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地の果てから来た怪物 みんなのレビュー
- マレー・ラインスター (著), 高橋 泰邦 (訳)
- 税込価格:748円(6pt)
- 出版社:東京創元社
- 発行年月:2002.11
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文庫
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紙の本
科学の世紀だっ
2003/05/12 23:45
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投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る
南極への補給基地として利用される、太平洋上の孤島ガウ島。そこに南極から帰還する輸送機が立ち寄るところから、恐怖の物語は始まる。
そして「地の果て(EARTH'S END)」から怪物が来るってわけなんだけど、似たような話として、映画化もされているJ.W.キャンベル「影が行く」(創元文庫「影が行く」)を思い浮かべる人もいるでしょう。閉ざされた空間における恐怖、サスペンスという段取りは一緒だけど、科学的な推理、発見で全編を覆うキャンベルに比べると、ラインスターの方は人物の感情や(小さいながら)社会的な緊張感も折り込んで、読み手を引き付けるエンターテイメント性を意識した構成をとっている。
ただし、1959年に書かれただけあって、科学的な部分や組織論などにおいても、現代人にとっては日常的な感覚からしても、古いと思わざるを得ないところはある。しかし逆にそれによって、20世紀における人類の進歩がどれだけのものか、それによる恩恵の大きさを改めて認識させられもする。
むしろ38年に書かれた「影が行く」の方に古いという印象が少ないのは、科学知識は古びても科学的方法論は古びないということだろうか。
そして、キャンベルもラインスターも、ギリギリの知恵を絞って苦闘する人間が描かれている。
(キャンベルの場合「月は地獄だ!」(ハヤカワ文庫)で特にそれは感動的なのだけど)
古典的名作は、例え古びるということがあっても、その輝きを失いはしないのだ。
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