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投稿者:Mr.X - この投稿者のレビュー一覧を見る
神戸の大学に通う桂が四巻では友人を訪ねて大阪まで小旅行。といってもわずか19分の電車の旅らしいが、なぜか空気が違って見える。のんびりした神戸と勢いのある大阪、同じ絵柄で描かれているのになぜか違った雰囲気が漂う。そんないつもとは違った雰囲気が楽しめた。
夏でも秋でもないある日のこと。
2002/06/20 22:12
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投稿者:岡野義高 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「見上げれば 涼しい風に 高い空
おもわずもれた ため息ひとつ
なんだか 人恋しくなってきた
夏が終わる」
神戸歳時記キャンパス・ライフも、もう四巻目。
この巻では、夏から秋にかけて、だ。
主人公の桂は、どちらかといえば、おとなしくて、引っ込み思案なイメージだけど、とても、友だちが多い。
この巻では、桂の多彩な友人たちが登場している。
韓国系で、ファッションデザイナーをめざす先輩。
モデルをやってる子。
大阪から通ってるおもろい子(その子のハハもおもろい)。
元オペラ歌手だった、喫茶店のマスター。
車椅子にのってるショップ店長。
などなど。
神戸の街だけでなく、神戸の人たちも魅力的だ!
待望の四巻である。
2002/05/31 11:41
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投稿者:ケンケン - この投稿者のレビュー一覧を見る
比較的、作風が安定してきた感じがする。扉ページの美しさには目を見張るものがある。
興味深かったのはのは一番最後に収録されている話で、主人公の桂と英語研究室(部室)の常連さん大学院生の友田さんのお話。ふたりはともに女性だけれど、なんというか作者の意図しないであろうところでエロチックな雰囲気を感じてしまった。水族館を見て回った後、二人は海岸に行くのだが、友田さんはそこで「まえ付き合ってた人がこの辺に住んでたから」と、零します。そして唐突に泣き始めます。勉強一筋と思っていた友田さんの人間的な部分が垣間見える気がしてなんだかじ〜んとしてしまった。「大人だと思った。理由はない。」という締めくくりも、そうだなあと思えるものだった。
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり。
この後の作品から木村紺を知った人はあまりの作風の違いに驚くかもしれない。
それぐらいこの作品の主人公は普通というか大人しいというか。
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思わず神戸に行きたくなる、ほんわかとしたムードの詰まった名作。ただ、本当の神戸とはちょっと違うみたいですが
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阪神大震災から20年が経つ。「20年かぁ」と思う。20年て、これくらいの距離感かぁと思う。同居人は自分が生まれる20年前のニュースを検索していた。
1月17日の晩には、神戸の地元局・サンテレビが制作した「神戸在住」のドラマ放映があった。ふだんはテレビをほとんど全く見ないが、事前に放映情報を入手していたし(劇場版の映画もあって、こちらのチラシも入手していた)、木村紺の原作マンガを同居人が読みこんでいることもあって、録画して、続けて2度見た。
http://www.sun-tv.co.jp/kobe-zaiju
原作マンガは震災後に神戸へ越してきた大学生を主人公に、周囲の関西人の震災話もところどころに出てくる話だが、ドラマは、震災後に生まれた「今の大学生」が主人公になっていた。
私も原作マンガの『神戸在住』は途中まで読んでいたが、私よりずっと読みこんでいる(今は電子書籍で全巻もっている)同居人が、ドラマの中に出てくるエピソードやそれぞれの人物像がマンガでどう描かれているかを合間に解説してくれる。
ドラマを見たら、原作マンガを読みなおしたくなって、数年前に同居人の持ちものを寄贈した図書室から1~8巻を借りてきた(電子書籍を10巻も読むのはしんどそうなので)。寄贈した時点で8巻までしか揃っていなかったが図書室の蔵書は増えるわけもなく、またこんど寄贈してもいいしと9巻と10巻を注文して買った(このたび復刊されたそうだ)。
3日かけて、1巻から順にじーっと読む。ああ、ドラマにはこのエピソードが使われていたんやなーなどと思いながら。8巻までは同居人がもっていたので読んだ記憶があったが、9巻と10巻はやはり読んでいなかった。
主人公の辰木桂[たつきかつら]は、父の仕事の都合で、家族で東京から神戸へ越してきた、おとなしい大学生。一家が住むのは、震災から半年後にできたマンション。桂は、神戸の山手にある大学の美術科に通う。親しくなった周囲の学生から震災の経験を聞く、というかたちで、マンガにはたびたび震災のことや、その爪痕が描かれる。
阪神大震災のとき、大阪ではもっとも被害が大きかった豊中(服部在住)で、震災のときに家がつぶれてがれきの中から引っ張りだされたという鈴木さんが同じ美術科の学生として登場。神戸の避難所の話も、そこでボランティアに関わった学生の語りとして描かれ、20年経つとはいえ、3.11を挟んだこともあり、読んでいて、うっとくるものがある。
桂が本好きで、話のあちこちに本ネタが出てくる。同じ大学で授業が週に一度同じという伏っちゃんと本の貸し借りをする場面もあり、高校や大学の頃に私もしょっちゅう本の貸し借りをしていたので、なつかしさをおぼえた。ある研究室が溜まり場のようになっていて、そこでみんながしょっちゅうコーヒーを飲んでいるので、マンガを読んでるとむしょうにコーヒーが飲みたくなった。私が大学のときに溜まっていた研究室も、先生がコーヒーいれるのが好きで、よくコーヒーを飲みながら本の話をした。
今回読みなおして、日和[ひなた]さんが透析をしていることや、ろう(難聴?)の早坂さんのこと、日和さんの友人のリチャードさんがALSを患っ���いたり、喫茶店のマスターがゲイだったり… 読みなおすまでこうしたことは忘れていた。こんなに本の話があったんやなーとも思った。
そして、神戸、姫路、大阪と絶妙に書き分けられる関西弁や、ボケツッコミの描き具合。関西のマンガやな~と思った。
描かれるのは、桂が大学に入ってから卒業するまでの4年間。高校時代や子ども時代の話が差し挟まれたりもするが、それも大学生の桂が回想するかたちだ。その4年間をぐっと感じたのは、桂一家のお隣に住む木下さんちのいつこちゃんの成長。お腹のなかにいた子が最終巻では3歳になる。
震災から20年、あのころ生まれた子たちが成人するというだけの時間を、マンガを読みながらじーっと感じた。
(1/19-22了)