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一時期彼女の書くものは全部一緒じゃないか、と思ってたが、『姫君』を読んで見る目変わった。
日常を生きる人がいきなり犯罪と関わる・・・というのはよくあるし、私が好きな乃南アサも書きまくってるが、書く人によってこんなに違うんだ。
話としては『アイロン』が好きだけど、最後の『最後の資料』には泣いてしまった。
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毎朝の通勤電車で痴漢に遭いながらいつも同じ車両に乗り合わせる若い男相手に妄想繰り広げている『アイロン』が笑えた。この人は女性視点の気楽な一人称書かせたら一級だなあといつも思います。
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「アイロン」「最後の資料」
内容は全く違うけど、流れるように注がれる。
リズムのよさが、この人の持ち味だよなぁ。
ちょっと買った事を後悔した位流し読みの1冊だけど、
最期の「最期の事件」で好きな1冊に
好きだ、って軽くいうのがためらわれるけど。
私の手はきれいだ。
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殺人、売春、覗き、痴漢、放火などの罪とそれに対する罰をテーマにした短編集
『解凍』と表題作の『マグネット』が面白かった
言い回しが絶妙で何度も読み返したくなる
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9つのお話が入った短編集。
「おれ、今日人を殺してきちゃった」
もし、自分の愛する人にそう告げられたら。
自分の愛する人は、ださくてもボロボロでも、どんな状態でも愛しくて、
例え彼が人を殺したとしても、その事も女心をつかむのかもしれない。
愛する人に愛を囁かれるように、そう告げられた黒木。
彼は、自分の彼女を名字で呼ぶ。それが彼の(ちっぽけな)主義。
「順子に悪かったな。」
愛する人から出てきたこの言葉が全てを終わらせた。
だって私の名前は、黒木みどり。
人を殺したこと、ずっと外に出ずお風呂の無い部屋で二人で過ごすこと、愛する人をかくまうこと、全て許せたはずなのに。。。
愛する人が他の女のためにちっぽけな主義を曲げたことは許せなかった。
男の人には分からないかもしれない。でも、私にはよく分かる。泣きたいのに泣けない、みどりの気持ちが。
「体には、誰でも性的な匂いがまとわり付いている。」
でも、それに気づいているか、いないかでは大きな差がでる。
性的な匂いって人によって違う。
自分の性的な匂いを知ってる人と知らない人。
自分をどれだけ魅力的にみせれるかが、ここだと思う。
そして、その自分の匂いをかがせることで、その匂いにひきつけられ離れられなくなる人がいる。
マグネットのように。
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山田詠美は、かなり若い頃に読むと憧れを抱かせる作品が多い。
そして、大人になってから読んでも、なるほどと思わせられる作品もある。
けど、これはちょっと毛色が違う短編集でして
きっと、「最後の資料」というのが書きたかっただけなんじゃないか?
ちょっと、文体も「罪」というキーワードで串刺しにするにはキツかったかな。。
個人的には、1〜2個好きな短編はありました。それ位のレベル。。
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犯罪っていう共通のテーマの9つの短編集。あとがきには「きわめて個人的な罪と罰の物語」って書いていた。どういう罪なのかと簡単に言ってしまえば、「熱いジャズの焼き菓子」は殺人や「解答」は放火のような犯罪らしいものから、「YO-YO」の売買春、「マグネット」は強制猥褻は関係ある二人で簡潔している罪だったり、きわめて個人的っぽい「COX」、そして最後のノンフィクションといってもいい「最後の資料」。うちのお気に入りは「熱いジャズの焼き菓子」と、「マグネット」と、山田詠美の面白さが顕著な「アイロン」!そして「LIPS」では彼女の凄さを再確認!でもやっぱり一番好きなのは、あとがきかもしれない・・・。
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法で裁けない罪と、それに対する罰をテーマにした短編集。
この作者は2冊目なんだけど、前に読んだのが「ぼくは勉強ができない」だったため、ちょっと雰囲気の違いに驚いたかな。
それぞれの話が独立した文体や雰囲気を持つのに不思議と統一感があって読みやすい。多少、昭和の香りがしたのは私だけかなぁ?(それもまた良かったんだけどね)
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私と同年代の作者だが、
今の年齢で読むからこそのエロスを感じる。
しかも、潔くてカッコいい。
9つのうち、『最後の資料』には切なさを覚えた。
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恋愛の中にミステリー要素を加えた秀逸作品。愛してる人が殺人を犯した。でも愛してるから許せる。だけど、他の女と寝たことは許せない・・・。
愛という、複雑で奇妙な生き物が己に巣くったとき人々はもう一人の自分に出くわす。
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例えば、小説の書き方教本とかに載っているルールのどれにも則っていないのに、こんなにもカッコよくて面白い。山田詠美さんの文章はやっぱりすごい。イカしたラブアフェアのお話から、殺人、罪、死をテーマにしたお話が9つ。
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山田詠美のマグネットを読みました。罪と罰をテーマとする短編集でした。集録されている短編にはちょっと文体にくせがあって読みにくいものが多かったので、私の評価は高くないですね。とは言え、いくつかの短編は読んだ後で心が温まるもので、楽しめました。
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文章のセンスの良さににやっとしてしまった短編集。
ノスタルジックでエロティックな、小さな「罪と罰」の集まりで、読んだからといって泣けるわけでも、そんなに深く考えさせられるわけでもないのだけれど、どことなくユーモラスで、大人の女性の読みモノだと思いました。
この本を持ってなら、一人カフェ2時間はいけますね (笑)
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いつもエエーッ!という驚きをくれる山田詠美。自己陶酔の渦をぐるぐるまわって想像通りの甘い言葉を口にする登場人物。日本語じゃなくて英語で読んだらいいのか?うまいと思わせる表現も多いけど、何だか全身がこそばゆい
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自分の男が人を殺したってどうってことない。けれど、自分の男が自分ではない女のためにポリシーを曲げるのは許せない。
恋愛はミステリーじゃなくてサスペンスかな。ふたりは常に共犯者で、裏切るのは恋が終わるとき。
瞳の致死量とYO-YOがすき。