- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
2 件中 1 件~ 2 件を表示 |
紙の本
深く精神構造を分析
2003/09/16 01:43
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良書普及人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
空想虚言者という言葉をこの本で始めて知りました。長野市出身で元松沢病院院長だった秋元波留夫さんという97歳の人が書いたこの本「AUM科学的記録」に書かれています。知人が教えてくれましたので購入して読んでみました。秋元さんが、精神的な障害を持つ人のために作っている組織の出版部=創造出版から出ているものです。秋元さんは、実は精神医学界の超重鎮で、これは私の想像ですが、「生き方上手」の日野原先生と双璧をなすような方ではないかと思いました。
さて、「AUM」というのは、オウム、つまり麻原のことを書いたもので、麻原の精神病理を分析し、「麻原は空想虚言者」と断じています。一種の病理的気質のようで、その特徴を、ドイツの精神医学者エミール・クレペリンの定義に従うと、次のような気質とのこと。
1:想像力が異常に旺盛で、空想を現実よりも優先する。
2:一見、才能があり、博学で、地理、歴史、詩歌、技術、医学等何くれとなく通暁して、話題が豊富である。しかし、よく調べてみると、彼の知識は読書や他人の話からの断片の寄せ集めであることがわかる。
3:弁舌が淀みなく、当意即妙の応答が巧みである。
4:好んで難しい外来語、鬼面人を脅かす言葉を並べる。
5:人の心を攪り、人気に迎合し、注目を惹くことに長ずる。
6:自己中心の空想に陶酔し、他人の批判を許さない。
その上で、空想虚言者の誇張的言動に眩惑された皮相な観察者は、彼あるいは彼女を優れた思想家の如く思い込むが、注意深い人は、彼あるいは彼女がほら吹きのペテン師に過ぎぬことを見抜く、と。
この定義を読んでいて、オウムの麻原に限らず、多かれ少なかれ、このような気質の人は、何処にでも少なからずいるように思えてきました。弁舌巧みで大衆受けする政治家などにも往々にしてこのような人が見受けられるように思われます。
クレぺリン先生もおっしゃっておられますが、我々普通の人種は、これらの人に騙されないように、注意深く、普段の経済生活、投票行動を行わなくてはなりません。そのためには、報道機関の正確な報道、恣意的でない描写なども不可欠です。戦前のドイツで、ヒトラーに集団催眠にかけられ、国家としてあそこまで突き進んだ警鐘を深く心に刻まないとなりません。現代の我々の社会にも、小ヒトラー達が蠢いているように思えます。
2 件中 1 件~ 2 件を表示 |