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紙の本
生き物大好き少女の観察日記がおもしろい!
2002/09/24 13:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:作務 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いもりこと飯森めぐみは、生き物好きのもうすぐ5年生の女の子。いろいろな生き物を飼って、観察日記「きせつだより」を書いています。
学校では、先生たちがスコップで穴を掘り、ビオトープを作ります。池にはミッチーが捕まえてきた、メダカやざりがに、どじょうをはなします。「ビオトープはいってみれば人工の自然環境なんだ。」そう説明する先生の言葉にいもりは、なにか疑問を感じます。
生き物は好きなのに、なぜかビオトープはすきになれません。クラスの友だち、ガンコ(なんでもズケズケ・ガンガン言う女の子)テンジン(学年きっての秀才、学問の神様天神)ミッチー(菅原みちる、ちょっとふとっちょの男の子)4人でモリアオガエルの卵を見に行った沼で捕まえたイモリを飼って、卵をかえします。久しぶりに学校のビオトープ行くと、捕まえてきた生き物はいつのまにかいなくなっていますが、四人でよく見ると園芸品種が植えられたところには雑草が生え、小さなくもや昆虫がいます。雨水のたまった池にはトンボが卵を産んで、やごが育っていました。東京とはちがう里山のある自然のすばらしさに気づきます。
餌の食べ方の特徴なども詳しく書いたイモリの観察日記が、県の展覧会で金賞とったり、みんなでツチノコをつかまえに行って、本来日本にはいないはずのワニガメを捕まえたりと、ちょっと盛りだくさんの気もしますが、あとがきに「生き物の飼育には、いくつかのルールがあります。生き物を飼うということは、その小さな命を預かることです。だから最後まで面倒を見る覚悟がいるし、責任感も生まれると思います。」と書いている作者の思いをはなしに盛り込み、子どもたちにさりげなくメッセージを送っている本です。
作者自身も、身のまわりにいるありふれた虫や小動物が好きで、自身の飼育、観察体験にもとずいて書いているそうですが、いもりがおたまじゃくしやイモリを観察しながらいろいろな発見をして書く、「きせつだより」がこの本の魅力のひとつです。
★★★
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