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エスキモーが氷を買うとき 奇跡のマーケティング みんなのレビュー
- ジョン・スポールストラ (著), 宮本 喜一 (訳)
- 税込価格:1,760円(16pt)
- 出版社:きこ書房
- 発行年月:2002.5
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紙の本
冒険の勇気
2002/06/04 12:20
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投稿者:にょぴ - この投稿者のレビュー一覧を見る
表面的な面白さだけを見ると前作よりちょっと劣るかなぁというのはありますが、今回は「常識破り」をキーワードに展開してます。
「常識破りのマーケティング」なんか必要ないと思っていたら、競合がそれを実践して立場が危うくなる、というたとえが非常に気に入っています。
危険と思えるだけで実際に危険ではなく、行動を起こさないことに危険が潜んでいるというのをわかりやすく伝えています。
マーケティング本というくくりではなく、自分や組織のあるべき姿も教えてくれます。
内容も面白いしオススメです。やっぱりNBAを知ってるとより楽しめる…。
紙の本
マーケティングは、とんちだ。
2003/03/11 00:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ソネアキラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうしてこの本が好感をもって読了することができたのか。答は簡単。自慢話じゃないからだ。ニッチもサッチもいかなくなったプロバスケットボールチームを作者は、金もない、時間もないの、ないないづくしの中、見事、V字回復させる。金がないなら知恵、いや、とんちといったほうがいいかもしれない。頓智で成果を出そう。それが作者のいう「常識破りのマーケティング」ではなかろうか。
本書には微に入り、細に入り、「常識破りのマーケティング」のスキルが紹介されている。
NBAのキングスの年間指定席購入者の契約を更新してもらうために、切り札として作者はゴム製のニワトリに洒落たメッセージを添えたDMを送った。それまで通常のDMでは、おそらく開封されることもなくゴミ箱行きだったのだが、すぐさま、反応があったという。
ベジタリアン向けのハンバーガーを、広く知らしめるために、作者がとった戦略は、人気ショウ番組の最終回に30秒のTVCMを一度だけオンエアするというもの。まったく無名のハンバーガー企業が「歴史上最も高価と思われる30秒CM枠を買ったという話」がさまざまなメディアを通じてなんと400回以上も取り上げられた。この宣伝効果は、費用に換算したら莫大な金額になるだろう。田中さんがノーベル賞をもらった島津製作所みたいなものだ。
作者はプロバスケットボールチームの運営を立て直すために、スポーツではなくエンターテインメントという発想でパイの拡大に努めたそうだ。ナイキのアスリート用のシューズを街中ではかせる、スポーツドリンクをお風呂上がりやお酒を飲んだ翌朝に飲ませるアプローチと同じだよね。
マーケティングだの、ナレッジ・マネージメントなんていうからわからない。とんち発想術とかにしちゃえば少しは見えてこないだろうか。
よくブレーンストーミングなんかするけど、あれも、バカが平気でいい合える環境が大事。最後の最後で末席にいる人が恥ずかしそうに、謙遜しながら、出すジャストアイデアがホームランだったりすることがよくあるので。
本書には実践的なアイデア、とんちがつまっている。ベテランプランナーも企業の宣伝マン一年生も一読すれば、前頭葉がシゲキされること、うけあい。
紙の本
常識的なマーケティングこそが一番危険という主張
2002/08/14 11:43
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投稿者:shigeshige - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の実体験を通しての主張なので説得があることは言うまでもない。NBAやイチローたちが活躍する大リーグが華やかに見えるのは著者を含む多くのマーケター達がエンターテイメントを売るという姿勢から取り組んできた実績に負うところが大きいという主張には思わず大きくうなずいてしまった。日本のプロ野球離れが顕著であると言われているがその原因を追求していくと、それは選手のプレーの質などのレベル格差よりもどれだけ魅力的な商品に見せて売れるかというマーケティング力の格差の方がよほど大きいのである。日本のどの球団が常識破りのマーケティングを実施しているか? どの球団の経営者がそうした提案を実行する際のリスクを取るだけの度量を持ち合わせているのか? これらの問題は決してスポーツエンターテイメントの世界に留まらずビジネス全体に言える事なのである。自分もマーケティングを実施していく上で、今回の企画はどのくらい常識破りとなっているかを常に意識するようになった。これを読んでいるかどうかでマーケティングへの取り組み方が大きく変わる一冊である。
紙の本
2002/06/02朝刊
2002/06/18 22:15
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投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
氷がふんだんにあって買う必要のないはずの極北地域。そこに暮らすエスキモー(イヌイット)に氷を買う気にさせる。この常識破りのアイデアこそがマーケティングの極意なのだと著者は言う。
バスケットボールやアイスホッケーなど北米のプロスポーツビジネスで、数々の成功を収めた著者の文章はユーモアと機知に富み、赤ペンで線を引きたくなる個所が随所にある。業績改善に腐心する営業マンは特にそうだろう。
例えば勝てないバスケットチームの試合を観客で満員にするにはどうするか。必ずしも高い報酬で強い選手を集める必要はない。著者はかつてエルビス・プレスリーのそっくりさんのショーを試合とセットで開催する企画を立て、ラジオや新聞で広告した。事前のラジオ番組などでそっくりさんが見事な物まねを披露し座席は完売、当日地元チームは試合に負けたものの観客はショーを満喫した。
「プロスポーツの最終目標は娯楽を提供することだ」と著者は言う。結果として売上高が伸びる。企業の主要な問題は売上高が少ないことにある。チームの強化ばかり考えていては売上高は伸びないというわけだ。むしろ人気選手のいるチームとの試合を積極的に売り込めと相手チームの利用を説く。それも家族をターゲットにし、思い出になるようレストランの食事付きの券を用意する。多くの事業に応用できるヒントを得られるはずだ。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001