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すえっこOちゃん みんなのレビュー
- エディス=ウンネルスタッド (作), 石井 桃子 (訳), ルイス=スロボドキン (画)
- 税込価格:1,362円(12pt)
- 出版社:フェリシモ
- 発行年月:2003.1
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自分で考え、しっかり育つ。5才の子どもの、たっのしい!毎日
2005/03/14 10:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いしころ - この投稿者のレビュー一覧を見る
何かと仲間はずれにされている気になる、7人きょうだいの末っ子、5才のOちゃん。でもやっぱり、お兄ちゃんも、お姉ちゃんも、両親も、自分をたっぷり愛してくれているんだ、って、毎日毎日確信しながら、のびのび育っていきます。
そのいたずら(大人から見ると、いたずら)が、とてもおかしくて、でも、Oちゃんがそうした理由はもちろんあって。
結果的には『困ったこと』になっちゃうんですが、そこまでのOちゃんの気持ちの流れ、好奇心の方向、つまり、ひとりのこどもの、興味と成長、みたいなものが、きちんと描いてあるのです。
きょうだいの年齢は5才から、19才まで。Oちゃんを見守る目も、小学生から高校生、大人まで、さまざまです。そのことが、このおはなしに一層広がりを持たせています。
こどもが小学校に入ったら、読んであげれば一緒に楽しめると思います。できごとでまとめ、それぞれ短い章に区切られていますから、毎晩少しずつ読んでも。
訳者あとがき後編
2002/11/29 17:25
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:石井桃子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一年ほどの留学ののち、下村さんは帰国されましたが、スウェーデンという国にいる間じゅうに、自分が身体不自由であることを、他人から意識させられたことは一度もなかったと話されました。下村さんの一生にとって、それはそれはたいへん幸福な、のびのびと生活した期間であったに違いありません。
留学中、下村さんはいく人かのスウェーデンの子どもの本の作家にも会ってこられましたが、その中には『Oちゃん』の著者のウンネルスタッドさんもいて、この本の翻訳権の許可については諒解が得られたのでした。それで、下村さんの将来の本格的なお仕事は、緒についたと思われ、私たちは大いに喜んだのでした。
この時、この本の翻訳を、下村さんと私とで共訳するということは、どこで、どうきまったのか、それについては、それが学習研究社の希望によったものではなかったかという想像以外、私の記憶には何もありません。ただ私のおぼえているのは、そのあと、渡された原稿が、宝塚の下村さんのお宅と、東京在住の私の家との間を忙しく行き来したということです。下村さんはスウェーデン語によって訳し、私はその当時は、イギリスで出ていた英訳の『Oちゃん』を基にしました。
ところが、こうした作業が完成に近づいた時のこと、最大の悲劇がおこってしまいました。下村さんが、突如、交通事故のため、お亡くなりになったのです。一九六九年十一月のことでした。
こうして、未完だった『Oちゃん』の最後の章を、私は痛恨の思いで英訳から訳して、下村さんの霊に捧げました。
『Oちゃん』の著者、ウンネルスタッドさんについては、スウェーデンでは、『長くつ下のピッピ』の作者、リンドグレーンに次ぐ人気作家で、その作品は十数ヶ国語に訳され、なかでも、子どもたちに愛されているのは、ピップ=ラルソン家の子ども達を主人公にした物語であるという、下村さんからの受けうりの知識を、紹介しておきます。
この本の復刊に当たっては、全体を見なおし、古くなっている言葉を新しくしたり、発見された誤ちは訂正したりしながら、下村さんと、あちこちの字句について意見をいいあっているような気持ちで作業を終えました。
この本の出ることによって、下村さんのご遺族のニュースの得られることを願い、フェリシモ編集部の方々の細かいお心づかいに感謝いたします。
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