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なぜ人はジュンク堂書店に集まるのか 変わった本屋の元大番頭かく語りき みんなのレビュー
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紙の本
終わりなき棚つくりが命です。
2002/11/23 12:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:栗山光司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は去年まで池袋のジュンク堂内を散歩するのが楽しみであった。今は西の淀川沿いに逼塞している。【本屋散歩】は小さい本屋と古本屋とレコード店と地元図書館を結ぶエリアになったが、今年に入って本屋を始め3軒も廃業になった。ネット書店サーフィンを始めたが、やっぱし、生の感触が懐かしい。時たま、京、大阪のジュンクに行くが〔一万歩の散歩〕には狭く感じる。ならばと中央図書館に出入りしても開架のスペースは小さく閉架棚の間を散歩出来ない。大学図書館も利用出来るようになったが、新刊好きの私にとって日々の新聞を読むように新刊の姿形を見たいのです。触りたいのです。
出版業界全体売り上げ減が続く閉塞状況の中でジュンクだけは何故ゲンキなのだろうかと、その秘密を知りたくてこの本を手に取ったしだい。WEB上でもジュンク店員田口久美子が『“池袋風雲録”“http://www.webdokusho.com/frame-shoten.htm”』を発信しているし、福島聡さんは『劇場としての書店』(新評論)を発刊し現場からの裏支えのパブリシティは見事なものである。ところで、『越境する知5 文化の市場:交通する』(東京大学出版会)で作家の森まゆみさんと田口久美子さんが対談していますが、ちょいと引用してみます。
田口「ええ、だから二大取次のそれぞれの取引量というのはすごいと思うんですよ。流通の問題はほとんど取次の問題といってもいいくらいです」
森「業界全体としては出版業界はそんなに大きくないでしょう。マーケットとしては2兆円ぐらいですね。一方、私たち物書きも書くだけでは生活できないからテレビに出たり講演をしたり。評論家の方々はたいてい大学で教えています」
田口「ええ、日本全体でもトヨタ一社の1/3です」
森「書店さんのマージンは2割位でしょう」
田口「いまは22%ですが、大きい書店は24%以上は取っています」
森「取次はどれくらい取るんでしたっけ」
田口「いちおう8分口銭といっているんです。8%。大きいところや古いところからはもっと少なく、小さいところや新しいところからはもっと多く取っていますけど」
森「出版社側から言うと、22%と8%で30%取られるとなかなか本はつくれない」
何とも利幅の少ない業界だと判る。渡辺さんも書いているように出版業界全体の売り上げが前年度対比減にも拘わらず、新刊出版点数は増えているのだ。年間7万点である。兎に角、本を納入すれば、今のところ金融機関に信用のある取次の手形を貰えるから、取次主体の財務でヤリクリしているらしい。しかし、ここに来て銀行自体の体力もなくなり、そんな【本を擬装した偽札つくり】は通用しなくなるであろう。恐らく、ジュンクの元気良さは【偽札の本】でなく【専門書】をメインとした棚構成、財務において現金主義の手堅さと、人材の採用においても、何かに拘って生きる【変人度合い】を見る等、虚業でない実業を信じている強さがジュンク堂の社員達にあるのだろう。地道な実業の心が棚表現に現われる。その力を信じて〔無限の速度で終わりなき棚作り〕に励んで下さい。新刊書店は明日何が飛び出して来るか判らない面白さがあります。次なる生成を更新を期待します。
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