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エコ・エコノミー みんなのレビュー
- レスター・ブラウン (著), 福岡 克也 (監訳), 北濃 秋子 (訳)
- 税込価格:2,750円(25pt)
- 出版社:家の光協会
- 発行年月:2002.4
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紙の本
2002/06/01
2002/05/17 22:15
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投稿者:日経エコロジー - この投稿者のレビュー一覧を見る
筆者であるレスター・ブラウンは、おそらく世界で最も有名な環境論者の一人。1974年に米農務省の官僚を辞めて「ワールドウォッチ研究所」を設立した。
「生態経済学者」が活躍史上最大の投資機会を生む
地球環境の現状を詳細に“診断”し、「世界の健康状態はより悪くなっている」と、世界に警鐘を鳴らし続けている。
日本でも、すでに多くの著作が紹介されている。本書で展開される、目指すべき「エコ・エコノミー」も、前著「エコ経済革命」(1998年・たちばな出版刊)で示された未来の経済社会像の延長線上にある。
それを簡潔に言えば「化石燃料に依存した自動車中心の使い捨て経済から脱し、自然エネルギーを基盤とし、鉄道と自転車中心のリサイクル社会を目指せ」というものだ。
ただ、前著と違うのは、エコ・エコノミーに移行する道筋を、より具体的に示そうと試みていることだ。
例えば、前著で「経済学者と生態学者の現状認識のズレをいかに埋めるかが課題」としていた政策論において、「経済学者と生態学者が協力して、環境負荷のコストを計算し、課税すべき」と一歩進め、近い将来「生態経済学者」なる新しい職業が生まれ、活躍すると予測する。
筆者の真骨頂はここにある。競争力をそぐと産業界から評判の悪い「炭素税」さえ、新しい雇用を生むと積極的に捉える。
このほか、新しい職業として、「風力気象学者」「リサイクル技術者」のほか、「家族計画カウンセラー」「自転車機械工」など、その発想は楽しい。
さらに、「環境革命は、産業革命に匹敵する史上最大の投資機会を生む」と言い切り、自然エネルギーや養殖漁業、人工林などに対する膨大な投資の必要性を強調している。
現代産業社会を否定する環境論者にありがちな、環境の時代が強いる不便さや縮小経済に対する「暗さ」はみじんもない。
自然エネルギーだけで生活水準を維持できるのか、移動手段が自動車から自転車に替わって利便性と雇用を保てるのかなど、さまざまな疑問もわいてくる。だが、筆者にこれらの回答を求めるのは適当ではない。筆者は、エコ・エコノミーの創始者であり、“教祖”は細かいことまで気にしないからだ。
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