紙の本
親子とは
2003/06/13 18:15
8人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あかりんご - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和46年沖縄でおきた赤ちゃん取り違え事件。発生してから五年 育ての子を取るか実の子をとるか。運命に翻弄される子供たちと親。果たしてその先の運命の結末は
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かわいそうな話でした。ご両親もかわいそうだけども、子供達もかわいそう。
本当にこんなこと、もう起きて欲しくないです。
このお医者様は心ない方で、お金だけでこの事件をすまそうとしたようです。本当にひどい話です・・・。
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6歳のときに取り違えが発覚し、それぞれ実の家族に引き取られた二人の女の子。生みの親と育ての親、血と情の問題を丹念に追ったレポ。
題名につられてふと手に取って読み始めたが最後、すっかり引き込まれてしまった。取り違えが分かったからといって、犬猫の子をぽっと受け渡すようにはいかない。元の家族を慕ってくる育ての子は可愛いし、向こうの親ばかりを思ってなかなか心を開いてくれない実の子も愛してやりたい。二つに裂かれる親の気持ちを思うと苦しくてしかたがない。
それにしても、二十五年にも渡り、家族を取材した著者には尊敬の念を禁じえない。ただの取材以上に感じるものがあったのだろう、と思う。
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沖縄のある医院で出産した城間家と伊佐家の母親達。そこでまさか赤ちゃん取り違えなどという、ニュースでしか見たことのない出来事が自分達の身に起こるなんて・・・。発覚したのは子供が6歳になってから。今から交換して子供達はなじんでくれるのか、このような失態をおかした病院はどう責任をとってくれるのか。二人の子供達が大人になるまでの真実の記録。
”取り違えられた”まではニュースで取り上げられることがあっても、その先その家族がどうなったかというのはなかなか知りえない。6歳といえばもう、当然、自分の意志もはっきりしていて本人達は最初から最後まで拒否していたのに、ただ”血”が違うからと、元の関係に戻そうとする大人達。”情”との葛藤はあっても、病院や親たちがそこまで「今は辛くても戻すのが一番いいのだ」「元に戻すのが普通なのだ」と思い続けているところが私はわからなかったのだが、やっぱり自分と似た顔を見てしまったらそうなるのだろうか。
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4167656418 437p 2002・10・10 1刷
ページの真ん中位で子供の切実な言葉に泣いてしまう。
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今まで我が子と疑わず育ててきた子どもが、実は自分の子ではなかったら?
この本を読んで、もしそうだったら・・・・とつい考えてしまいます。
親子でそっくりなので、間違いはないけれど・・・。
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最終的にはやはり「情」。と思わざるをえない。
病院で取り違えられ、6歳で発覚。小学校入学前に本当の家族の元に戻された女児二人。スグにとはいかなかったが、次第に実の両親になついた初子(真知子)に対し、いつまでも実の両親に懐かず育ての親の智子の元に通い続けた美津子。
似たような家庭環境にありながら、ここまで違うのには母親の育て方が大きく関係するのだろう。最初は手づかみでモノを食べたりするような野生児だった真知子が最終的には学力でも美津子の上を行く。6歳時点では恐らく美津子の方が上であったろうに。
美津子が懐かないのも当然で母親は夜遊びに男遊び。父親の愛情は少し押し付けがましく、さらには義姉と不倫し義姉と家族が同居。
おかしな家庭環境だし、思春期の女子が反抗するのは当然。
母親があんなだから、父親の照光が義姉とそういう関係になったのは致し方ない部分もあるのだろうし、照光に愛情が無いわけではないと思うので、ある意味彼が一番貧乏くじな気もしなくもない。
沖縄という親族関係が密接な社会では生きにくいだろうと感じた。
あと、親の意識の大切さ。どちらの両親もあまり学があるとは言いがたい。日記には「寝むられない」「言ゆ」「ふわん」など、誤字だらけ。夏子に「北」の反対語を聞けば「きた」と解答。
そういうまともに教育を受けられなかった時代と場所に育った親でもやはり育て方なのだ。
美津子がいつもどこか遠慮しながらも智子に甘えていたという感じが健気で仕方ない。
本当は2倍になるはずだった親の数が美津子は危うく0になるところだったのだと思う。取り違えられたおかげで彼女は智子という母を得たのだ。
ま、もしかしたらそれがなければ状況からして下の妹達と同じく母の義姉の敏子に懐いたのだとは思うが。
美津子には幸運にも智子がいたからそっちに行っただけとも取れる。
家族とはあたりまえのようにそこにあるのではなく、「状況」が作り出しているようにも感じた。とにかく考えさせられる作品であることは間違いない。
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赤ちゃん取り違えを6歳のときに知り、
それから実の親に引き取られた2人の少女。
一方の家庭は元々崩壊状態で
最終的にはもう一方の家庭で2人は育っていく。
親の存在の大きさ、家庭環境の大切さ、を
嫌というほど感じさせてくれる。
子供を持つ親としては
感情移入するところが多い
心臓をぎゅっとつかまれたように
「いてててて・・・」
と心が締め付けられるような描写が
育っていく過程に散りばめられている。
最後は2人の少女とも立派に成人しており
親もそれほど後悔していないため
後味は悪くない。
一時は迷いに迷った智子さんが時折見せる
腹をくくった覚悟に尊敬の念を抱く。
面白い話ではないが
心をえぐるような思いをさせてくれるこのような本は好きだ。
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第二次ベビーブーム時に頻発していた「赤ちゃん取り違え事件」。1970年代、それぞれの子どもが6歳の時に「取り違え」が発覚した2つの家族を17年間追ったルポタージュ。
いわずもがな、是枝監督の映画賞受賞がきっかけで読んだ1冊。題材が題材なだけに気合を入れて読みました。そうでもしないと、飲み込まれてしまいそうだったから。
序盤は家族全体について書かれてましたが、途中から交換された子どもの1人にフォーカスして話が進んでゆきました。あとがきを読むと、著者は彼女の生き方に関心を持ったことも筆をとった理由の一つだったとか。
2つの家族のうち、1つは既に家族として破綻していたので、こちらに引き取られた彼女の生き方に関心を持つのは必然的だったのでしょう。産みの親は夜遊びで家におらず、実質叔母(親の姉)に育てられていた環境に突然放り込まれたら…数年後その叔母と実父が不倫関係になり子どもまで出来てしまったら…。産みの親と育ての親、どちらを本当の親と捉えるようになるか。答えは見えていたけれど、心理的葛藤が細かに書かれていて、気持ちが手に取るように伝わってきました。
「三つ子の魂 百まで」「親の心 子知らず」とはこれまさに。
家族とは、親子とは。血と情のせめぎ合う様が丹念に描かれており、読んだ後にしっかり考察することができた良い読書体験でした。
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まだ公開はされていませんが、気になっている映画『そして父になる』の参考図書ということで購入。
実際にあった取り違え事件を数十年にわたり追っていて、まるで週刊誌を読んでいるような出だしから始まりとても重いテーマではあったけれど、それぞれの想いや情景が見事にかかれていました。
親子って不思議です。
やはり血のつながりだけではない、今までの育った愛情や環境がまた人を育てていくんですね。
考えさせられる内容ではありましたが、映画の題名では父という言葉が使われていますが、本書では母娘の絆に主に触れていることから、映画ではどのような展開になっているのか気になります。
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沖縄で実際に起こった赤ちゃん取り違え事件。
今話題の映画「そして父になる」の参考書籍だそうです。
取り違えが発覚したのが、子供が6歳の時です。
うちの娘がちょうど今6歳なんですが、どうしても自分ならどうか?と考えてしまいました。
子育てにおける6年ってすごく長いですよね。
しかも0歳~6歳って、すごく大変で、子供はすごく可愛い時期。
それを急に「その子はあなたの産んだ子じゃないですよ。あなたの
産んだ子はこっちですよ。」って見ず知らずの子に会わされたら・・・
そんなの「交換なんてできるわけない!」って私は思いますが、それも今育てている子が自分の産んだ子だって確信があるのでそう思うだけかもしれないし。
実際、本書に出てくる伊佐・城間2家族の両親は最初は「交換なんてできない」と思っていましたが、実際自分達の実の子を見た時に「血の繋がり」を強烈に感じています。まず単純に顔が似ているという事。やっぱりそれは衝撃でしょうね。
結局子供たちは交換され、実の親の元に帰るのですが、もう子供たちの気持ちを考えると胸が締め付けられました。
もちろん親の葛藤にも・・・
特に美津子が痛々しくて見ていられない気分でした。
そして読み進むにつれて、この2家族の特殊な事情も浮き彫りになってきました。特に城間家は色々ありすぎて、これは取り違え事件の中でも特殊な事例だったのでは?と思いました。
6歳まで城間家で育ち、伊佐家の実の子であった真知子はそれなりに段々馴染んでいきます。
6歳まで伊佐家で育ち、城間家の実の子であった美津子は全く城間家に馴染もうとせず、隙あらば(次第に隙なんてなくても)伊佐家に戻って来ています。
「血」か「情」か?なんて書かれ方をしていますが、結局は親の愛情ではないかなと、本書を読んで思いました。
結局どちらの子供も伊佐家の方へ行ってしまうのですから。
そして親の愛情以外にも、「ある程度の経済力」・「親の教養」。
これはものすごく大事だと改めて気付きました。
総合して子育てにおいて「家庭環境」と言うものは非常に大事だなと思いました。
「血」とか「情」とかじゃない大事な物が確かにあるんだと思います。
今回、この2家族には、片方には健全な家庭環境があり、もう一方にはなかった。それが事態をより複雑にさせた気がします。
文庫化の際には、美津子・真知子が30歳になった近況も綴られています。これを読むと、少しは救われる思いがしましたが、それにしても根の深い問題で、本当に答えも解決策も何もない。
ただ当事者達は乗り越えて前に進むしかないんだなと思います。
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「そして父になる」の参考書籍。
親子の絆とは法で括ることのできないものだと感じた。
今、親子というもの、配偶者というものについての裁判が多々起こっている。結論を急ぐことはできない。
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「そして父になった」の福山さんの映画の原作の原作と聞いている。
本当に沖縄で起きた赤ちゃん取り違え事件を取材したノンフィクション。
6歳になった少女二人とその家族は、病院の取り違えから大きく揺らいでいく。ごく普通の家族に起きた事件は、全員に、これからの生き方と、家族のありかたをつきつける。途中読んでいてつらいことが多かったが、乗り越えていく人間の強さ、弱さに引き付けられた。特に智子さんというお母さんの娘たちへの思い、それを受け止めて成長した美津子さんには本当に感動させられた。柳田さんもあとがきで書いているが、程よい距離で、冷静に書かれた内容に、最後にはすがすがしさが残って良かった。
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子ども取り違えの本。
取り違えられた子は今40代。そんなに昔のことじゃないということが怖い。
だいじに、だいじに育てよう。
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「そして父になる」の映画を見た後だったので、読んでみました。
少し…かなり重い。現実はたやすくない。