紙の本
「親子丼」って三字熟語?
2009/09/06 08:39
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ニーハオ!
本当は、漢字で表記したいんですが、パソコンではなかなかでないので、カタカナ表記でごめんなさい。
でも、これは漢字なんだと思って読んでください。
ニーハオ!
ううん、やっぱり何かちがうな。
絶対的にちがうのが、画数。棒の数。
たとえば、バラ。棒の数(画数)でいったら、ほんのわずか。
これが漢字だと、薔薇。
わーっ、いったい棒の数は何本だ、ってことになる。
それほど、漢字はエライのであります。
別に漢字のことを書こうとしたわけではないんですが、東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズを楽しく読むためには、この漢字の魅力が満載の(というのも変ですが)「四字熟語」のことを探求すべきだと、突然目覚めたわけであります。
そもそも(と、エラそうですが中身は軽いですから、続けてお読みください)、「丸かじり」と「四字熟語」は深い関係にあります。
深い関係がどれくらい深いかというと、二度くらいは一緒に「焼き肉」を食べに行った程度の深さです。
これをもって、怪しい関係とみなすかどうかは、読者の皆様の良識に委ねたいと思います。
つまりは、それぐらい深い。
もし、「丸かじり」に「四字熟語」がなければ、クリープのないコーヒーみたい(懐かしいな、このフレーズ)だし、キムチのない韓国料理みたいなもの。
思わず、「ない、ない」とあわてますし、店員さんに「四字熟語がないんですが」と怒りたくなります。(ならなければ、それでもいいのですが)
たとえば、本書の「日本トマト史」のなかの一節。
「青天の霹靂。驚天動地。前代未聞。言語道断。悲憤慷慨」と、あります。
さらに「佐渡で食べる蕎麦は」では、
「議論百出、百家争鳴、喧々囂々、読んだあとは周章狼狽、呆然自失の・・・」とあります。
どうです、全部で棒の数(画数でしたね)がどれくらいあるかわからないほどです。
いかに「丸かじり」シリーズが教養高いものかわかりますよね。
だって、なかなか書けませんよ。
霹靂って書けますか。
囂々と書けますか。
書ける前に、読めますか。
しかも、「丸かじり」シリーズでは、連発ですよ。「四字熟語」が。
花火でも、ドーン、パッ、ではさびしいでしょ。
やっぱり、ドーン、ドーン、パッ、ドーン、パッ、パッ、、ぐらいないと、「たまーや」って声でないでしょ。
あれと同じ心境です。
でも、これは東海林さだおさんが「ボク、漢字大好き、四字熟語たくさん知っているんだ」という自慢で書いているんじゃなくて、こういう面白いエッセイを読んでも「お勉強」になるんですよって、書いていると思うんですよね。
絶対自慢で書いていないと信じます。
絶対自慢じゃないでしょう。
けっして東海林さんに限って、そんなことはしない。
うん、どうかな。
もしかして、東海林さんならやるかもしれない。
自慢なのかな。
絶対自慢だ、これは。
なんて、ことはありません。
ところで、「親子丼」は「三字熟語」なのでしょうか。
「吉野家牛丼」は「五字熟語」なのでしょうか。
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「親子丼の丸かじり」
著者 東海林さだお
出版 文春文庫
p63より引用
“おや、ここんところにまだ肉がという:捜索の楽しみ:
も味わうことが出来る。”
漫画家でエッセイストの著者による、
食に関するエッセイ集。
文春文庫50冊目。
香港編以外は、
とても身近な食事に関する話ばかりなので、
気に入ったエピソードを真似することも、
比較的簡単だと思います。
上記の引用は、
焼き鳥に関しての一文。
手羽を食べる時の楽しみを表したもので、
この著者の食に対する細部へのこだわりが、
良く表れている様に思います。
著者の食に関するエッセイ集「丸かじり」シリーズは、
どれを読んでもハズレが無く安心して楽しめます。
ただ非常に食欲を刺激されるので、
その点は注意したほうが良いと思われます。
食欲不振の方に。
ーーーーー
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UPするのがためらわれる表紙だ。読んだ本の備忘録としての本棚なので差別するわけにはいかないし、著者にも失礼であろう。普通の本棚であれば後ろの方に積んどくところだが…。東海林さだおの本は定期的(一年に一度ほど)に読みたくなる時が訪れる。今回もそうだ。長年読み続けていると同じであることに安心し、またここに来たか、という気持ちになる。
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タイトルは親子丼でしたが、トンカツのお茶漬け、トンカツは自分の好みに切って食べたい話など、トンカツの印象が強く残りました。あとは、スイカの皮をむいて、普段とは逆に中心の甘いところに向かって食べ進めていく話。真似するのは大変ですが、試みた成果は大変オモシロい内容です。
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2002年(底本1997年、初出96~97年)刊。
丸かじりシリーズ№14。
2500円の松茸蕎麦に絶句。
また親子丼の中の肉を鶏から牛に変えると「他人丼」でしかないのに…。ところが著者はこれを得々と語りだす。他人丼は近畿圏のみの特殊地方丼?と吃驚の(「開化丼」なんて知らんぞ)本書。
その中でも一番は名古屋名物「アジの開き型エビフライ」。これに一瞬ギョっとなった昔を回顧。違うものを頼んだ?、間違って出てきた?と思わず店の人に確かめたことが記憶に甦るが…。
また同じ香港を題材にしても、著者と沢木耕太郎との叙述・関心の向け方の違いにニヤニヤさせられてしまう。
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『親子の味の親子丼』
親子丼は世の中の大多数の人が好きな食べ物だと思う。
けれど、なぜかスポットがよく当たるのはカツ丼や天丼。
その理由の一つとして「本尊がないからだ」という東海林さんなりの解釈が面白かった。
『郷愁のアイスモナカ』
アイスモナカは、普通のカップで食べるアイスと違って、ちょっと楽しさがある。
東海林さんの食べ方で今度食べてみようっと。
『冷麵の位置』
冷麵だけ食べられる店って、確かにないかも。
近所にあればいいのになあ。
『駅の中で飲む』
駅の中で飲むってどうなの?忙しないんじゃ?
と思ったけれど、すぐ電車に乗れるのは良い!!
帰るのが面倒くさい時ってあるもん~。
『日本トマト史』
「夏を凝縮して赤く閉じ込めたものがトマトだった」
という一文がすごく好き。表現がオシャレすぎる。
私は野菜の中でトマトが一番好きです!!
そしてトマトは、生で丸かじりで食べるのが一番おいしい!塩もたまに付けてね!!本当に、火通したトマトより生が一番うまいから!!!!!あと、冷蔵庫で冷やし過ぎないのがコツ!!!
『板ワサ大疑惑』
『下町の夏は……』
『冷たいラーメンとは?』
『焼き鳥各部論』
『山上のビアガーデン』
『お茶漬ゴロゴロ』
『氷大好き』
『名古屋喫茶店事情』
本場の小倉トースト食べたいなあ。
『名古屋エビフライ事情』
『スイカを剥いて食べたら……』
スイカの中心部の球体、一万くらいで売れるんじゃなかろうか。
『アンコトーストはウマいか?』
ウマいでしょう!!
『切ってないトンカツ』
切ってないトンカツを、そのまま丸かじりする話かと思ったら違った。
自分好みに切る、というお話だった。
『甘納豆を労る』
『われは飲みこむブドウのツユ』
『重さが値段の店』
『エ? スープかけ炒飯?』
『松たけそば二五〇〇円』
『定食屋でビールを』
『民衆の敵カニクリームコロッケ』
大好きなカニクリームコロッケが民衆の敵だとは知らなかった。
確かに、ごはんにも合わない、パンにもなぜかしっくりこないよくわからない食べ物を、なぜこんなに有難がってしまうのだろう。
なにはともあれ、私はカニクリームコロッケ大好き。
『チャーシューメンの誇り』
この章の人間描写は非常に面白い。
チャーシューメンを頼む客が現れた途端、その店の空気は一変する。
『大掃除のカステラ』
カステラの甘さは、他に代わりがいないような気がする。
材料はよく見知ったものばかりなのに、なんでだろう。
『餅、おこし、五家宝、らくがん』
『キンピラ族の旗手は誰だ』
確かに、顔が小さい人間ばかりチヤホヤされるこの世の中、気に食わん。なんでそんなに顔が小さいとエライんだろう?肩身の狭い思いをしなきゃならないんだろう?
でも安心するがいい、東海林さんのおかげで顔が小さくないほうが有利な場合もあることがわかった。
『佐渡で食べる蕎麦は』
『香港食いまくり篇①』
『香港食いまくり篇②』
『香港食いまくり篇③』
『香港食いまくり篇④』
『香港食いまくり篇⑤』
『香港食いまくり篇⑥』
解説は中野翠さんです。
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読むのは楽しいけれどレビューは困難。毎回書くけれど読み終わった時には何の話が入っていたか覚えていないのだから。でもそれで良いのです。
裏表紙見て思い出したのは「チャーシュー麺」
確かに誰かがチャーシュー麺頼むと、どれくらいの枚数入っているのか気になって見てしまうかも。そしてあまり多くないと何故かホッとするし、たくさん入っていると「シマッタ!」という気持ちになります。