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第17回直木賞に推されるが辞退した50年以上前の作品。
武家の定めの中で、夫・子・主人のために生き、ひたむきな心と清々しいまでの強靱さと美しさを持った女性の姿を描いた短編作品群。
無駄や主題からはずれた描写ができない30ページ程度の短編で、ひとつの物語を完結させ感動させる手法は、あらためて他に類を見ない見事さ。
本人は直木賞やいろいろな文学賞を辞退していて、「山本周五郎賞」がひとつの大きな評価になっているのも矛盾だが、山本周五郎自体が望んでいたかどうかは。
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年齢を経て読むほどに味わい深い。生き方を教えられるところ多し。でも反発する人も多そうだ。しかしこの生き方を自分で選び、そこに満ちて生きていければ、それこそが誇り高い生き方だと思うよ
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結果的に唯一の直木賞辞退作である同作を再読、全く覚えていなかった。
やけにひらがなが多い文章で少々鬱陶しいが、整然とした文体で現代の作家にはあまり見られない品の良さがある。
とは言いつつ少しばかり内容に浸り切れない感あり、これは書かれた時代のせいかもしれない。ただ最後の『二十三年』は秀逸、これで★を一つ上げた。
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女性は一読すべきと思います。
現代では難しいかもしれないけど、日本女性として産まれたなら忘れちゃいけないし、こうありたいと感じさせられる本。
古臭い、と敬遠する方もいるかもしれませんが私はこの世界観が好きです。
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「文学少女」な義母のススメ。小説自体はなんとも素晴らしいものであったが、義母がコレをオススメした理由って。。
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この人生観、今の女性には案外受けるのかも。
私の周りにはいないけど女性として、こうあって欲しいという人間が描かれている。また、男も、しんが一本通っていて、こういう男がいたから、明治維新も成功したのだし、近代日本の発展もあったのだなと痛感した。
人の気持ちを思いやる大切さを作者は強調したいのでは。
いずれにしても読後感は満ち足りていて、また周五郎の世界に浸りたいと思った。
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現代にはない夫婦や生活のあり方なのに、スラスラと読め心打たれました。松の花、梅咲きぬ、糸車、風鈴、墨丸が好きです。最後の二十三年は終わり方が…でもこれも一味違ってていいです。特に風鈴は、良い言葉があり、声に出して読みじっくり味わいました。
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千石どりの武家としての体面を保つために自分は極端につましい生活を送っていたやす女。彼女の死によって初めて明らかになるその生活を描いた『松の花』をはじめ『梅咲きぬ』『尾花川』など11編を収める連作短編集。厳しい武家の定めの中で、夫のため、子のために生き抜いた日本の妻や母の、清々しいまでの強靱さと、凜然たる美しさ、哀しさがあふれる感動的な作品である。
良作。
松の花、墨丸、心に残る。
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武家の時代に生きた女性を描いた短編集。文庫本の裏表紙には連作集とあるが、すべて独立しており個々の話の繋がりはない。
内容的にはいつもの周五郎節で、弱者にむけた温かい眼差しが心地良い。個人的には「墨丸」が一押しだが、11編全てに味わいがあるので老若男女関係なく楽しめるだろう。
いつの時代も女性は強い。凛とした美しさ、とはこういうことを指すのだなあとしみじみ思った。
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先日、山本 周五郎 氏による「小説日本婦道記」を読み終えました。
会社の同僚の方のお勧めでお借りして読んでみました。こういう形で手に取る本は、通常の私の視野の外になるものなので、楽しみも増しますね。
1958年出版の本ですが、タイトルの「婦道」という言葉は新鮮です。
実を言えば、山本周五郎氏の作品を読むのはこれが初めてでした。もちろん、有名な時代物の作家であることは知っていましたが、この作品は確かに面白いですね。
今更ながらではありますが、いろいろな意味でとても新鮮なインパクトがありました。
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高校の先生に推薦されて高校時代に初めて読んでみた本なのですが、その時はさしたる感想もなかったのですが、大人になって読んでみて、すごく感動することに気がついた。感性が変わってきてるんですかね?
現代では考えられないようなところもあるのですが、女性のひたむきさに感動します。
個人的には特に「不断草」が好きです。
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時代小説好きの友人がお勧めしてくれた作家、山本周五郎。司馬遼太郎、藤沢周平は好きだけれどどちらかといえば「坂の上の雲」のような近代を舞台にしたものが好みなのでなんとなく読む機会が無かった。けれど、これほど読んでよかったと思った本は最近ないかもしれない。短編集だが、どの作品にも自分を見失わず凛と生きる美しい女性が描かれている。「女性はこうあるべき」という押し付けがましい本なのかとタイトルから早合点していた自分がちょっと恥ずかしい。日本語を母国語としてこの小説を堪能できる幸せに感謝。
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いつの時代も男ってのは女性に支えられているようだ。夫のため、子のため、国のため。悲しくも美しい短編集。暮らしの中で生まれた決まり事には、そのひとつひとつに意味があるようだ。
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武家社会に生きる女性の教訓集。
直木賞に選ばれたとはいえ、後期の作品のような筆者の筆の冴えはあまりみられなかった。
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女性たちを中心に描かれた短編集。
現代とは全く違う生き方しか選べない女性たちが、その環境の中で精いっぱい魅せてくれる生き様が本当に素晴らしい。誰かのために、誰かを思い、誰かを支えて、様々な女性たちが自分の人生さえも犠牲にする。どの物語にも自己犠牲がありながら、その生き様を自ら選んだ女性たちの芯が通っていて強い。
日本女性の奥深さを感じて、涙なしには読めない作品だった。この時代の女性だけが持つ覚悟。それは決して現代人には感じることが出来ないもの。
男女平等が叫ばれる今の時代に到底そぐわない作品だと思う一方、別にこういう生き方があっても良いんじゃないかと思う。とにかくどの女性も、覚悟を抱いて自分の人生を生きたのだから、誰かがどうこう言うことじゃない。
個人的には特に二十三年と梅咲きぬ、糸車が好き。