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教え子の蒲団をクンカクンカ嗅ぐ、この作品。
この私小説の私小説としての衝撃性を味わうには、出版当時に読む必要がでてくる。教え子である芳子には、花袋に師事していた岡田美知代というモデルが存在するためだ。
「蒲団」の出版より3年後に岡田さんがスバルに出した「ある女の手紙」、年表、関連書籍等を漁ることで、衝撃性を体感できる。
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発表されるやいなや自然派主義文学(人間の感情をありのまま描く主義)の姿をまさに体現した金字塔と評された一作。先生としての体裁ある外面と、しかし生徒に抱く項心の激情に揺れ動く内面との対比が鮮やかに、しかし醜くも感じられる。ぜひご一読を。
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30歳半ばの小説家が、20歳の女弟子に恋愛感情を抱く。
そして…彼女の蒲団の匂いを嗅ぐ…
こんなあらすじを書くとただの変態主人公小説である。
しかし、非常に洗練された私小説となっている。
旧社会と新社会の移行期、不安定な常識・思想に揺らぐ明治という時期を舞台に、
「自由主義であれ」と説く自らの新思想に相反する旧慣習的な態度をとってしまう主人公。
彼を通して赤裸々に自らの性衝動を語るというスタイル。
明治40年の作品とは思えない斬新かつ衝撃的な切り口。
ムラムラしたい人必読!
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日本における自然主義文学の創始だってことで。
みんなが多かれ少なかれ持ってる変態要素がよく描かれてて、素敵でした。
日本文学っていいよね。なんか湿ってて。そこが嫌いな人もいるんだろうけど。
一兵卒は坂雲読んだ直後だったこともあって色々考えた。
ただ、夏目漱石と平行して読んでたんで、いまいち印象が薄いんだよな…取り合わせ間違えたな…
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日本近現代文学史に出てくる作品なので読んだ
「蒲団」
高名な先生の告白
汚いと思ったけれど、そういうことってありますよね、と妙に納得した
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妻子のある作家の目線で描かれた、自然主義、私小説の原点とも言われている作品。今読めば特別何ということは思わないのかもしれないけれども、とても大きな意味のある作品なんだなーと思いながら読んだ。思ったより読みやすかった。
一兵卒の方は読んでいて辛くなった。
2010/6/7
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「蒲団」100年も前の作品ということに驚くほどの共感。今では珍しくもなくなった赤裸々な心理描写も、禁欲的な人間像をベースにした表現の中で読むと、非常に趣があった。
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主人公の心理描写は現代でも十分共感を呼べるほどよく書けている。
ただ、異性の弟子の蒲団を嗅ぐという有名なラストは哀愁が漂っているいいシーンだけど、実際にはただの変態行為に違いはない。
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とにかく情景の肉感の脅迫生がすごいと感じた。まるで、その世界に作者自身が入り込み、ルポルタージュを作成したかのような感じだ。ここまで、創作という行為に種着している人も珍しい。
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ぐだぐだと眠たいことを言っている。作者の懺悔録として文壇に衝撃を与えたのかもしれんけど、そのシーンに居合わせなかった身としてはピンとこない。単に好きな女の子とうまくいかなくて布団で泣いただけの話。時代背景を知るぶんにはいいかも。旧式の女と新式の女っていうのがなんとなくロボット臭い。
子供のために生存している妻は生存の意味があろうが、妻を子に奪われ、子を妻に奪われた夫はどうして寂寞たらざるを得るか。
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率直な感想としては、「明治の貞操観はやべぇ」ということ、現代の処女厨なんてもんじゃありません。自分がおっさんになってからまた読んだらより深く共感できるかもしれない作品。一兵卒は絶望を描いた作品といったかんじ、個人的にはパッとしない。
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〜蒲団〜
文学者である時雄のところに芳子という女学生が弟子入りを志願してくる.時雄の芳子に対する否定的な態度は次第に肯定的へ移り変わり,いつしか時雄は芳子に恋心を抱くまでになった.ある時芳子を目当てに恋人の秀雄が上京してくる.時雄は監視者として二人の様子を観察し,芳子の関心を自分へ向けさせるようにさり気ない行動をするも無駄に終わる.そしてついに時雄は芳子を破門し,父親と共に田舎へ帰らせる.虚無感に包まれた時雄はかつて芳子のいた部屋に入り,彼女の使っていた蒲団に顔を埋めて泣くのであった.
最後の場面で時雄が流す涙の所以を突き止めるのはそう容易いことではない。
〜一平卒〜
とある一兵卒の最期を生々しい表現をもって描いた作品。「苦しい!苦しい!苦しい!」の連呼は見るに堪えない。脚気が生死に関わる病気だったことは知らなかった。静かなところでひっそり生涯を終えたいという願いは脚気を患っている以上叶わぬ夢に過ぎなかった。あまりにも酷であるとしか言えない。
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【一言】
読了して一言目の感想は「気持ちが悪い」
自分が女なので、女性の目線から読んでしまうが、それにより最後の有名な箇所が非常に気持ち悪い。
ただ、嗅ぐのも嗅ぐ方だが、残す女も残す女、といったところ。
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国語の先生から教えてもらった自然主義文学が広まった田山花袋さんの「薄団」
赤裸々すぎて現代人の私もびっくりです。
一兵卒は未読です。
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第一印象は文体が整っている、美しいということ。
時間の流れ、年齢はどうしようもない。年が離れた女性を好きになった男のつらさ、どうしようもないじれったさ、苦しみ、煩悶。
それにしても主人公の男は女々しい。しかしこれはほとんどの男がこの年になると経験する気持ちではなかろうか。