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ポエニ戦役終了から地中海一体の平定に至る巻。イタリア内部の反乱(スパルタクスの反乱)や、オリエント諸国との衝突を経て、ローマが抱えていた諸問題を徐々に帝国主義に近くすることで解消していく。このあとからカエサルが出てきますが、どのような活躍をするのか興味がわきます。
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前とこの2巻は筆者とあまり感覚が共有できていない感じがします。というのも、共和制の崩壊についてアラートを筆者は挙げているのですが、共和制、といわれても自分は、それが何?、としか思えないのでちょっと認識がずれているんだと思います。
その本に流れる底流を無視すれば、ポンペイウスの活躍なんかは非常に心躍るものですし、マリウスとスッラの粛清なんかも結構空恐ろしいものを感じるように書かれており、面白く読めました。
スッラの将だった、ルクルスの手柄がとてつもないですね。12万5千vs1万5千で、たった5人の死者で1万5千側が勝つんですから。負けたほうは、死者10万以上って…、この時代の戦闘っていったいどうなっていたんでしょうか…。こんなに鮮やかな勝ち方を何度もしても、敵総大将の首をとれずに攻めあぐねて解任になりました。
その後、来たポンペイウスがおいしいところをさらっていき、ものすごい栄誉を手にしたところでこの巻はおしまいおしまい。
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・マリウスvsスッラ → マリウス
・マリウス → キンナ → スッラ
・ポンペイウスとクラッスス
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大国になってしまったローマにおいて、いよいよ元老院が機能しなくなってきたというのは面白い。様々な民族をまとめる大国であれば、一人の人物に権力を集中させるがあるということか。確かに今のアメリカっぽい。次はいよいよカエサル登場!
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まだまだ混迷中なローマ。元老院と軍隊の力関係が徐々に変化していて、次の時代が近いことを感じさせる。しかし、いろいろなタイプのリーダーが、こんなにも大勢いるもんだ。
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ポントス王国ミトリダテス王の戦い。ミトリダテス戦役。マリウスのローマ占領と粛正。キンナの反動。スッラのローマ進軍と粛正。元老院主義の復活。自らが望む改革を実現後引退するスッラ。スッラの後継者ポンペイウスの海賊退治。ミトリダテス戦役を任されていたルクルスの挫折。ポンペイウスの登場。スパルタクスの反乱。クラッススの鎮圧。
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特に印象深い内容はなし、ただ奴隷についての解釈で納得する件がある。奴隷の定義とは「自分で自分の運命を決めることが許されない人、である」それゆえか、自由市民は兵役があり税金がかせられる。奴隷は兵役も税金も免除されている。自分の運命を自分で決める権利を完全にもっていない人は、義務も課せられないのだ。なるほど、ならば戦国時代の農民とくらべてみよう。少ない田んぼから年貢を巻き上がれれ、労役につかられ働き手が激減し、田んぼの米も収穫できなくなり一家離散する。この状況よりは奴隷の方が食にこまらない気がしないでもない。なんと理不尽な。
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今まで元老院を中心としてまとまりのあるように見えたローマがかなり混沌とした時代に突入している。
その中でスッラはローマを外的から守り、さらに腐敗しつつあるように見える内部の体制も、少数寡頭制を再度実現するための行動をとる。
スッラの国政改革は、無期限独裁官という点ではかなり強行ではあったが、彼の意思をはっきり反映させるためには必要であったのであろう。
見事なまでに改革を実現した後の引き際は気持ちのいいものであった。
その後に登場するポンペイウス。
彼も過去に登場したローマの執政官たちに負けず劣らない戦略家であり、見事な外交力を発揮しているが、スッラの目指していた元老院を中心とした少数寡頭制の実現とは別の方向に向いてしまっているのがまたおもしろい。
この時代にローマの悩みの種のミトリダテスを倒し、オリエントを平定したポンペイウスがこの語どのようにローマを導くのか楽しみなるが、実際は別の人物が中心になってくるようでる。
強大国となったローマの今後がさらに楽しみである。
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今回は、マリウスとスッラの時代と、ポンペイウスの時代の話。
しかし、いかに有能な人でも、全てを持ち合わせるのは無理なのか。スッラについて書かれた文章をそう思ってしまう。
何でスッラは、元老院体制の維持を固辞したのか。時代に合わなくなったシステムを切り捨てることをしなかったのか。そこまで、すべてを見通せる人は、なかなかいないということなのか。
それでも、優先順位をはっきりさせて、実行していった所は凄い。ミッションを達成するのが楽しかっのかも。
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急激に強大になり過ぎたがゆえの成長に伴う数々の課題に見舞われた共和制後期のローマの物語の続きです。課題への対応を,これまでのシステムの見直しで解決しようとしたスッラと,その後を受けながらもスッラの確立した体制をはからずも崩壊させてしまうポンペイウスの物語が中心になっています。
ローマの成長に適した統治システムへの対応を目指したこの巻の主役たちの取り組みの目的,進め方,そして結果を知ることは,成長に適した統治システムの確立という問題への解決への道筋を示し,そして新しいシステムの確立を進めた,次の巻以降の主人公たちの取り組みの目的,進め方,結果を知るには大切なことだと思います。
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ここまで続いてきた共和制による元老院体制も、もはや「古い革袋」となったようである。スッラによって再構築がなされたとはいえ、それは紀元前1世紀という時代には耐えられなかった。そもそもスッラが元老院体制の再建をなしえたことでさえ、自ら異例の独裁官に就任することによってはじめて可能になったのであり、そこには本質的な矛盾があった。ポンペイウスを経て、終身独裁官カエサルの時代、そして彼の死後、ローマはオクタヴィアヌス(アウグストゥス)による帝政へと移行してゆく。カエサルだけはその後のローマを見とおしていたのだろう。
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「ちなみに、古代のローマ人による奴隷の定義は、自分で自分の運命を決めることが許されない人、であった。」
ポンペイウスが強い。
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あ、マリウスとスッラは相対立する二人の名前だったんですね。並記されているから、てっきり師弟関係なのかと。旧態依然とした制度では広がり続ける国家を支えきれず、新しい体制づくりに精を出した男たちの物語。で、次はいよいよカエサル登場です。
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前一世紀初頭、ローマは内外で混迷の度を深めていた。同盟者戦役に続き、小アジアではミトリダス戦役が勃発、ローマも内乱状態に陥る。戦役に勝利した名称スッラは反対派は一掃。前81年、任期無制限の独裁官に就任し、ローマの秩序再建のため、国政改革を断行する。しかし「スッラ体制」は彼の死後間もなく崩壊。この後登場するポンペイウスは、ローマの覇権拡大を果たしたが。
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読書録「ローマ人の物語7文庫版」3
著者 塩野七生
出版 新潮社
p52より引用
“また、戦争とは、それが続けられるに比例
して、当初はいだいてもいなかった憎悪まで
が頭をもたげてくるものだ。前線で闘う者は、
何のために闘っているのかさえわからなくな
る。”
目次から抜粋引用
“マリウスとスッラの時代(承前)
ポンペイウスの時代”
歴史作家である著者による、歴史に大きな
足跡を残した古代ローマについて記した一冊。
内輪もめに乗じた他国の侵略から剣闘士の
反乱まで、史実と著者の主観をまじえて書か
れています。
上記の引用は、ローマ市民同士の戦争につ
いて書かれた項での一節。
戦っている理由がわからなくなったら、戦闘
を止めてしまえれば良いのですが、軍律違反
で罰せられるのでしょうね。
大きな力を持った人に振り回されて、見方同
士で戦争をしなければならない、そんなこと
にならないように、しっかりと歴史は勉強し
ておいた方がいいのかもしれません。
内戦やそれに乗じたゴタゴタばかりが描か
れていて、ローマはあまりいい時期ではな
かったようです。
それでも地中海周辺を支配下に置いてしまっ
たのですから、力のある国家だったのですね。
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