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レッド・ドラゴン 決定版 上 みんなのレビュー
- トマス・ハリス (著), 小倉 多加志 (訳)
- 税込価格:858円(7pt)
- 出版社:早川書房
- 発行年月:2002.9
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文庫
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紙の本
“悪”に翻弄される悲しい人々
2003/02/14 02:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きねたく - この投稿者のレビュー一覧を見る
アンソニー・ホプキンスが強烈な個性を放つ映画版「レッド・ドラゴン」と違い、この原作小説は犯罪心理プロファイラー、グラハムと殺人犯ダラハイドの孤独な心理戦が物語の核を成している。映画では準主役のレクター博士も本作では重要なキーマンに過ぎないが、グラハムが中心となるサスペンス部分とダラハイドが中心となる深層心理的部分が巧みに練られており読み応え十分である。
この小説を読んでいて、じっとりと怖くなってくる部分がある。それは“悪”という誘惑はどの人間の心の中にも住みついているということ。そしてそれは強烈な強迫観念を媒体として、次々と人へ伝染していくということを読者に突きつけるからである。殺人犯ダラハイドが抱えた心の闇は自分の身体的な劣等感、家族の不和、祖母のきついしつけと様々な要素が絡み、自らの体の中に大きな悪魔<ドラゴン>を生み出した。その“悪”はやっと掴みかけた幸せさえもすべて破壊する。制御不能な“悪”を素晴らしい芸術のように操るレクター博士。犯人を追い詰めながらも、逆に自ら“悪”に出口をふさがれる捜査官グラハム。映画版とは違った悲しいラストは、人間の心が生み出す巨大なモンスターに、生み出したはずの人間さえも押しつぶされる悲しさに溢れている。人間が人間を怖くなる。手に汗握る巧みなサスペンス劇の裏側に、そうした単純だがなかなか見抜けない怖さを描いたトマス・ハリスの傑作小説である。
紙の本
映画を見る前に
2003/01/09 20:36
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投稿者:hdk4 - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画のほうは「羊たちの沈黙」「ハンニバル」そして「レッドドラゴン」と続いているが実は原作としては本作が最初である。ご存知レクター博士がシリーズに初めて登場するわけだが、彼を逮捕したグレアム捜査官もまた、ただならぬ精神構造をもった人物として描かれている。連続殺人犯である“D”の人物描写、場面描写も徹底的にリアルで読んでいて映像が目に浮かぶ。自分が描いたイメージを映画で確かめるというのもいいのでは。
この上巻では連続殺人事件に挑むグレアム捜査官が中心に描かれているように思う。これにレクター博士、“D”がどんな風にからんでくるか。スリリングな展開にどんどん引き込まれる作品だ。
紙の本
シリーズ第一弾
2020/05/27 17:08
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投稿者:のび太君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
レクター博士が初めて登場する作品。とはいっても、上巻ではあまり見せ場もなく下巻へのお楽しみにとっておいた印象