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モリー・ムーンの世界でいちばん不思議な物語 みんなのレビュー
- ジョージア・ビング (著), 三好 一美 (訳)
- 税込価格:1,980円(18pt)
- 出版社:早川書房
- 発行年月:2002.10
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紙の本
ま、道徳家である私にこういう本を読ませるべきじゃあないとは思うんだよね。もう、最初から不快ふかいフカイって感じで。逆に言えば、堪らないって人もいるんだろうなあ
2004/07/15 23:36
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
新聞にハリネズミの本箱という子供のための新シリーズの広告が出たとき、いいなあと思った。ともかく、毎日のようにファンタジーが様々な出版社から出ているが、もっと大きな流れの中でファンタジーも含めた児童文学のあり方を問うような、本格的なシリーズが欲しかったからだ。
そうして、この本の謳い文句が「女の子版ハリー・ポッター」というのは、時節柄仕方の無いところかもしれない。しかし、最初に書いておくけれど、これほど読んでいて不快感を抱かせる主人公も珍しい。ハリー・ポッターの爽やかなイメージで読み始めると、大変なことになる。
モリー・ムーンは、多分十歳の白人の女の子。ブライアーズビルはハードウィックの村の孤児院ハードウィックハウスに、10年前にロッキー・スカーレットという黒人の男の子と一緒に捨てられていたという。それにしても、モリーは規則を守らない。他人のことを考えるということはないし、いつも自分がボーっとているのに、不満だけは一人前である。だから皆に苛められる。
普通は、その規則が理不尽なもので、それに反発するというパターンが普通かもしれないけれど、このオハナシに限ってはそうではない。どちらかと言うと、非は明らかにモリーにある。だから院長や学級担任、女の子たちが意地悪といっても、モリーが招いているとしか思えない。そういう私などが考えると不道徳としか言いようがない行動を、少女は取りつづける。
それは町の図書館での彼女の行動にも当てはまる。モリーは、アメリカからはるばるやってきたノックマンという教授が、「目当ての本が無い」といって館員に噛み付いているのを奥のコーナー聞く。そして偶然にその本を見つけた彼女は、それを二人に告げずに黙って図書館から持ち出してしまうのだ。本の名前、それはドクター・H・ローガン著「古代の技が語る 催眠術」。
その本を読んで身に付けた催眠術でコンテスト会場の人々を支配した彼女は、自分に別れも告げずにアメリカに行ってしまったロッキーに会うため、少年のいるであろう新大陸に向かう。これ以降は、読んで確かめて欲しい。どこに私が不快を感じたかを。
モリーは全く成長しない。最後まで自分のことしか考えない。自分のためであれば、人を騙すことも構わない。あれ、これって児童版無頼小説 ?少女ピカレスク? それならば分らないではない。こういった少女が、子供を突き落としたりするんだろうなあ、イジメを平気でするんだろうなあ、そしてそれを他人のせいにするんだろうなあ、そう思う。しかし、作家にそこまでの現代に対する認識があっただろうか。
ビングはロンドン在住の作家で、2004年にこの本の続編『モリー・ムーンが時間を止める』を出している。正直、読みたくない。子供たちが読書を通じて豊かな体験をという趣旨からは反しそうなピカレスクな一冊。あなたは子供にこの本を素直に渡せますか。
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