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天切り松闇がたり 第1巻 闇の花道 みんなのレビュー

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みんなのレビュー129件

みんなの評価4.3

評価内訳

122 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

笑いあり涙あり――ちょっと昔のお話を。

2010/01/09 15:58

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

物語の舞台は現代の留置場。小悪党が収監されたその檻に突然現れた一人の老人。看守からは「とっつぁん」と呼ばれる松蔵という名のその老人は、留置場では有名な輩ながらも、時折鰻をはじめ豪勢な食事を署長からおごられるという不思議な事情を持つ。

松蔵は看守や刑事に頼まれ、夜な夜な留置場で昔話を披露する。彼は大正の一大義賊「目細の安吉」一家の一員だった。盗られても困らぬ天下や金持ちのお宝を盗んでは貧しい人々に分け与えた「目細の安吉」一家の義賊っぷりは、東京の町で知らぬ者などいなかった。涙あり笑顔ありの松蔵が経験した「目細の安吉」一家に関する昔話を聞いたとき、平成の留置場では、悪党になりきれぬ小悪党は心を改めまっとうに生きることを決意する。


現在では考えられないことだが、義賊は確かに存在したのだろう。有名どころの石川五右衛門、ねずみ小僧…をはじめ、強きに向かい弱きを助ける、義理と人情を何よりも大切に、盗賊といえども世間から愛される。それが義賊。

大正時代に活躍したそんな義賊のひとつ「目細の安吉」一家。松蔵がその一家に「弟子入り」させると実の父に連れてこられたのは数えの九つのとき。安吉は松蔵の弟子入りを受け入れるとともに、親父から松蔵を引き離した――「つれあいは医者にも診せずに死なす、娘は女郎屋に売り飛ばす。酒と博打に身を持ち崩したあげく、今度は倅を盗ッ人にせえと言う。そんな野郎を父親と呼ぶのァ、この子にとっちゃ不憫なこった」

以来、松蔵にとって「目細の安吉」一家は家族となった。人情と義理に人一倍厚く、筋の通らないことは大嫌い、弱い者の味方で強い者に立ち向かうことを厭わない――そんな義賊の生きざまを身につけた松蔵が語る昔話は、平成の世の小悪党の心を魅了し、改心させる。

その改心っぷりがちょっと都合よすぎな気がしないでもないけれど、そこは小悪党なのでそれほど違和感はない。松蔵が語る昔話に登場する人情や悲しさは相当なものなので、小悪党程度ならばすぐに改心しても不思議ではないだろう。


本作は「天切り松(=松蔵のこと) 闇がたり」というシリーズの第一巻で、どうやら第四巻まで出ている模様。連作短編集というわけではないからどの巻から読み始めても違和感はないとは思うけれど、松蔵の「目細の安吉」一家加入のいきさつがわかる第一巻から読み始めるのがやはりいいだろう。

加えて、本作には実在する歴史上有名な人物や出来事が登場し、『ダヴィンチ・コード』や『天使と悪魔』じゃないけれど作品に感じるロマンに奥行を出しているように思われる(登場する有名人の一例:永井荷風、山形有朋、新鮮組、戊辰戦争…)。

時代小説は苦手な方も多いだろうが、人情ものがお嫌いでなかったら、是非とも読んでいただきたい作品である。そしてこのじんわりくる感動を共有したい。



『闇の花道』収録作品
・闇の花道
・槍の小輔
・百万石の甍
・白縫華魁
・衣紋坂から

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2004/11/09 16:12

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2004/10/28 23:03

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2007/03/25 19:29

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