力は遺憾なく発揮されている。著者の記述の特徴の一つは、登場人物が生きている人間として描かれている点にある。
 訳者は、祭りと反乱の舞台になったロマンを訪れ、本書で記述されている場面を一つ一つ探して歩く。その記録が、本書の巻頭に収められた「訳者まえがき ロマン逍遥」であるが、この「まえがき」それ自体が、すぐれたエッセーとなっている。すでにヨーロッパの謝肉祭について優れた研究を発表してきた訳者の翻訳が信頼に値するものであることはいうまでもない。 (bk1ブックナビゲーター:宇波彰/札幌大学教授 2002.05.31)

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