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マンハッタン、9月11日 生還者たちの証言 みんなのレビュー
- ディーン・E.マーフィー (著), 村上 由見子 (監訳)
- 税込価格:2,860円(26pt)
- 出版社:中央公論新社
- 発行年月:2002.9
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紙の本
9.11に立ち会う
2003/03/06 17:28
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投稿者:YOMUひと - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界貿易センターの78階に勤めるセールス・マネージャーは、目の不自由な同僚と盲導犬を伴い、懸命に階段を降りて避難していく途中、逆に階段を続々上がってくる、重い装備や機材を運ぶ消防士たちと出会う。被害者がいま脱出してきたばかりの地獄へ向かう彼らに湧き上がる拍手。そして彼らは戻ってこれなかった。
現場近くのマンハッタン・コミュニティ・カレッジに通う女子学生は、通学の途中、センタービルから死を覚悟して飛び降りる人達を目撃する。彼女が今まで見た最も悲惨な人達が、その時何を思っていたのか、火と煙に責められてどれほど苦しかったろうか、あの人達の家族はどうだろうか、「あの人達だって誰かの母親であり、父親であり祖父なんだし、誰かの兄弟、姉妹、息子、娘ですもの」、とつらく思う。
彼らは大仰な言葉なしに、いわば淡々といかりも表さず、その経験を語る。ビジネスマン、OL、消防士、神父、警察官、学生など41名の多彩な角度からの証言によってこの被害のほぼ全体像が浮かび上がる。読者を、いわば事件の内側から、あたかも被害者と体験を共有できるような気持ちにさせてくれる。これは他人事でないかもしれない。読者の想像力を喚起する活字の威力、オーラル・ヒストリーという手法の効果を感じた。同時代の世界史的な事件に、少しでも立ち会いたいという思いに応えてくれた。
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