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紙の本
巨星墜つ
2002/09/30 14:14
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投稿者:katu - この投稿者のレビュー一覧を見る
「巨星墜つ」— 将棋界では大山康晴の死はこのように報じられた。それほど偉大な棋士だったのだ。
本書では平成3年から平成4年にかけての大山最後の闘いの模様が軸に語られている。A級順位戦、大山は出だし2連敗のあと2連勝。一息ついたところで、ガンの肝臓への転移が発見される。すぐに手術を決意し、11月の対有吉戦を戦ったその3日後に6回戦の対小林戦を強行し、対局後に肝臓ガンの手術を受けた。周囲の降級の心配をよそに大山はその後、高橋、米長、谷川と連破し、なんと名人挑戦のプレーオフに進出する。とくに最終の谷川戦は名局の誉れが高い。そのプレーオフ第1戦、対高橋戦で大山は敗れた。それを受けた本書の一節。
「大山こそ将棋を指すために生まれた男、である。生きていることは将棋を指すことであり、将棋を指さなければ生きている価値がない、というくらいのものだ。だから、手術直前、直後といえども、盤の前に座れる限り将棋を指すのは当然、と思っていただろう。そうはいっても、対局という重労働が、病後の身体によいはずがない。△8五同飛は、魔がさした、というより、もう休め、の神様の配慮だったかもしれない」。
よく色紙等に「助からないと思っても助かっている」と揮毫した不死鳥大山は翌シーズンのA級順位戦の第1局を田中寅彦と戦い、ほぼ時間いっぱい使って敗れた。そして平成4年7月の暑い盛りに帰らぬ人になった。69歳だった。
この「対局日誌」の「将棋マガジン」での連載も、大山の最後に歩みを合わせるかのように、この年の6月で終了した。このあと約2年半の中断を経て、平成7年1月号から「将棋世界」において「新・対局日誌」として復活し、現在に至っている。
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