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もう一度あるきたい 競歩界のシンデレラガール板倉美紀奇跡の復活 みんなのレビュー
- 織田 淳太郎 (著)
- 税込価格:1,650円(15pt)
- 出版社:文春ネスコ
- 発行年月:2002.6
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紙の本
まさに奇跡の復活。
2002/07/20 15:19
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投稿者:片桐真琴 - この投稿者のレビュー一覧を見る
競歩という競技をご存じでしょうか。読んで字のごとく歩く速さを競うスポーツです。この競歩でバルセロナ五輪を前に彗星のごとくあらわれたのが、当時まだ高校生だった板倉美紀選手。日本陸上史上最年少でオリンピックに出場し、将来を嘱望されたこの新星は、直後、奈落の底に突き落とされてしまいます。練習中に事もあろうに大型ダンプにひきつぶされたのです。それはあまりにも凄惨で書くのもはばかられるほどの大事故だったようで、生きているのが不思議なほどだったといいます。幸いだったのは、頭部と心臓のある左側が無事だったことだそうです。
なんとか九死に一生を得た板倉選手は、「歩きたい」一心で、何度もの手術に耐え、厳しいリハビリにも耐えて、徐々に競技に復帰していくことになります。しかし、事故の後遺症は容赦なく彼女を襲います。そのたびに、彼女は苦悶を繰り広げ、なんとか細い道を切り開いていくのです。そして、家族をはじめ、彼女を取り巻くたくさんの人たちもまた、いろんな葛藤を抱えながらも、彼女を支え続けます。
この、彼女の競歩にかけるすさまじい執念が、本書を読むにつれ、私の心の底に熱いものを呼び起こさずにはいませんでした。本書によると、彼女は寡黙でおっとりとした人なのだそうです。著者の取材に対しても、感情的なことはほとんど口にせず、ただ事実だけを淡々と語ったといいます。それは彼女の性格から来るものだけなのか、それとも事故以来何度も繰り広げたであろう苦しい心の葛藤を見せたくなかったからなのでしょうか。
板倉美紀選手は次のアテネ五輪めざしてトレーニングしているそうです。ぜひともアテネの地で颯爽と歩いている彼女の姿を見たいものです。
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