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みんなのレビュー88件

みんなの評価4.3

評価内訳

高い評価の役に立ったレビュー

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2003/07/17 20:41

あんまり、このミスじゃあ騒がれなかったけど、bk-1の書評氏は褒めてたんだ、えーい、ついでに私だって言うぞ、この本は警察小説の『ハイペリオン』だって

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

世の中には、なぜかあまり騒がれない傑作というものがある。このミスにも、文ベスにも上位に名を連ねることのなかった、それでも私はこれこそが、実は昨年の頂点ではないか、と密かに確信していたミステリ。最初から書いておくけれど、この小説は柴田よしきの最高傑作であるだけでなく2002年の、いや近年の日本の警察小説の頂点に立つ小説である。「化けた」といったら失礼だろう、今までもかなりレベルの高い作品を書いている柴田だ。しかし、あきらかに波があった。それが、今回の小説、最初から最後まで緊張の意図が、恐るべき強さで持続する。脱帽である。

小説は1995年と、1980年代を自在に移動する。必ずしも時系列に沿った動きではないけれど、違和感は全く無い。混乱も無い。小説は、1989年の早朝。小田急線の線路に横たわり始発電車の通過を待つ青年が、男に救われるところから始まる。その、後に山内練と名乗る男の人生が主題となる。

しかし話はそのまま1995年、部下で24歳になる宮島静香を自宅に送る麻生係長の帰宅風景へ移る。新宿のホテルの32階、東日本連合会春日組の幹部韮崎誠一が殺された現場。本来であれば、子分たちに身を守られていたはずの韮崎は、何故か浴室で裸のまま喉を鋭利な刃物で切り裂かれて死んでいた。捜査1課の切れ者の志木は、事件を担当するが、彼の行く手に立ちふさがるのが暴力団担当で、志木の大学時代からの先輩でもある捜査4課の及川だった。

及川は、被害者の身元から、事件は暴力団絡みと考え、普通の殺人事件として捜査をする志木の妨害をする。韮崎の事件の背後にあるものは何か。彼を取り巻く華やかな女たち。彼女たちは一様に、誠一を愛していたと告白するが。元タレントや、女医といった美女達に愛された暴力団員の真実の姿。

妻の玲子から言い出された離婚届に判を押した志木。彼が関わった過去の事件。志木に思いを寄せる宮島静香。美貌の静香に言い寄り、刎ねつけられた山下。韮崎の秘書で、決して過去を語ろうとしない長谷川環。志木が心を休めることの出来るただ一人の女性、料理屋の槙。そしていつまでも心の中にいつづける元妻の玲子。他人を放って置けない親切な塚原富美子。

自白ではなく、証拠だけによって犯人を挙げようとする志木。かれのユニークな捜査に反発をしながらも、実力を認めざるを得ない旧来の捜査方法をとる周囲。刑務所での生活で、身も心もズタズタにされていく男たち。中学以来剣道一筋の道を歩み、剣道をしたいために警察官となった志木。そして彼が憧れ続けた天才剣士の及川。

複雑な性の世界、自分の意思と他人の欲望、男の友情、暴力団、冤罪、事件は意外に大きな広がりを見せるが、この小説の支流部分はあきらかに筆不足。ここをどこまで描くかで、この作品がワールドクラスになるか否かが決まる。その点は中途半端の感が拭えない。とはいえ、このままでも大傑作であることは間違いない。今でも十分なヴォリュームの作品なのだ。

この小説の凄さを伝えようとしたら、内容を全部書いても追いつかない。ともかく読むしかない。文章の濃度は、異常なまでに高い。多分、今までの柴田の小説の4、5冊分に匹敵すると言ってもいい。しかも、その緊張感。全くジャンルは違うが平野啓一郎『葬送』、D・シモンズ『ハイペリオン』、M・プーゾ『愚者は死す』などといった超弩級の長編群を思えばいい。月刊誌に3年にわたって連載されたというが、それだけの時間の重みを感じさせる作品、繰り返すが傑作である。柴田はこの一作で推理小説史に名を残した。なぜ、国内のミステリ通が、この名作を評価しないのだ!

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低い評価の役に立ったレビュー

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2002/10/07 19:04

著者コメント

投稿者:柴田よしき - この投稿者のレビュー一覧を見る

デビュー作の『RIKO』より前から構想を持っていた作品で、デビュー後、『聖母の深き淵』の後で一度書き上げていたのですが、まだ作品世界を描き切るだけの筆力がなく、不満足な出来で発表を断念しました。今回、あしかけ三年にわたって月刊カドカワミステリに連載し、さらに大幅に加筆訂正をくわえて、ようやく刊行となりました。私にとっては七年以上をかけた、渾身の作品ということになります。楽しんでいただければ幸いです。

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2009/05/20 23:34

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2009/06/16 23:21

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2009/07/24 22:38

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2009/09/22 16:09

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2009/10/01 21:34

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2009/10/14 00:11

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2009/11/17 15:34

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2009/12/09 10:37

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2010/01/14 22:08

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2010/01/26 12:13

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2010/01/27 23:17

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2010/03/09 01:42

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2010/03/19 11:21

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2010/07/04 23:18

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