紙の本
そこそこ面白い
2016/09/29 05:24
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作は警察を舞台にしており、警務部提案で警察手帳一括管理を試験的に導入した矢先に、警察手帳30冊が一度に消える事件が起こります。普通に考えれば、外部犯行ではなく、内部犯行で、一番濃厚な疑いをもたれるのは手帳保管庫の鍵の管理責任者なのですが、当の本人は署内でも「軍曹」とあだ名され、恐れられるほど真面目一徹で礼儀にうるさい退官間際の老警官。警察手帳を盗む動機が何もない。警察手帳一括管理の提案者である警務課企画調査官貝瀬正幸は窮地に立たされます。捜査権限はないものの、居ても立っても居られず、独自に調査を開始。さて、犯人とその動機とは?
落としどころが人情的で、思わずほっこりしてしまいます。
その他の収録作品は、『逆転の夏』、『ネタ元』、『密室の人』の三編です。4編の中で一番サスペンス要素が多いのは『逆転の夏』で、結構読みごたえもあり、面白かったです。他の3作はそこそこ読めて、いい暇つぶしくらいのレベルのように感じました。
紙の本
推理小説
2015/11/18 18:37
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投稿者:のきなみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
のつもりで読むと「はてこれは推理小説なのだろうか…」という思いになった。どちらかというとこれは警察という『企業』の中で日々起こる問題に翻弄される人間の様相を描いた小説に思えた。読後感はあまりすっきりしない。
紙の本
引き込まれます。
2015/09/05 23:14
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投稿者:eri - この投稿者のレビュー一覧を見る
視点が独特で、とても新鮮に感じました。描写も詳細で、ドラマのような派手な華やかさのない所が、むしろリアルに感じられます。
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横山作品はどれも好きなのですが、この本に収められている「逆転の夏」を読んだ時に「全作品読んでみよう」という気にさせられました。
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これはねぇ、新しい刑事モノですよ。新鮮!刑事モノといへば、犯人がいて追う!のが定番。
だがしかし。これは警察の中のいろんな部署内が舞台なのよねぇ。
短編ですが人は繋がっているの。でも1つのお話しのみでも読めて、えっらい面白かったですよ。
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伏線の張り方が「動機」というテーマに直結している。その描き方が抜群に上手い。短いながらも、推理小説の全てを詰め込んだような作品。この話と『ネタ元』では、少し泣きそうになってしまった。いわゆる派手な話では全然無いが。こういう短編を読むと、なにか心がほっとする。
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表題作を含む 4編の短編集。
どの作品も 唸らせてくれる。
相手の心を探っていたら いつしか思いもよらない場所に行き着いていた。
それが どの作品の主人公にも通ずる気分ではないだろうか。
主人公の思考に従って読者である私も どんどん見たくないものの方へ導かれていくようだ。
そしてまた 読者に結末を想像させる終わり方が なんとも心憎いばかりである。
読み手によって 読後感は違うのかもしれない。
私は 明るい未来が連なることを想像しよう。
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半落ちは、確か初の長編だったって記憶があるのだけど、その中に、刑事、、新聞記者、裁判官などが描かれていました。この動機も「動機」という作品は警察官が主人公ですが、他の作品は、新聞記者や裁判官などが主人公で、半落ちを書く原型みたいなものが感じられます。4作品収録されていますが、やはり表題作の「動機」が面白いです。この作品のために買ってもいいくらいです。主人公の警察官の父親が痴呆症のようで、このシーンは、あとで、この作品を読んだ友人から教えていただいたのだけど、半落ちの裁判官の家庭に通じるものがあると、、、言われて気が付きました(^^;
ということで、かなり半落ちへのつながりが深いと思いましたが、このあと、「クライマーズハイ」や「第三の時効」など、どんな展開か楽しみにしたいです。読ませる作家だと思いますが、全く新しい切り口も見てみたいものです。
2004.2.29
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暗いというか重い雰囲気。あ、重厚というのか。これでもかというミステリの仕掛けはないんだけど、人間描写や雰囲気の描写がとてつもなく巧く、さらに正確で大量の取材で物語にがっちり掴まれる。そして謎のその真相が嘘っぽくなく、さらに有機的に結合しているように感じられる。またその真相も無理なく伏線をうまく使っていて納得できる。
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短編でよくできている作品です。やはり二時間ドラマや映画の原作はこのあたりから持ってきて欲しいです。半落ちみたいに中途半端に映画になるくらいなら、短編の内容をふくらませ欲しいなと思う。
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最近ずいぶん映画化されたりして話題になってるけど、今回初めて読んだ。内容も文体もカッチカチの硬派!ちょっと硬すぎて疲れてしまった。
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横山秀夫の短編集。表題の「動機」のほかに、「逆転の夏」「ネタ元」「密室の人」の合計4編が収められている。それぞれ、警察官、元殺人犯、新聞記者、裁判官が主人公となっている。どの話も、主人公の人物描写がものすごく深く、作品に入り込みやすい。物語を完全に終わらせてしまうのではなく、含みを持たせて終わることで、読み手に様々なことを考えさせてくれる。一応、ミステリのカテゴリに入れたが、そこまでミステリ色は強くないと思う。私の一押しは・・・全て。選べません。
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逆転の夏、私たちは紙一重のところに生きている、どちらに転じるかは、タイミングと一瞬の判断でしかない。
…なんてことを考えたお話。
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「人間関係」という戦場に置かれた、4人の主人公たち。
全員が、我が身と置き換えれば胃が痛くなるような奮戦をしている。
人間、生きる限り、すべては戦いの中か。
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渋いです。唸る、てほどの動機ではないけれど、納得する。
主人公自身の心情と上手くからみあっているのがいい。
他にかつて女子高生を殺し、出所後真面目に働こうとしている男のもとへ殺人依頼が舞い込む『逆転の夏』、地方都市の女性新聞記者の葛藤を描いた『ネタ元』、居眠りで失脚する裁判官の『密室の人』など。
どれも派手な事件はないんですが、気がつくと引き込まれてページをめくってしまうのです。