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紙の本
奇怪で魅力的な異星人のオンパレード。見ているだけで楽しくなるSFイラストレーションの集大成
2002/07/03 18:15
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投稿者:平岡敦 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「SFは絵だねぇ」の名言をキャッチフレーズにして、SF雑誌イラストレーションの魅力を縦横に語った「野田コレクション」シリーズ。本書は『図説ロボット』『図説ロケット』に続くその第3巻である。
宇宙人でもなければエイリアンでもない、「異星人」というこのアナクロチックな呼び名ほど(ワープロでも一発では変換されないくらいだ)、けばけばしいパルプマガジンの表紙を飾った異形の地球化外生物にふさわしいものはないだろう。それに「異星人」は何といってもSFの華、画家にとっても自らのイマジネーションを発揮するには恰好の題材だ。そんなわけで、ここには奇奇怪怪で荒唐無稽な生き物たちが、ところせましと跋扈している。
冒頭を飾るのは、もちろんH.G.ウェルズの『宇宙戦争』。この作品は、地球人とはまったく異質な生物としての「異星人」をイメージした最初の思考実験として、近代SFの嚆矢というべき作品である。重力の低いために脚が細く、知能が高いので頭ばかりが大きくなった「タコ型」火星人の姿は、なるほど異なった環境のもとではこんな高等生物の進化もありうるかもしれないと納得させられるに足るものだった(よく考えれば、こじつけがましいのだけれど)。
こうして、ひとたび発想の転換が起これば、あとはいくらでもイマジネーションは湧いてくる。昆虫のような異星人、鳥のような異星人、蛇のような異星人……いや、ほかにも言葉ではとうてい表現できないグロテスクな怪物が、肌もあらわな美女に襲いかかるお定まりの構図は、まさにSF画の真骨頂だ。ここに並べられた絵の数々を眺めていると、SFの本質はやはりセンス・オブ・ワンダーにありとあらためて思い至る。 (bk1ブックナビゲーター:平岡敦/大学講師・翻訳家 2002.07.04)
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