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紙の本
今も昔も人間はからくりが大好きだ。東西からくり人形対決。あなたはどっちが好きか
2002/07/04 22:15
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投稿者:牛尾篤 - この投稿者のレビュー一覧を見る
茶くみ人形を作った江戸のからくり師達が、ソニーのアイボを見たら何という感想をもらすのだろうか。きっと「オレたちのやったことが受けつがれている、からくり師になってよかった。」と手を打って喜ぶのではないだろうか。
本書に登場するからくり人形や自動人形を見ていると、洋の東西を問わず人間は昔からからくりを作り、見ることが好きなのだなあと思う。映画の中にもSFXによって作られた自動人形やからくり人形のオンパレードである。
日本には十六世紀に機械時計がヨーロッパからもたらされ、多くの日本人時計技術者が登場する。彼らはまたたく間に自分の技術の自由な発表の場として、からくり人形を制作するようになる。江戸の播磨、大阪の竹田近江、特に人形芝居「竹田からくり」は大阪で大人気で、代々その技がひきつがれ百年間の黄金時代を築きあげる。
ヨーロッパの自動人形も時計とともに発展していく。中世になるとヨーロッパの都市の広場に、噴水が作られ市庁舎や教会の塔に大がかりな機械時計がそなえつけられる。時をつげるごとにジャックマールという自動人形と聖者が登場する仕組みになっている。十八世紀になるとジャケ・ドロスの筆写人形やヴォーカソンの自動人形が作られるようになるが、日本と違うのはそれらはあたかも生きる人間や動物に近づけようと努力しているところである。ドロスのピアノを演奏する婦人の人形などかなり不気味である。日本の茶くみ人形もカタカタと音をたてて茶を運んでくる姿には、かなりこわいものがあるが、人間に近づこうとしている動きではない。
産業革命とともに自動人形に対する関心はヨーロッパでは急速に失われていったという。骨組みだけになったヴォーカソンのアヒルを見ていると、当時の人形師達が哀れになるが、からくりをあくまで遊びととらえるか、それに生命を与えようとするのか、西洋と東洋の考えの違いに思いをはせてしまう。 (bk1ブックナビゲーター:牛尾篤/画家・イラストレーター 2002.07.05)
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