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この人が描く家族の話にあったかい光景がひとつもないのは、間違いなく彼女のバックグラウンドの影響なのだろうけど、でも、これはこれで物凄く真実だと思う。“家族”と聞いてイメージする、あったかい食卓に笑い声、みたいなステレオタイプな想像って、あくまでも美しい理想でしかない。いや、そうじゃないな。それもまたある意味では物凄く真実なんだけどな。どっちが正しいとか、ないんだろうな。どっちも正しいんだろうな。そして、ここに出てくる登場人物は、どの人もみんな凄い孤独。友達がいても、家族がいても、誰かと一緒でも凄い孤独。これもまた真実。誰かと寄り添って生きていく事は心強くて頼もしいけど、きっと永遠に誰かに寄り添って生きていく事なんてできない。いつか、人は遅かれ早かれ必ず孤独になる。読んでいて、何かそんな事をぐるぐるぐるぐると考えました。暗いなー私!!(笑)
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私たち、似ている。世の中に何も期待しない
退職老人と女子高生。孤独な二人が共謀して巻き起こした恐喝事件の顛末は。衝撃の小学生集団レイプを描いた「少年倶楽部」を併録
ワロタ。女子高生の無力感はなんとなく解る。退職老人の経験はないからわからないけど。
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定年後の生活と女子高生、社会を構成する人々を赤裸々に描く。
結構、身につまされて、痛い「女学生の友」。
「少年倶楽部」は中学生の男の子を描いたもの。
思春期特有のモヤモヤと家族の微妙な関係がグサグサとささってくる。
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角田光代と比べてみる。壊れそうな家族をテーマした小説では柳美里の方が大味だ。大味だからこそ、強烈に伝わるものがある。それは痛いとも表現できる。角田光代の小説はありそうで安心できる。柳美里の真骨頂は、振幅が激しく超えてはいけないラインを超えたところににある。より過激で非日常を味わいたい人におすすめだ。長編『ゴールドラッシュ』は無駄に長いだけだったが、この作家の短編は期待できる。
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コギャルグループにしがみつきながら、どこか噛み合わない部分を感じている女子高生の未菜。定年退職し、妻にも先立たれて生きる意味を見失ってしまった弦一郎。二人が出会い、企てたこととは…。
漠然とした言い方だけれど、今まで読んだ柳作品の中では一番柳っぽくない。他の作品は物語の中に常に柳美里の残像が見え隠れしていて、作品は作家そのものだったのに、この作品にはそれがないのだ。客観的に書かれているとでも言おうか。柳作品が苦手という人でもこれならいける。
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今までずーっと読みたいと思ってた柳美里の本です。
『女学生の友』と『少年倶楽部』が入ってます。
うーん、二つともかなーり濃い内容の社会派小説になってるかなぁ。
『女学生の友』は、定年退職して生きる喜びのないおじいちゃんと、何を喜びに生きていいのかわからない女学生が恐喝するお話。
老後、今時の女子高生、リストラ、倒産、援助交際、核家族などなど、今時の社会事情をうまい具合に小説にしてるなぁ~。って感じる本。
なんだか、今の世の中ってこんなに暗くて寂しいのか。。。って思わせる。
でもね、未菜の言葉はせめてもの救いになってるというか、これがなければ、単なる恐喝事件を促すようなないようになっちゃうのよね。
おじいちゃんの最期も可哀想だし。。。。悲しいわぁ。
『少年倶楽部』は、受験間近の小学校6年生4人がレイプを企てる話。
今の世の中、こんな若い子までもが、混沌と生活してると思うと、ほんと第三者として可哀想に思ってしまう。でも、子供の親として、これは他人事ではないのよね。
子供が悲しい思い、寂しい思い、世の中のことについて悩むようにさせないように、親としてどうして子供と接していいか参考になりました~。
これからも、柳美里の本を読んでいこうと思います。
でもちょっと引きずるから、たまーにね。
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柳美里の小説はそうだそうだった…こういう…
なんてーか思春期こじらせてるんかな…みたいな…
それかアウトローなダメ男(概念)って感じ…
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大人の滑稽さ、そしてそれと紙一重の位置にあるグロさが浮き上がる。変わった作品だと思った。
『女学生の友』の女子高生も『少年倶楽部』の少年たちも、みな思考が飛躍気味だが、彼らの送る日常の描写はリアルで、近くにいて、いたかもしれないと思わせる。ギャル描写はそりゃ今からすればちょい古とはいえ、当時はいただろうな、みたいな。